LENR反応は、普通の化学反応、たとえば、ガソリンの燃焼、と異なります。
E-Cat Worldの記事を見ていて、面白いヒントがあったので紹介します。
ロッシ氏のブログで、ロッシ氏自ら、
"the E-Cat is a cousin of the Schroedinger cat! "
と説明していることです。
訳は、「E-Catは、シュレーディンガーの猫の従兄弟だよ」です。
この意味は、こういうことと思います。
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ガソリンの燃焼では、ガソリンの全てが、一瞬で燃えてしまいます、
つまり爆発します。
このガソリンの燃焼に相当する一瞬の時間に、
どれだけの割合の燃料が反応するか。
ここが、LENR反応を理解するためのポイントです。
そして、E-Catの燃料は、水素とニッケルです。
(途中の反応は不明ですが、最終結果として、水素とニッケルが核反応すると言われています)
E-Catで発生していると思われるLENR反応では、
一瞬の時間には、
燃料成分である水素のごく僅か、おそらく百万分の1以下が
LENR反応します。
LENRは、原子核レベルの核反応ですので、
これまでの物理学の成果=常識から
そのエネルギー密度は、
化学反応の100万倍以上です。
E-Catで、発生する熱量は、化学反応程度の熱がずっと継続して発生します。
だから、化学反応の時間単位では、水素の百万分の1以下が反応しているのです。
極めてゆっくり、少しの水素が反応し続けることが、LENRの特徴と考えられます。
ロッシ氏は、「何も特別変わった理論は要らない、既存の理論で説明できます」
(By the way: as it will turn out when the scientific principle of our effect will be made public, the E-Cat respects perfectly the well known Physics laws and most accredited theories. I mean: there is no need of any “new physics”, everything is well contained in the well known Physics:)
と言っています。
シュレーディンガーの猫をロッシ氏が持ちだした理由は、E-CatのLENRは、原子レベルでは、確率、百万分の1程度で反応がおきるものであるということを示したいからです。これは、トンネル効果とも言えます。
では、この他に、燃料成分である水素のごく僅かが、ゆっくりと反応し続ける例はあるのでしょうか。
それは、太陽です。現在の太陽の核融合理論です。
太陽の科学は、地球から観測するとか、ロケットを打ち上げて人工衛星で観測するしか方法がありません。その実態を実験で調べるとか、すぐそばに行って調べることができないので、本当のところはまだ解っていません、諸説あります。
多分確かだろうということは、化学反応ではまったく説明できない膨大な熱を発生していること、太陽の寿命が100億年程度もあるだろうことから核反応に違いないことです。太陽の核融合の燃料=水素といわれています、これが、きわめてゆっくり100億年かけて燃えるということです。一個の水素原子(要するに陽子)にしてみれば、燃えてしまう(燃えるといっても核融合という意味)確率は、100億年に一回という意味です。
E-Catの理論を構築するときに、ポイントになることは、通常の状態では起きない(確率がきわめて少ない)核反応を百万分の1程度まで確率を高める方法であること、ということです。
だから、陽子4個が+電気に逆らって反応してヘリウム核になるとか、重水素核が+電気に逆らって反応してヘリウム核になるとかよりも、陽子と電子がくっついて中性子になると考えたほうが、確率的に起きやすいと思えます(実際は実験と理論の詰めが必要です、まだ憶測です)。中性子になれば、電気的に中性なので、これがニッケル原子核に進入することは、可能性が高いわけです。
ついでに、ロッシ氏推薦のNorman D. Cook博士(彼はJCF14 にて議長を務められる予定)の物理学の専門書(Models of the Atomic Nucleus)がこれ(英文324ページ)です。
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