Dec 25, 2014

表層型メタンハイドレートの政府発表

経済産業省の発表へのリンク

表層型メタンハイドレートの資源量把握に向けた調査を行いました~掘削調査により表層型メタンハイドレートを含む地質サンプルを取得~

表層型メタンハイドレートの資源量把握に向けた調査を行いました
~掘削調査により表層型メタンハイドレートを含む地質サンプルを取得~(pdfニュースリリース) 

○広域地質調査及び詳細地質調査の結果概要

ガスチムニー構造(海底からメタンガスが吹き出ている)が2年間で971箇所見つかっていることは事実。このメタンガスを、理科の実験の水素ガス採取のように、海底に傘をかぶせて集めるだけなら低コストで採取できると思う。一時的に海水中の風船に貯めておいて定期的に回収すればいい。

Dec 23, 2014

日本の領土問題まとめ

[一般論]

領土問題というものは、当事者国間の争いであり、
歴史を振り返れば、もつれにもつれたものである。

争う国と国が、歴史の事実認識を共通にすることは、立場の違いから、不可能である。

だからこそ、主張する正義を主張し続け、守るべき実効支配を守りぬくしか道はない。

正義を主張せず国土を守らずでは、侵略され奪われるだけである。

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[現状]

現在の日本の領土問題は、ロシアに占領されている北方四島、韓国に占領されている竹島。

日本政府が尖閣諸島の実効支配をしているから、日本政府は尖閣諸島の領土問題は無いとしている。

だが、中国と台湾が、尖閣諸島の領有権を1971年から主張しており、特に中国の公船・海警や漁民が日常的に尖閣諸島の領海無いへの侵入を繰り返し挑発行動を常態化している。

領海問題として、日中中間線の問題があり、ここには中国だけでなく、韓国(済州島の南海区域)も関係してくる。

中国とは、日中中間線上の東シナ海ガス田問題がある。

領空問題として、最近では、中国の一方的な東シナ海での防空識別圏設定も難題となっている。

残念ながら、ロシア、韓国は、日本の領土を侵略しており、北朝鮮、中国は、日本の領土を侵略しようとしていると考えざるをえない。

韓国、北朝鮮、中国は自国民に日本国及び日本人を敵視するように教育しているとも聞く。

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[日本の領土問題施策]

独立国・日本として、北方四島と竹島の返還を主張し交渉しつづけること、及び、尖閣諸島を始めとする領土・領海・領空の防衛を確かなものにすることが当然のことである。

文化・通商・経済協力では友好関係を維持発展させる努力を一層進めることと並行して、平和を願う国・日本国としては、平和的外交手段で領土問題を交渉し、他国領土・領海・領空を武力攻撃すること無く、自国領土・領海・領空への侵入者を排除し、国土を全力で守りぬくだけである。

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[国防への展開]

また、日本は海洋で囲まれた島国であるから、人々が行き交い、資源を輸入し製品を販売する貿易のための海運航路と航空路が生命線である。これらの防衛も領土問題の一部である。

敵対国の脅威を防ぐには、友好国と連携しなければならないのは自明である。

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1855年-1970年の北方四島、竹島、尖閣諸島の歴史年表

平和的に得た領土が、戦争に負けることで理不尽にも侵略される様子が見て取れる。

1855年         日露和親条約(北方四島の日本領土へ編入が平和的に確定)
1872年-1879年  琉球処分の施策(琉球王国を日本へ編入し沖縄県とする)
1885年 9月22日 日本の沖縄県は、尖閣諸島を調査し、無主の地であることを確認
1894年 8月 1日 日清戦争勃発
1895年 1月14日 日本は、尖閣諸島を日本領土への編入という閣議決定
1895年 4月17日 日清戦争の講和条約である下関条約が締結
 (尖閣諸島へ日本人が入植、鰹節工場など最盛期には99戸、248人)
1904年 2月 8日 日露戦争勃発
1905年 1月     無主地の竹島は、閣議決定で島根県隠岐島司の所管となる
1905年 9月 5日 日露戦争終結(ポーツマス条約により講和)
1910年 8月29日 韓国併合(大日本帝国が大韓帝国[1]を併合)
1912年 1月 1日 中華民国(孫文 臨時大総統)が成立
1940年         尖閣諸島の鰹節工場は閉鎖され無人島になる
1942年 1月 1日 連合国共同宣言
 (中華民国 • ソビエト連邦  • イギリス • アメリカ合衆国、計26カ国(一部は亡命政府)で宣言、その後47カ国までに膨らむ)
 (ドイツ、日本、イタリアと各国が単独で休戦または講和をしないこと等)
1943年12月1日 カイロ宣言
 (フランクリン・ルーズベルト米大統領、ウィンストン・チャーチル英首相、蒋介石中国国民政府主席による首脳会談)
 (戦後日本が台湾などを中華民国へ返還するなど連合国の対日方針などが定められた)
1945年2月4日~11日 ヤルタ会談
 (クリミア半島のヤルタ)
 (アメリカ合衆国トルーマン大統領、イギリス チャーチル首相、ソビエト連邦共産党書記長 スターリンの首脳会談)
 (ヤルタ秘密協定:アメリカとソ連の間、ドイツ敗戦後90日後のソ連の対日参戦および千島列島、樺太などの日本領土の処遇)
1945年5月8日 ナチス・ドイツ降伏
1945年 7月17日- 8月2日 ポツダム会談(ベルリン郊外のポツダム)
  (アメリカ合衆国トルーマン大統領、イギリス チャーチル首相、ソビエト連邦共産党書記長 スターリンが集まり、
   第二次世界大戦の戦後処理について会談)
1945年(昭和20年)7月26日 ポツダム宣言
 (アメリカ合衆国トルーマン大統領、イギリス チャーチル首相、中華民国 蒋介石国民政府主席(無線で承認)、
  ソビエト連邦は後から加わり追認)
1945年 8月08日 ソビエト社会主義共和国連邦(現在のロシア)対日宣戦布告、ポツダム宣言への参加を表明
1945年 8月14日 日本政府はポツダム宣言を受諾を連合国側に通告
1945年 9月 2日 日本は降伏文書(休戦協定)に調印
  (日本政府&大本営(日本軍)、連合国軍最高司令官、アメリカ合衆国、イギリス、ソビエト、中華民国、他)
1945年 9月 3日まで ソビエトは歯舞諸島に至る全千島を占領
1945年 9月 9日 朝鮮総督府の降伏(韓国併合の終了)
1945年11月26日 米国海軍軍政府布告第1-A号(琉球列島と尖閣諸島はアメリカ軍による軍政下に入る)
1946年 1月29日 連合軍最高司令官訓令SCAPIN第677号が出された
 (欝陵島・竹島・済州島、北緯30度以南の琉球列島、伊豆以下南洋諸島、千島列島・歯舞・色丹)での日本政府の行政権停止訓令)
1946年 2月 2日 ソビエトは全千島を自国領土への編入宣言
1946年 6月     国共内戦(国民政府軍vs共産党軍)を再開
1947年 5月 3日 日本国憲法を施行
1949年 1月 7日 韓国の李承晩政権は対馬領有を宣言
1949年10月 1日 共産党が北京、南京、上海などの主要都市を占領し、中華人民共和国が成立
1949年12月     蒋介石の中華民国政府は台湾へ撤退
1950年 6月25日 朝鮮戦争 勃発
1951年 8月15日 中華人民共和国の周恩来外相が、サンフランシスコ講和条約に自国が招請されないことを批判する声明を発表
1951年 9月 8日 サンフランシスコ講和条約調印
 (内戦中の中華民国と中華人民共和国の招請は見送り)
 (ソビエト、ポーランド、チェコスロバキアは、中華人民共和国の不参加を理由に会議の無効を訴え署名しなかった)
1951年 9月 8日 日米安全保障条約も署名
1952年 1月18日 大韓民国 李承晩大統領が、李承晩ラインを設定し、竹島は自国の支配下にあると宣言
 (1965年までに、日本人44人を死傷(うち5人が死亡)させ、3,929人を抑留)
1952年 4月28日 サンフランシスコ講和条約発効
1952年 7月26日 日本政府は竹島をアメリカ軍の訓練地として日本国が提供することを約する協定を締結
1953年 2月 4日 第一大邦丸事件が発生、李承晩ライン内で船長が韓国軍から銃撃を受け死亡
1953年 4月20日 韓国軍独島義勇守備隊が竹島を占領
1965年         日韓基本条約締結
1968年         尖閣諸島の海底調査(石油資源が埋蔵されている可能性があることが指摘)
1971年         中国、台湾が尖閣諸島の領有権を主張しはじめた
1972年9月25日  日中共同声明、中華民国に断交を通告
1975年 4月 5日 蒋介石が死去

Dec 21, 2014

太陽光発電の必読記事

村澤 義久さんの一連の記事は必読です。ただし、鵜呑み(盲信)してはいけません。

太陽光発電の「2015年危機」は本当か 2013年11月11日
「九電ショック」で早まるバッテリー時代 2014年10月8日
日本には太陽光しかない  2014年11月10日

彼によると、

原発のコスト(核燃料廃棄、廃炉と警備含む) 30円以上/kwh、
太陽光発電のコスト(土地代、建設費含む) 16~20円/kwh

もはや原発は一番高い、太陽光発電は安い、火力発電ももちろん一番安い、これは客観的事実です。

原発のツケ(核燃料廃棄、廃炉と警備)は税金で国民負担となっています。だから、国家財政のためにも、あなたの税を減らし年金を確保するためにも、できるだけ早く一番高くつく原発を止めたほうがいい

安い太陽光発電に税金からの補助は不要、自分(個人と企業)の責任で導入すればいいだけです。

村澤 義久さんは、「太陽光発電の蓄電池に補助金をください」と、私にとって困った主張をしています。補助金は庶民の皆さんにとって増税となり年金の削減となるものですヨ。蓄電池も本来は安いのだが、税金で研究する学者さんは、高価な新技術に飛びつき、国民の税金で研究したがる。そんなに儲かるなら自費で研究すればいいのだ。

過去10年以上、地球温暖化はしていませんから、私は温暖化詐欺ではないかという気がします。「国際政治の建前上、火力発電を増やせない」という官僚と学者とマスコミが多いです。村澤 義久さんも記事内容から、地球温暖化論者の一員と思われます。しかし、地球温暖化派から脱する国際的な言い訳はいくらでもつくものです、「地震と火山の多い日本には原発は不向き」、「太陽光に補助金を出すほど国家財政に余裕が無い」とか言えばいいだけでしょう。

石油価格が下がっている状況もありますから、火力発電を増やすかどうかは電力会社の自由裁量でいいと考えます。ただ、原発を止めて困るのは、原発立地の地方と原発業界です。原発は、火力発電所や他の発電所に転換すれば問題の多くは解決できると思います。

水素社会の明暗 2014年12月16日 もあります、これによると、

大規模定置型の燃料電池 25円/kw (コストではなく末端の企業向け電力価格であり、東京電力の家庭向け第二段階料金とほぼ同じ)。

うーん、都市ガス(メタン CH4)からわざわざ水素を取り出して、高価な燃料電池で発電する必要あるのでしょうか。のこった炭素をどうするのかな、燃やすしかないと思うけど。単純に、ガスタービンで発電して電気と熱の並列供給すれはいいだけと思いますが、、、。

その他

太陽光発電、取り付けっ放しで大丈夫ですか 田中太郎さん 2012年12月6日

(どんな建物・設備・機械も定期メンテナンスしなければなりません。)

Dec 20, 2014

太陽光発電のコストが一番安くなった

Wikipediaの太陽光発電のコスト記事の内容が古いこと、日本の家庭用の太陽光発電の導入価格は高止まりしたままの感じがすること、あるいは、最近の円安で、逆に高くなっていく気配があることから、独自に調査してみた。

まず、グリッドパリティという考え方があり、日本では、三段階ある。


  1. 24円/kwh(家庭用電力価格、2014年12月東京電力の第二段階料金の場合25.91円と少し高い)
  2. 14円/kwh(業務用電力価格)
  3. 7円/kwh(電力会社の原価)
また、「太陽光発電モジュールの価格が容量1Wp(ピークワットという)あたり1ドル (1$/Wp) を目安にグリッドパリティが達成されると言われてきた。」

以下、世界価格で検証してみよう。

太陽光発電モジュールの世界価格のサイトによると、ソーラーパネルの平均価格は、0.538ユーロ($0.66)/Wpであるので、グリッドパリティが達成されているはずである。パネル寿命は20年としている。では、さらに計算を進めてみる。

この太陽光発電モジュールの世界価格のサイトによると、ソーラーインバーター(電気を家庭用100V交流に変換する装置)についても価格が出ている。ソーラーインバーターは、パネルより寿命が短いので寿命保障年(2-25年)も掲載されている。ソーラーパネルは、20年持つと言われているので、ソーラーインバーターのコストは、20年分だけ価格が増えることになる。つまり10年保障のインバーターならば、二倍に換算することになる。それで計算し直した、20年分のソーラーインバーターの平均価格は、0.53ユーロ($0.65)/Wpである。

この太陽光発電モジュールの世界価格のサイトによると、ソーラーマウントシステム(ソーラーパネルを屋根等に取り付ける装置の価格)の価格が出ている。この保障年(10-15年)も出ている。これは素直に二倍にして20年分の費用にすることにして計算しなおしした平均価格は、0.145ユーロ($0.18)/Wpである。

したがって、合計すると、1.213ユーロ($1.48 = 177円)/Wpである。

(このサイトによると、日本のメガソーラーでは、250円/Wp、家庭用(分譲用)ソーラーでは、350円/Wpである。メガソーラーも家庭用ソーラー世界価格にどんどん近づくだろう。)

つまり、1Wの発電をするのに、177円の設備代(ソーラーパネルとインバーターとマウントシステムだけ)がかかるのだ。このソーラーパネル設備は、20年間利用できるはずだ。(税法上は17年間らしい)

20年間で発電できる時間は、
東京都の年間の平均日照時間 1.921時間をかければよい。
20*1921=38420
つまり、20年間で38,420時間発電できるのだ。
この総発電の電力は、34Kwhとなる。

34Kwhを、世界価格のソーラー設備なら、コスト177円で生み出すことになる。

34kWhの電力は、日本の電力価格では、

  1. 34 * 24 = 816 円 (家庭用電力価格) > 177 円 
  2. 34 * 14 = 476 円 (業務用電力価格) > 177 円
  3. 34 * 7 = 238 円 (電力会社の原価) > 177 円
ということになり、設備代(ソーラーパネルとインバーターとマウントシステム)だけなら、電力会社の原価(原発や火力発電所、水力発電所)より安いただしソーラーパネルを設置する土地代は含まれていないことに注意、だから屋根を用いることになるのだ。

つまり、世界価格のソーラー設備だけならすでにグリッド・パリティは完全に達成しているのだ。

太陽光発電の弱点は天気次第であり、出力電力が不安定なことである。したがって、昼間発電した電気を蓄電池に蓄えておき、夜に蓄電池の電力を使うことになる。

安価な鉛蓄電池(いわゆるカーバッテリー 寿命は保障2年、大型車用バッテリーならバラで1kwhの容量で2万円ほどで買える)、これを10個ほど用意しておき(10kwhの容量であり、家庭用には十分)、普通自動車用(パナソニック SBシリーズ 40B19L/SB程度、12V 28Ah で、容量 0.336 kWh 保障2年 価格\2,300-\3,200程度、30個で10Kwh相当、合計価格\69,000-\96,000)これを使うとする。

20年分として、10回交換するので、価格は、2 * 10 * 10 = 200万円69万円から96万円かかる。これは、バラ売り価格なので実際はもっと安くできるし、点検をしっかりすればバッテリー 寿命は3年としてもよさそうだ、そもそも10kwhでなく5hwhで十分かもしれない。

ところで、家庭用の大容量蓄電池としては、プラグインハイブリッドカーが最適である。なぜなら、もし夜間に電力不足になっても、エンジンで発電してくれるからだ。つまり、とても利便性が高いのだ。車の購入価格に電池代が隠れてしまうが、割り出すとせいぜい65万円である(PHVプリウスとノーマル・プリウスの価格差である)。車は5年走るとすれば、電池代は、20年分として 65 * (20/5) = 260万円である。

おそらく、東京電力に、年間20万円以上を支払っている人で、ソーラーパネルを敷き詰めるだけの広い屋根を持っている人(家庭も工場も)は、太陽光発電とプラグインハイブリッドカーあるいは蓄電池システムがあれば、東京電力を解約した方が、トータルコストが安くなる時代に突入しつつあるのだ。

家庭用や工場用のプラグインハイブリッドカーとセットになった完全独立型の太陽光発電システムがそのうちに登場することは、間違いなさそうだ。

追加

太陽光発電に関する限り、再生可能エネルギー固定価格買い取り制度は、コスト競争力がついたから不要となりつつある。この買い取り制度政策は、薄く広く国民の税負担が増える(=全員が損をして貧乏になる)ことなので、私は反対の立場(制度廃止に賛成の立場)である。

今の政府の政策では、原発への政治的優遇策がある以上、再生可能エネルギーへの優遇策もバランスを取る上で無くせないことになるだろう。官僚にとっては、権限と天下り先が増えてて嬉しいはずだ。「人に優しいリバタリアン」である私には困ったことだ。

日本の政治スタイルは、戦争中の大政翼賛会方式の伝統が続きとても古くさい、利害調整型であり、予算膨張主義であり、これを官僚権威主義と私は呼ぶ。優遇策(=補助金、例外税制など)の原資は、国債のこともあるが、結局のところ庶民が納める税金から支払うことになり、ツケは国民が払うのだ。政府予算としては、増税か借金しか道がない。増税は人気が無いので借金(=国債発行)し続けたわけである。ツケはいつか払うことになるはずだが、ツケを払わなければ信用を失う、それが日銀の国債引受と円安ということですでに現実化しており、世界の歴史を調べるといずれ制御できない円安と国内のみのインフレになる可能性が高い。

しかし、業界からの企業献金、たとえば、自民党へは、原発業界から2009年に7億円、過去37年間で100億円を超す、民主党(特に野田内閣以後)も額は少ないが同様と推定できる、この企業献金がある以上、古い政党が、「一部業界へのエコヒイキである優遇策政策」を変えることは、これまでの日本の歴史から学べは、不可能のままだろう。明治維新とか、米軍による占領といった統治者の完全な入れ替わりがないと本質的な改革をすることが、日本民族には、できたことが無い。

私としては、政治のスタイルがリバタリアンに変わってほしいところだが、あと4年は現政権が続き、無理だなというあきらめの気持ちもある。

わずかだが、別の希望がある。政治による改革を上回る力とは、技術革新とそれによるコストダウンである。自由主義経済に属する国では、「安いから買うという金の力」ほど強い力はない。

太陽光発電がドンドン安くなれば、市場そのものである私たち市民がそれを買うだけである。

YILDIZ 磁気モーターの試作品発売情報

以前紹介した、磁気だけで回転するという謎のモーター、YILDIZ 磁気モーター(BSMH Magnetic Monopole)のプロジェクトに動きがありました。

2000台の試作品(一台222万円税別)を販売する模様です。

YILDIZ 磁気モータープロジェクトのサイトが発表しているニュースを翻訳してみます。

[警告]ただし、元の英文の内容を見ると、詐欺の恐れが十分にあります。税込み輸送費込みで300万円近いお金を捨ててもよい人だけが自己責任で申し込みすることになります。100万円かけて、トルコまで実物をじっくり見に行ったほうが安いかもしれません。

お金のない人(私もですが)は、試作機が市場に現れる来年4月からの様子を観察してみましょう。

ここから<<<

November 29, 2014
2014年11月29日

PUBLIC ANNOUNCEMENT
公表

Plans for 2015 production of the Yildiz magnet Motor

Yildiz 磁気モーター の2015年の製造計画

Over the last few years we have been improving the magnet motor.

過去数年間で私たちは、磁石モータを改善してきた。

We are now in the process of perfecting the prototypes of the motor, to be able to start production of a limited number of motors.

私たちは、モーターの試作品を完成する過程に今ある、モータの限られた数の生産を開始できるようにする。

The production of magnetic rotators for the power range of up to 5 kVA will commence on January 1st, 2015.

最大5 kVAのの電力範囲用の磁気回転体の生産は、2015年1月1日に開始されます。

This first edition of the motor will be sold customers willing to participate in beta testing.

モータのこの初版は、ベータテストに喜んで参加されるお客様に販売されます。

The first series of the motor will become available for purchase in the second quarter of 2015.

モータの最初のシリーズは、2015年第2四半期の購入ができるようになります。

Technical preparations for power ranges of over 5 kVA are currently in progress. 

5kVAオーバーの電力範囲のための技術的な準備は現在進行中です。

After necessary legal regulations come into effect, the serial production of these power ranges will also commence.

必要な法的規制がその効力を生じた後、これらの電力範囲の連続生産も開始します。

For the time being, 2 types of products will be released:

当分の間、製品の2種類がリリースされます:

1 - Electric power generators

1 - 発電機

2 - Torque generators in range of speeds

2 - 速度の範囲でトルクジェネレータ

Initially, a total of 2,000 units of 5 kVA (220 Volts, 25 Amperes) electric energy power generators will be released.

最初に、合計で、2000ユニットからなる、5キロボルトアンペア(220ボルト、25アンペア)の電気の発電機が、リリースされる。

Sales will be done upon pre-orders.

販売は予約注文によって行われます。

The price of one 5 kVA electric power generator is 15,100 euro + VAT. 

5キロボルトアンペアの発電機の価格は、 15,100ユーロ + VAT(付加価値税)(1ユーロ147として、円換算 222万円)です。

Beta testers (First 2.000 motors) will have 10% discount.

ベータテスター(最初の 2.000モーター)は10%の割引になります。

The customers can apply for pre-order, filling application form. 

お客様は、事前注文を申請することができます、申込書を記入してください。

 Download application form.

申込書をダウンロードしてください。(上記をクリックするとダウンロードできます)

To our customers whose pre-orders are confirmed, we will send :

事前注文内容が確認されたお客様に、以下を発送いたします。
(訳注 [警告]詐欺の恐れがあります、申し込みは自己責任でお願いします)

1 - Purchase order form

1 - 発注書フォーム

2 - NDA

2 - NDA(機密保持契約書)

3 - Contract of guarantee

3 - 保証契約

Customers will fill the documents and send them to HMSB A.Ş.

お客様は、書類を記入し、それらを HMSB A.Ş 社へ送信してください。

Customers whose applications are confirmed, will deposit 5,100 euro + VAT to HMSB A.Ş.’s bank account and send the receipt to info@hmsbturk.com

その申し込みが確認されているお客様は、5100ユーロ(日本円で約75万円)+付加価値税(VAT)を振り込んでください、HMSB A.Ş.の銀行口座へです。(訳注 [警告]詐欺の恐れがあります、申し込みは自己責任でお願いします)さらに info@hmsbturk.com に振込記録のメールを送付してください。

The invoice will be sent to the addresses of the first 2,000 receipt owners.

請求書は、最初の2,000人の領収書の所有者のアドレスに送信されます。

Our customers, will deposit the remaining amount of 10,000 euro + VAT to HMSB A.Ş.’s bank account until March 15th, 2015.

当社のお客様は、、2015年3月15日まで、HMSBA.Ş.の銀行口座へ、残金である 10,000ユーロ+付加価値税(VAT)を振り込んでください。(訳注 [警告]詐欺の恐れがあります、申し込みは自己責任でお願いします)

The products will be delivered until the end of March 2015.

製品は、2015年3月の終わりまで配達されます。

All our customers have the right of withdrawal, and right of return.

すべてのお客様には、撤退の権利と返却の権利があります。

All conditions are included in details, in the documents.

すべての条件は、文書にて、細部まで記されています。

As of today, the centres of distribution are Turkey, Italy and Germany. Other countries will be granted distributorships, as well.

今日のところ、配達のセンターは、トルコ、イタリアとドイツです。他の国にも、販売権は同様に付与できます。

The head office is located in Turkey. 

本社はトルコに位置しています。

All deliveries to the distributors will be done from İzmir, Turkey.

販売代理店へのすべての出荷は、トルコのイズミールから行われます。

About terms and conditions of distributorship for other countries, please visit our website at www.hmsbturk.com and fill in the contact form.

他の国については、販売権の契約条件について、www.hmsbturk.com当社のウェブサイトを訪問し、コンタクトフォームにご記入ください。

For production licensing and dealerships, you may contact us in the same way.

生産のライセンスと販売特約店に関しては、同じ方法でご連絡ください。

Muammer Yıldız 

(社長名)

HMSB Manyetik Enerji Makine İmalatı ve Danışmanlık A.Ş.

HMSB磁気エネルギー機械製造及びコンサルティング株式会社

Magnetic Energy Machine Production and Consulting

磁気エネルギー機械生産及びコンサルティング

>>>ここまで

Dec 16, 2014

ニュージーランドから学ぶこと

ニュージーランドのまとめ

南太平洋の島国ニュージーランドの特徴は、

人口が440万人と日本の5%以下と少ないこと
面積は日本の80%程度とほぼ同じこと

人口密度が、16.5人/km^2 ととても少ないこと、(日本は、337人/km^2)、
家畜頭数は人口の10倍と言われる。

1人あたりGDPは、27,668ドル(日本は、 38,053ドル)。

食料自給率 300%(カロリーベース)。食糧価格は日本よりずっと安い。

エネルギー自給率不明(ただし、自然エネルギーの比率30%とか、水力発電が電力の54%と言われている、原発は不要のため無い、電気料金は日本と同等、これの意味することは世界的に見るとニュージーランドの電気料金は日本並みに高い、自然エネルギーの割合を90%に増やす国策あり)

消費税は15%、所得税も15%、贈与税・相続税が日本より安い。

治安は日本より少し悪いが、アメリカほど悪くもない。

食べ物が安いことは、1人あたりGDPが日本より少なくとも豊かに暮らせることを意味する。

輸出品は、食品(乳製品、肉、木材・木製品、魚)、その他機械類。

経済史として、ニュージーランド政府は、1970年代に高福祉国家路線と農業補助政策、鉱工業開発政策で財政破綻を経験、1984年から10年に渡り改革を行い、国営企業(電信電話、鉄道、航空、発電、国有林、金融)の民営化と外資への売却、大学や国立研究所の民営化、保護と規制は撤廃、許認可の廃止、官僚の数の半減を実施。デメリットは高福祉医療の崩壊ぐらいだった。1995年以後は、自然保護政策が台頭し、観光政策も推進している。

日本政府の場合、規制緩和であり規制撤廃ではないため、効果もあまりなかったと言えそう。

2005年TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)を最初に締結した4か国が、中継貿易のシンガポール、石油の豊富なブルネイ、銅など鉱物資源と農産物のあるチリ、そしてニュージーランドである。

ニュージーランドは歴史的に英国植民地であり、多民族国家である、今も移民が多いが白人68%と先住民族マオリ人15%が多数派である、問題を起こしがちなアラブ系移民はとても少ない、このため、移民問題は顕在化していないが、アジア系移民が増えており、水面下では移民問題があるらしい。

軍事的には、オースラリア、アメリカ合衆国と連合しているが、核兵器は持たない持ち込まない主義、原発も保有していない。


日本がニュージーランドから学べること。
  1. 人口が少ないことは問題ではない、一人あたりGDPが問題である
  2. 低賃金で使役する移民を認めてはいけないこと
  3. 規制撤廃、保護撤廃、官僚削減が経済の繁栄に繋がること
  4. 政府が提供する福祉は、最低限の文化的生活までに留め、追加は個人の選択
  5. 自国は、自分達で侵略から守らなければならない
  6. 国民が生き残るために、水・食料・エネルギー・原料の最低量の自給が必要
  7. 豊かに暮らすために、食料・エネルギー・原料を平和外交で確保
  8. 自国の良い品を輸出し不足品を輸入するしか国家の繁栄はない
  9. TPPを始めとする自由貿易協定は、国富増大の近道


ニュージーランドの油田資源の入札から

南太平洋の国、ニュージーランドには、石油・天然ガス資源が陸上と海上にあり、2014年は、国際入札で、鉱区を販売していた。

関連ニュースは、
ニュージーランド=自然エネルギーを重視する独自路線を貫く 2014/04/09 11:27

シェブロン、ニュージーランド沖合の複数鉱区を取得 December 11, 2014



十勝沖メタンハイドレート発見バンザイ

北海道の十勝沖にメタンが湧出している海底があり、海底の地下にメタン・ハイドレートが存在する可能性が高いと言われています。

北見工業大学の発表原稿

北見工業大学 十勝沖 海洋調査実習 
海底から立ち上る巨大メタン湧出フレアおよび多数の海底カーボネートを発見

ニュース例 十勝沖に巨大鉱床か 期待のメタンハイドレート

新聞社は、ニュースの元ネタを隠す古い習慣を捨てて、元ネタのURLを掲載したほうが、
「科学技術立国を標榜する日本国民の一員として責任を果たしている謙虚な会社」
と見なされると思います。

今回の発見のおもしろいことは、メタンガスが海底から立ち上っていることです。

このメタンガスを捕獲するには、「理科の実験で、水素ガスを水上置換法で逆さにして沈めたビンに集める原理」を用いると容易いことが誰にも知られています。海底を掘削するする必要が無いわけです。

地球の地下深くにはメタン(他にも水素、炭素、炭化水素としての石油やガス)がたくさん有り、これは水や岩石より軽いので、少しずつ割れ目や隙間から沸き上がるのです。

海底に、巨大なシートをかぶせて、一部を三角の山状に持ち上げておけば、そこに沸き上がってくるメタンガスや石油が、海水より軽いため、貯まります。これを海上にストローパイプで汲み上げるだけです。

この方法は、掘る方法よりはるかにお金がかからず、安全で、シードでカバーした範囲のガスと石油をもれなく回収できるという、捕獲の効率が良い方法です。

この資源は枯渇の心配がほとんどありません。その理由は、海底地下から湧き上がる量だけを集めるだけだからです。

私は、石油無機起源説の立場です。石油無機起源説によれば、ガスと石油は地下深くに使い切れないほど大量にあります。地球が地下に保持しきれない量が、地盤の隙間から湧き出てくるのです。だから、1000年程度で枯渇の心配はありません。次も参考にしてください。 メタンハイドレートの採掘の新案

海底に穴を掘ってメタン・ハイドレートを採る方法では採算が合いません。掘っても小石まじり砂まじりドロ混じりとなり、採掘パイプがつまり機械が摩耗するだけです。高度で安価な掘削技術がまだ日本には無いこと、設備や器具にお金がかかり過ぎることなどは、すでに政府が試験掘削で実験済みです。つまり、掘る方法ではお金がかかり過ぎて損をするから、掘るという発想では誰も手を付けられないのです。

一方、アメリカの陸上で行われているシェールガス、シェールオイルの採掘では、表層の地下水がガスや石油で汚染され、井戸水に火がつくそうです。これは、地下を無理やり水平に掘ってガスや石油を取り出す方法(詳しく言えばはさらに加熱して液化・気化させる)を用いるからですが、地下のガス石油資源の100%を回収できるわけではなく、回収できなかったガスや石油は、地下の隙間を通り、徐々に地上に滲みだしていきます。滲みだした代わりに相対的に重い水が地下深くへ滲み込みます。

従来型の油田では、地層的に、「ガスも油も水も通さない広大な粘土層」があり、ここが三角の山状になっているところがあってそこの直下に、ガスや石油が溜まっていたのです。だから、ストローパイプをその場所に突き刺すと、軽いガスと石油はパイプから吹き出したのです。

「ガスも油も水も通さない広大な粘土層」を人工的に海底面に敷き詰めようという発想が、新しいメタンハイドレートの採掘方法です。

私は地球温暖化懐疑派の立場ですから、現在の日本の消費量程度であれば、地下にあるガスや石油を取り出して燃やすことになんの問題も無いと信じています。

しかし、仮に温暖化の立場であれば、メタンの温暖化係数は二酸化炭素の21倍ですから、海底から湧き出るメタンを見逃すことは、由々しき問題です。これはぜひとも全量回収して燃やしてしまうことが、地球温暖化信者にとっての科学的正義であることは間違いありません。

Dec 10, 2014

熱から直接発電

熱から機械的運動を経由せずに、直接発電したいと考えました。

実現できるかどうかは、後で検討するとして。

機械的運動を経由しないならば、想定されるメリットは、


  1. 機械的摩耗による故障は無くなる(化学的劣化は残る)
  2. 装置を小型化できそうだ
  3. 安全装置を簡略化できる
  4. 材質により安価に作れそうだ

ちょっと調べるといくつか方法があることがわかります。


  1. ゼーペック効果を利用した市販の半導体素子で発電
  2. トムソン効果(注1)で発電できるかも
  3. アルカリ金属熱電発電という方法もあるらしい
  4. 熱電子発電という方法もあるらしい
  5. 他にもありそう


ゼーベック効果は市販の半導体素子(たとえばここ)がありそれで発電できるが、実用化された効率は最大で4%ととても低い。ゼーベック効果では原理的にカルノーサイクルを超える発電はできない

トムソン効果で発電は、いろいろ考えてみたが、無理そう。

熱電子発電については、ここここここここここここここここ。実用化と効率はまだまだである。

他には、ここここここ、まだまだ研究中。

まとめサイトはここ

今行われている発電方式は、ボイラーで水を加熱すると沸騰して水蒸気となりバルブから飛び出してくる。この蒸気をタービンに当ててタービンを回してさらに発電機を回して発電する。水蒸気は勢いを失いボイラーに戻って来るので、放熱器で冷やして水に戻してからボイラーに戻すことで、水は循環する。この100年以上の実績のある方法を凌ぐことは容易ではない。


(注1)トムソン効果 (Thomson effect)とは、こここことかここを参考。熱力学のジュール・トムソン効果とは別。

Dec 3, 2014

メッシュ・ネット=FireChat

昔話

「端末装置がメッシュ・ネットワークを自動で自立的につなげていけば、携帯無線基地局は不要になるな」
と、何年も前に思いついて、
いつかそんなの自分も作りたいと思っていたら、
戦地用通信網として研究開発されていると分かった。

今の話

スマホの無料アプリとしてメッシュ・ネットワークが提供される時代になっていた。

FireChat という。
私(おじさん)は、半年遅れでこいつを発見。遅れてますな。

これを使えば、あのコミケ会場でもうまく通信できるのだろうか、、、


紹介サイトのリンクを、メモ

第6回 新種のSNS? それとも出会い系アプリ?!

【FireChat】が面白く革命が起きる。電波無くてもチャットOK!

iTunesプレビュー FireChat

ネットのいらないチャットアプリ「FireChat」、香港のデモで利用急増中

ネット接続なしでチャットできるアプリ「FireChat」はどれくらい離れても使用可能なのか試してみました

香港のデモで活躍するスマホアプリ「FireChat(ファイアーチャット)」とは

香港のデモで大活躍、「FireChat」のメッシュネットワークとは?

FireChatには、いずれ、メンバーを限定できるようにチャット・チャンネルに参加用暗号化パスワード機能が付けられるようになると思うが、どうでしょうかね。

進化していけば、FireChat のようなメッシュ・ネットワークだけで通信はできてしまうようになる。今でもbluetoothより電波が飛ぶWifiが装備されているからね。素晴らしい。そうなると携帯電話会社が倒産してしまうかもしれないが。


E-Catの理論仮説・束縛中性子トンネリング(まとめ)

カール·オスカー・Gullström氏による E-Catの動作原理の推測をまとめた論文
束縛中性子トンネリングを通じての低放射の核融合(Low radiation fusion through bound neutron tunneling)」の日本語訳です。

読む時に注意して欲しい点が有ります。ところどころ、小数点の表記が"."でなく","になっているところがあります。これはカール氏の国の習慣のようです。予めご了解下さい。


感想

この論文は、まだ仮説の段階ですから、色々な角度からの沢山の実験で確認をしていかないと、正しいと証明できません。しかし、LENRには、大きな可能性を感じます。

LENRの研究者たちは、まず、水素の原子核のごく一部の陽子が電子とトンネル効果で反応して中性子となり、その中性子が周囲の元素の原子核、ニッケルなどに吸収され、その後の原子核のわずかな崩壊現象(核種変換)で余剰エネルギーが発生しているという仮説が検討されています。私もこの説を支持しています。

トンネル効果は、量子力学の不確定性原理で説明される現象です。

このトンネル効果は、みなさんが利用しているスマホの中の半導体技術で応用されているくらい実は身近に起きている現象です。

また、太陽の軽水素元素による核融合反応が、約100億年も続くというたいへんにゆっくりした反応である理由もトンネル効果で説明されます。

これまでの、ウラン系の核分裂原子炉や重水素原子核の核融合系の科学者や技術者には、トンネル効果を応用して核反応を起こそうという発想は無かったようです。というのは、彼らはもともと原子爆弾、水素核融合爆弾の開発者であり、爆弾という爆発的現象を小さな規模で起こすにはどうしたらいいのかという発想で長年開発を続けてきたからです。彼らの発想は、100年近く一方向にこりかたまっていたようです。

LENRや常温核融合などの理論が未整備の分野の現象については、柔軟性を持って多角的に考えることが、一流学者とその他大勢の決定的な差に繋がるのでしょう。

「LENRや常温核融合などありえない」と頭ごなしに批判をするよりも、仮にその実験結果なら、こういう理論的可能性があるとか、こういう応用ができると表明するほうが将来に期待できる研究者なんだと思います。

E-Catの理論仮説・束縛中性子トンネリング4

where fi is the nickel burn rate,

ここで、fi は、ニッケルの燃焼率、

PHit is the probability that a MeV energy nucleon hits a Ni nucleus,

PHitは、MeV のエネルギーを持つ核子が Ni 原子核を叩く確率、

Pn* is the probability for bound neutron tunneling,

Pn*は、束縛された中性子トンネリングの確率、

fn * is the neutron frequency inside the nuclide

fn *は、核種内の中性子の周波数(訳注 周波数ではなく頻度かもしれない)

and NrMev is the number of MeV particles each second.

さらに、NrMevは、毎秒の MeV 粒子の数、

fi could be approximately calculated.

fi は、近似で計算されうる。

PHit is just a comparison of areas:

PHitは、領域の比較にすぎない、つまり:

Approx. values are Area_nucleon ≒ fm ^ 2 = 10 ^ -􀀀30 m^2 and with the nickel
atomic radius of 1.2e 􀀀 -10 m

近似。値は、 Area_nucleon ≒ fm ^ 2 = 10 ^ -􀀀30 m^2 さらに、ニッケルの原子半径は 1.2e 􀀀 -10 m
(訳注 ≒ はほぼ等しいの意味、 ^ 記号は、べき乗の意味、例えば、 fm ^ 2 は fm の二乗である)

gives the sphere area of Area_Ni_Sphere ≒ (10 ^ -􀀀10) ^ 2 = 10 ^ -􀀀20 m^2 so that Phit
is in the range of 10􀀀 ^ -10.

それから求まることは、Area_Ni_Sphere の 球体エリア ≒ (10 ^ -􀀀10) ^ 2 = 10 ^ -􀀀20 m^2、
それ故、Phit は、10􀀀 ^ -10 の範囲に入る。

 NrMev could be calculated for a self burn phase.

NrMev は、自己燃焼フェーズについて計算されうる。

The number is achieved from

その数値は、次から得られる

where fi are the burn rate and NrNi are the number of nickel atoms.

ここで、 fi は燃焼レート、さらに、 NrNi はニッケル原子の数。

This implies that there's a recurrent relation if something triggers the number of
MeV particles to a specific value the interaction could enter a self burning phase
until al nickel is transformed into 62Ni.

これが示していることは、循環関係があるということ、というのは、もし仮に、何かがきっかけとなって、たくさんの MeV 粒子を、特定値にするならば、その相互作用は、自己燃焼フェーズに入りうるしいうということ、ただしニッケルが62Niに変化してしまうまでだが。

 100g nickel gives NrNi = 1.8e18 nickel atoms and with the experimental value fi = 6e -􀀀9 gives NrMev = 1:2e11.

100g のニッケルが与えるものは、 NrNi = 1.8e18 個のニッケル原子であり、さらに、実験値 fi = 6e -􀀀9 が与えるものは、 NrMev = 1:2e11 である。

Then using the MeV Ni Li tunneling prob gives average numbers of Pn * = 10 ^ -􀀀29 and
bound neutron frequency fn * = 10 ^ 21.

それ故、MeVの Ni Li トンネリング prob が与えるものは、平均値で Pn * = 10 ^ -􀀀29 、さらに、
束縛された中性子の周波数(訳注 周波数ではなく頻度かもしれない)は、fn * = 10 ^ 21。

The theoretical fi is then 10 ^ -􀀀9 in the same range as the experimental value.

この理論的 fi は、それ故 10 ^ -􀀀9 であり、実験値と同じ範囲に入っている。


Neutron abundance problem

中性子存在量問題

The Ni/Li weight ratio should be 2,6 but from the fuel analysis one instead
found 55/1.

このNi/Li 重量比は、2,6に違いないが、しかし、燃料分析から、人は、代わりに、55/1 を発見する。

This means that there's a shortage of neutrons for Ni Li burning to a pure 62Ni content in the ash.

これが意味することは、Ni Li 燃焼で、灰の中の含有量としての純粋な62Niになるには、中性子の欠乏である。

There is some solution for this problem.

この問題についてはいくつかの解決策がある。

First is that the pure 62Ni ash powder grain have the desired ratio and unburned Ni
is hided in the other grains.

第一には、の純粋な62Ni灰粉末粒子は所定の比率を持ち、燃えなかったNiがその他の粒子の中に隠れている。

Actually low Li ash powder grain seems to contain semi burned Ni with an unnatural abundance.

実際に、少ない Li 灰粉末粒子が、燃えかけのNiに含まれているように見える、天然ではんい存在量を示しているからだ。

The 58Ni, 60Ni and 62Ni peaks is the same which is not the case of natural Nickel.

その58Ni、60Ni と 62Ni のピークは、同じであり、それは天然ニッケルの場合ではない。

Another solution is that at the working temperature at 1500o C are above Lithium boiling point so that the lithium could be achieved through gas diffusion from Li rich Ni poor grains.

別の解決策はこのように成る、摂氏1500度の動作温度、これはリチウムの沸点を上回る、それ故、リチウムはガス拡散してしまうことに成り得る、こうして、LiがリッチなNiから、乏しい粒子となる。

A third solution is that the other components in the fuel also undergo some bound
neutron tunneling.

第三の解決策はこのように成る、燃料のその他の成分が、ある程度の束縛中性子トンネリングを発生している。

This leads to some analysis to nickel poor powder grains.

これは、ニッケルの乏しい粉末粒子についてのいくつかの解析を導く。



Discussion of nickel poor ash powder grains

ニッケルの乏しい灰粉末粒子の議論

The high Li6 low Ni ash contains two peaks 55 53 with the same height.

この高い Li6 低い Ni 灰は、二つのピーク、 55 53 を含むし、それは同じ高さである。

This could be from bound neutron capture in iron.

これは、鉄における束縛中性子の捕獲からである。

But if this where the case the short lived (minutes) isotope 53Fe should decay to 53Mn.

しかし、もし仮に、これが、ここで、その場合、その短命(分単位で)の同位体 53Fe が、 53Mn に崩壊するとしたらどうだろう。

(訳注 7ページの終わり)


If the 53 peak is due to 53Mn is a interesting case since 53Mn don't exist
naturally with a half life of 3,7 Million year.

もし仮に、53ピークが 53Mn に由来するならば、これは面白いケースである、というのは、53Mn は、天然には存在していないからであり、半減期は 3,7 百万年であるからだ。
(訳注 この著者の国では、小数点を"."ではなく","で記している模様、ここ以前にも何箇所かあった。)

There's also a small peak at 66 but no at 64.

66に小さなピークがまたしてもある、でも64にはない。

The 66 peak could be zinc burned to 66Zn.

66のピークは、亜鉛が、 66Zn に燃えたのではないか。

If the 66Zn comes from natural zinc it should be a larger 64 peak but there's no 64 peak at the same time.

もし仮に、この66Znが天然の亜鉛から由来するなら、さらに大きな64ピークがあるはずである、しかし、同時に64のピークはない。

Conclusion and outlook

結論と見通し

The e-cat is a possible working device with aid of bound neutron tunneling

e-cat は、多分束縛中性子トンネリングを用いている有効な装置である、

but for exact calculation one should do a detailed calculation

だが、正確な計算のためには、人は、詳細にけいさんしなければならない、

with advanced quantum mechanic process

高度な量子力学的プロセスを用いてだ、

including spin-orbit and 3d properties for tunneling probabilities.

トンネル確率のために、スピン軌道と3Dのプロパティを含みながらだ。

To further observe nuclear transmutation one could try to verify the existence and abundance of 66Zn and 53Mn in the ash.

さらに詳しく核変換を観察するには、人は、灰の中の66Znと53Mnの存在と含有量を検査してみてはどうか。

References

参考文献

[1] http://www.elforsk.se/Global/Omv%C3%A4rld_system/ ler/LuganoReportSubmit.pdf
[2] http://www.nndc.bnl.gov/


(訳注 論文の終わり)

Dec 2, 2014

E-Catの理論仮説・束縛中性子トンネリング3

Table 5: Energy levels for n* in X → Y + n * reaction in keV

表5: keV での X → Y + n * 反応 での n* についてのエネルギーレベル

Table 6: Energy released in X+n* from diff erent n* sources in keV
表6: keV での異なる n* ソースからの、X+n* で開放されるエネルギー


Why the E-cat works through bound neutron tunneling

E-catが束縛中性子トンネリングを介して動作する理由

There's already a device that could prove fusion through bound neutron tunnel-ing.

束縛中性子トンネリングを通じて融合を証明できるデバイスがすでにあります。

The device is called e-cat and run properties is described in ref [1] hereby refereed to as the lugano report.

デバイスは、e-catと呼ばれている、実行特性は、参考文献[1]に記録されている、ここではそれはlugano報告と呼ばれている。


Energy released in bound neutron tunneling

束縛中性子トンネリングで開放されるエネルギー

First step to calculate energy released in Ni-Li burning.

Ni-リチウム燃焼で放出されるエネルギーを計算する最初のステップ。

Tab 5 shows the energy levels for the considered bound neutrons.

表5は、考慮され結合中性子のエネルギーレベルを示す。

The released energies is then calcu-lated in tab 8.

放出されたエネルギーは、その後、表8で計算されます。

Values for energy forbidden reactions is also calculated.

禁止された反応のエネルギーの値も計算されます。

The lugano report shows that for some ash powder grain there's a complete burn
to 62Ni while there's some rest from 6Li, 7Li and 23Na.

ルガーノ・レポートが示しているのは、いくつかの灰粉粒に関して、62Niへの完全燃焼があること、一方で、6Li、7Liと23Naからなるいくつかの残りの部分あることです。

Comparing energy allowed process with energy forbidden one finds that burning to 62Ni is allowed
while no burning above 62Ni, 7Li and 23Na is possible.

エネルギーの許可されたプロセスと禁止されたエネルギーを比較することで、人が見つけることは、62Niへの燃焼が許可されていること、一方で、62Ni、7Liと23Naを越えてどんな燃焼も可能ではないこと。

If the burning was due to thermal neutrons there should be burning to neutron richer isotopes in 62Ni, 7Li and 23Na.

もし仮に、燃焼が、熱中性子によるとした場合、62Ni、の7Liと23Naの中にて中性子の豊富な同位体へ燃えるべきである。

One also sees that 23Na burning should be possible with n* from 63Ni which suggest that 64Ni neutron tunneling is due to a 2n*  process.

人がまた見て取れることは、23Naの燃焼が、63Niからのn*でもって可能であるべきこと、そこが示唆していることは、64Ni中性子トンネリングは、2n*プロセスに起因することである。

(5ページの終わり)

Table 7: The required neutrons to burn all nickel to 62Ni

表7: 全てのニッケルを62Niに燃焼させるために必要な中性子

Table 8: Energy released in Ni Li bound neutron burning

表8: 中性子燃焼に限定して Ni Li 中で放出されるエネルギー


Speci c energy

比エネルギー

If all the energy released by the e-cat is due to Li-Ni bound neutron interaction one could calculate the Li/Ni ratio from number of neutron transfers.

もし仮に、e-catによって放出されたすべてのエネルギーが、Li-Ni系に対応した中性子の相互作用に起因する場合、人は、中性子の転送回数からLi/ Ni比を計算することができる。

The number of neutrons needed to burn all nickel to 62Ni is

全てのニッケルが62Niに燃焼するために必要な中性子の数は、次である。

where △n is the number of neutrons to 62Ni and Nnat is the natural abundance ratio.

ここで、△nは、62Niへの中性子の数であり、さらに、Nnat は、天然元素の存在比。

Nrn is calculated in tab 7 to 3.24 which means that for each Ni atom one needs 3,24 Li atoms to complete nickel burning.

Nrnは、表7で3.24と計算される、これが意味するところは、各々のNi原子について、人は、3, 24 個の Li原子が必要で、そうすればニッケルは完全に燃焼する。

This also gives a Ni/Li weight ratio of 2.57.

これから、また、Ni/Li の重量比として 2.57 を求められる。



From the ratio 3.24 one could calculate the Ni Li abundance to Ni 24% and
Li 76%.

比 3.24 から、人が計算できるのは、この Ni Li 元素の存在比が、 Ni 24% と Li 76% であること。
(訳注 この理論が仮に正しいとすると、ニッケルだけでなくリチウムも燃料の一部として核反応に関わることになる。であれば、高価で貴重なリチウム資源を燃やすことになり、E-Catの採算性を悪化方向で計算しなおす必要がある。)



The energy released in total Ni-Li burning is calculated in tab 8 and found to be 2.1 MeV per nickel atom.

全 Ni-Li 燃焼で放出されるエネルギーは、表8で計算され、さらに、ニッケル原子核あたり 2.1 MeV であることが解る。

The specifi c energy is then Etot / mNi = 36.7 keV/u from mNi = 58.7u or Etot / mNi = 3.5 MJ/kg.

エネルギー比は、Etot / mNi = 36.7 keV/u 、ここで、mNi = 58.7u さらに、Etot / mNi = 3.5 MJ/kg 。

The total energy released in the lugano report where 5.8e3 MJ.

ルガノ・レポートによると、放出された全エネルギーは、5.8e3 MJである。

This suggest that approx. 2 g nickel was burned during the test.

これは、約 2 g のニッケルが試験期間中に(訳注 核反応で)燃焼したことを示す。


Interaction rate

インタラクション率

Using the nickel weight abundance in the fuel gives an approx. amount of nickel
of 100g.

燃料中のニッケルの重量の存在比を用いて100gのニッケルのおおよその量を求める。

This means that 2% of the Ni in the fuel was burned.

これが意味することは、燃料のニッケルの2%が燃えることである。

The test was running for 2764800 seconds.

試験は、2764800秒間実施された。

This gives a nickel burn rate per second of 6e  - 9 which should be the probability of a bound neutron interaction.

これは、ニッケルの燃焼速度として毎秒、6e  - 9 を与え、それで減退された中性子インタラクションの可能性を示す。

Theoretically one could calculate this from

理論的に、人は、これを次の式から計算できて、

(6ページの終わり)

Nov 30, 2014

自由をもっと拡大しよう(改)

私は、人間の自由を大切なものだと感じます。
そしてこの自由をさらに拡大して欲しいと思います。

自由とは、束縛や制限から解放された状態です。

人間の自由とは、個人個人の発言や行動の自由のことです。

そこで自由について学ぶために、森村進さんの「自由はどこまで可能か」という新書を読んでみました。

以下は、本から得た知識を整理したものです。

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自由思想の四分類

自由という権利の由来はどこにあるのか、諸説ありますが、とりあえずは、その議論は棚上げにしてよいです。

現実的な自由の運用を考えると、「国家という境界内の社会で認められる自由」とは、「これこれこういう自由があると憲法と法律で認めること」です。

そして、日本国では、個人の自由の権利とその範囲は、憲法と法律で定められています。

リバタリアニズム(自由至上主義、自由尊重主義、自由放任主義)は、「自由をできるだけ公正に拡大することが正義である」とする思想です。リバタリアニズムを表す言葉に、フランス語のレッセフェール(なすに任せよという意味)があります。、日本では、リバタリアニズムは多義的で、無政府主義から、政府の役割を国防と治安維持に絞る夜警国家とする最小政府主義、自由市場の治安維持も認めるとする考え方、政府が最低限の生活保護と年金・健康保険のサービスまでを認めるとするなど(私の立場はここ)、人によって幅広く違いがあります。リバタリアニズムでは、自由を拡大するために政府の課税と規制は少くなり、政府規模が当然小さくなり、国民は自由を謳歌して自由に繁栄して欲しいと願っています。

リバタリアニズムから見れば、現代の日本は個人と個人、企業と個人の関係は、とても自由ですが、政府と個人の関係では、まだまだ自由が制約されています。また、その制約内容に公正さが相当量不足しているともされます。ですから、リバタリアニズムは、より公正で自由が溢れる社会の実現を目指し、憲法と法律の改定を目標とすることになります。

自由には、人格的自由経済的自由があります。

リバタリアニズムは、人格的自由も経済的自由もその両方を尊重する思想であり、右翼でも左翼でもありません。リバタリアニズムを採用した国家がどのような結末を迎えるのか歴史ではまだ証明されていませんが、リバタリアニズムに一番近いと考えられる国家はアメリカ合衆国です。そして、アメリカ合衆国は近代から現代にかけてどの国よりも長い期間で実際に繁栄しています。

自由を少しは尊重する他の思想には、リバタリアニズムの他にリベラリズムと保守主義があります。

リベラリズム(いわゆる左翼)は、人格的自由を尊重しますが、経済的自由を軽視する思想と分類されます。リベラリズムも時代とともに変化してきて、いろいろな分派があります。リベラリズムが経済的自由を軽視するため、日本では、社会主義や共産主義の隠れ蓑としてリベラリズム使われてしまっています。リベラリズムは経済的自由を軽視するため、お金持ちを罰する累進課税を正当化しますし、またお金持ちになろうとして勤勉に働く人を妬み蔑みます。リベラリズムの特徴は、人々の僻み根性で金持ちを叩き、タカリ根性を煽りバラマキ無駄使いをして人気を得ることです。道徳的でなく理性的でもない人間の原始的欲望(嫉妬と物欲)に訴えて仲間を増やそうとしてしまうことです。政策は、自由な経済活動への介入、お金持ちへの処罰、規制強化、重税、人気取りのための財の再分配となります。リベラリズムが行き過ぎると誰も働く気力が湧かず、皆が平等に貧しくなり(=結果の悪平等)、社会が腐敗することは歴史(共産主義国の崩壊)から判明しています。

保守主義(いわゆる右翼)とは、人格的自由を軽視しますが、経済的自由を尊重する思想と分類されます。これは、お金持ちの人が陥りやすい思想です。つまりお金という権力で自分の人格的自由は確保してしまいますが、他人である国民全体の人格的自由には関心が無いという立場です。お金儲けを自由にしたいという経済的自由は、最大限確保しようとしています。保守主義が続くとお金持ちが代々続くことになりますので、政治権力もお金持ちに集中して行きます。保守主義の最大の欠点は、その人の生まれや家柄で財産や運命が決まってしまうことです。保守主義の社会の発展がアメリカ合衆国のような自由の国(誰でもアメリカン・ドリームが叶うチャンスが有る)よりかなり遅れてしまうことも歴史(例えば江戸時代の賄賂の元禄時代)が証明しています。

権威主義(いわゆるポピュリズム=人民主義)は、人格的自由と経済的自由の両方を軽視する思想です。一部の権威ある特権階級(=政治支配層)だけが優遇される思想です。日本では、伝統を尊重する保守主義の仮面をかぶった権威主義者(規制緩和や自由貿易に反対する人々)が沢山います。保守主義者が代々続くと政治権力の集中が起きてしまい、権威主義に体質が変わっていくためです。共産主義全体主義軍国主義は、権威主義の極端なものです。権威主義は短期間に国家の急成長とその後の破滅を招いてしまうことも歴史(ナチスドイツ、大東亜戦争の日本、江戸時代の享保・寛政・天保改革の時代)が証明しています。

新自由主義(ネオリベラル)という言葉は、国際的にはたいへん幅広く捉えられており、リバタリアニズムから、英国の保守主義であるサッチャリズム、さらに米国のネオコンに見られる権威主義により近い立場まであります。このように新自由主義という言葉は、曖昧なのでこの記事では重視しません。


日本では官僚がとても強い権力を持っていると言われているので、私は現代日本は官僚権威主義(=国民一丸を強制する官僚主導型の財政バラマキ主義)と考えています。官僚機構は太平洋戦争時の大政翼賛会に由来する軍国主義=全体主義の政治機構からの伝統で、GHQによる解体を免れ、むしろ積極的に日本の占領統治に利用されたとされる、官僚政治は戦後日本の経済的急成長とバブルの破裂を招きました、その後の25年に渡る国家経済の停滞と原発の爆発事故も産官学の権威主義の失敗の歴史として刻み込まれることになると思われます。

日本の自由民主党は、今では党名とはまったく関係なく、保守主義者と権威主義者の合体した政党になってませんか。保守主義のお金持ちは自分の既得権と人格的自由を政治献金で確保できるから官僚権威主義もまた心地良いのだと推測しています。

日本の民主党も党名とはまったく関係なく、、隠れ社会主義のリベラリズムと官僚権威主義の合体した政党です。だから公務員の労働組合や大企業の労働組合の意向に逆らえず、公務員雇用賃金改革や同一労働同一賃金の徹底、解雇規制の撤廃をできないのだと推測しています。共産主義革命が否定された今日において、リベラリズムの人々に官僚権威主義を覆す力はないことは歴史(細川・羽田・村山内閣と鳩山・菅・野田内閣)が証明しています。彼らはただお金持ちや権力者の悪口を言い続けるしかなく、長年そうしているだけで、仮に政権を奪取しても改革はできませんでした。

日本の裁判所は、リベラリズムの立場であると著者の森村進さんは説明しています。

大多数の日本国民は、公務員でもないしお金持ちでもありませんから、冷静に考えると、リバタリアニズムかリベラリズムになるはずなのです。そして、もし、自分が貧乏なままでいいのならリベラリズムであるはずです。もし、自分がより自由になりもっとお金持ちになりたいなら、経済的自由を尊重するリバタリアニズムになるはずです。ですが、現実は、リバタリアニズムについての教育・知識が欠けていたり、自分の現実の立場を認識できていないためか、リバタリアニズムはまだまだ日本人には知られていません。

YES, NO クイズで自分の立場を選ぶなら、

  1. あなたは、公務員の幹部・官僚ですか YES => 権威主義
  2. あなたは、政府の下請けをする既得権業界の幹部ですか YES => 保守派(右翼)
  3. あなたは、みんな共に貧乏がいいですか YES => リベラリズム(左翼)
  4. あなたは、お金持ちになりたいですか YES => リバタリアニズム
ということです。

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以下、リバタリアニズムの考える自由についてまとめてみます。
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身体の自由

自分の体は自分のものだ。

他人を奴隷にすることはできない。

他人を殺すことはできない。

他人を犯すことはできない。
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財産の自由

自分が労働して得た物は自分の物だ。

他人が私に正当に与えてくれた(購入、贈与、相続)物は私の物だ。

私の物を他人が不正に奪うことはできない。

他人から物を盗み奪うことはできない。

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行動の自由

私は、他人の自由を制限しない限り、何をしてもいい。

私は、国内のどこにでも行ける。

私は、私の住処で暮らすことができる。

他人の行動が自分の自由を制限しない限りとやかく言うことはできない。

集会・結社の自由

国籍離脱の自由

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心の自由

信教、思想、言論、学問の自由

他人の心や言論を制限することはできない。

他人の言論を批評、議論はできる。

勝手に個人のプライバシーを覗くこと(盗聴、盗撮、家宅侵入)はできない。

リバタリアニズムとしては、「他人が知ってしまった私の情報を他人がどうしようと他人の自由」であるという考えになる。

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国家が個人に果たす役割と課税理由

個人の自由の確保=自由社会の秩序の維持

身体の安全保障
財産の保護
行動の自由の確保
心の自由の確保

国家は役割を果たすために、費用がかかるから課税する

課税は個人の自由を制約するので、リバタリアニズムとしては少ない課税額が好ましい。
少ない課税となれば、小さな国家とならざるを得ない。

課税方式の複雑化(免税や軽減税率、累進課税)はリバタリアニズムに反する。

税の目的外の利用もリバタリアニズムとしては好ましくない。


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具体的な国家の施策

リバタリアニズムの各派でもほぼ合意がとれる施策

投票権(国民のみ)と議会
国防(自衛隊、外交)
治安(警察、消防、海上保安)
裁判(争いの調停、犯罪(=暴力・詐欺など)の認定と懲罰)
通貨発行(日本銀行が独占)

リバタリアニズムなら、犯罪を犯した者に捜査・裁判・刑務所の全費用を償わせるべきではないか(受益者負担の原則)

以下の国家施策は、リバタリアニズムでもどこまで政府がやるべきか意見が別れる

食料安全保障(食料自給率と国際紛争の関係)
資源安全保障(エネルギー資源、鉱物資源と国際紛争の関係)

環境・交通(治山治水、道路、港、空港)
保健(上下水道、ごみ処理、健康保健)

学校教育(義務教育、高校、大学)

国家繁栄のためには、国民の資質がレベルアップしなければならない、それには教育しかない、リバタリアニズムとしては、義務教育の拡大とか学費無償化よりも、教育機会の公平化を計ることになる、具体的には、高等教育の資金を国が低利で個人に融資する、到達段階の明示と能力別教育という形となる。

生存権(生活保護、年金、健康保険)

リバタリアニズムなら、生活保護、年金は最小限に平等とする、例えば毎年の掛け捨て方式までが国家に許される範囲となる、積立年金はすべて民営化。

人格権(プライパシー、名誉、肖像権)

特許権
著作権

独占禁止法(独占企業をどのように規制するか)

独占企業だけの市場では競争がなくなり、品質の低下(例、原発の爆発)、価格の上昇(総括原価方式)、納期の遅延などを招くので、リバタリアニズム政府なら、独占企業の品質・価格・納期の監視をしなければならない。

リバタリアニズム政府なら、原発の補助金・交付金は廃止、核廃棄物処理も電力会社負担となるため、原発はすべて採算割れして廃業・停止に追い込まれる。また新規原発開発(もんじゅ、核融合)はすべて民間投資となりこれも採算割れで中止に追い込まれる。残った核廃棄物処理だけは、国家で行う(過去の官僚権威主義政治の尻拭い、環境汚染とテロ防止のため)。

産業振興策(補助金、参入規制、価格統制、在庫規制)

日本政府の産業振興策の多く(補助金バラマキ)は、公平性に欠けるためリバタリアニズムに反する政治。

労働政策(奴隷労働の禁止から、公平性と柔軟性の追求へ)

科学研究振興(どこまで道楽的な学問に国が資金をだすべきか公平性から検討が必要)

リバタリアニズムなら、大学は民営化することで巨大実験施設はすべて民営とするアメリカ方式になるため逆にノーベル賞が増える可能性がある。

芸術芸能振興(どこまで道楽に国が資金をだすべきか公平性から検討が必要)

スポーツ振興(どこまで道楽に国が資金をだすべきか公平性から検討が必要)

以下は昭和から平成にかけて部分的に民営化された

日本航空
日本国有鉄道
日本電信電話
日本郵便
高速道路

「公共事業は非効率的である」と誰もが認識。

リバタリアニズムの認識は、「政府は利益を目的にしていないから永久に効率的に公共事業できない、だから公共事業の削減ないし廃止、最低でも効率化(常時規模縮小、緊急時のみ一時的に増大)。民間にできるだけ事業をまかせるしかない。もちろん、民間や自由市場が万能とは言えない。」

権威主義、リベラルでは、もっと必要な分野に公共事業をしよう(常に拡大しかしない)となる、これまでの事業分野もそのまま温存される、非効率運営を改善する意志は元々ないので国民皆が貧乏になる。ただし、権力者の懐だけは潤う。

保守主義では、自分の既得権に関係する公共事業は増やして欲しい、自分が儲かれば他はどうなってもよいとなる。

以下は地域一社独占型の企業で国家がまだまだ介入している

農協
電力産業
ガス産業

以下は国家が大きく介入している

銀行
証券(銀行より自由化がかなり進んだ)

医療(病院、医院)

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国家が制限する個人の自由

逮捕、勾留、裁判の義務
結婚制度
家族と扶養の義務
義務教育
納税
徴兵・賦役(大戦時や大災害時のみ)

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民間でもできるサービス

通貨発行(最近、ビットコインなどが出てきた、ビットコインは物として扱われ円と交換時に消費税を支払う)
警備
示談調停サービス(争いを裁判まで持ち込まず解決する)
貯蓄型民間年金・投資型民間年金
自由診療
民間医療保険
自由教育
その他

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リバタリアニズム派を増やす方法

まずは、権威主義者による巧妙な戦略、リベラリズム派を煽り保守主義者を抱き込む戦略を紹介します。

リベラリズム派を増やす簡単な方法は、「お金持ちから沢山税金を取れ」という言い草とです。こうすることで人々の嫉妬心を煽ることができます。ところが、献金という賄賂を使える保守主義と政治権力を持つ権威主義は、自分たちだけの抜け道を用意できるので、見かけの累進税率の割には、実際には痛くも痒くもありません。リベラリズム派にとって累進税率は何のメリットもありません。嫉妬心を僅かになだめるだけですが、リベラリズムの非効率的政治では権力者以外の全員がさらに貧乏になりますから嫉妬心はますます燃え盛ります。実は、全員に行き渡る一括減税こそが一般の民衆のメリットなのです。一括減税はリバタリアニズムの主張そのものです。

また、「所得の少ない大衆にに多くの福祉を」という言い草も、リベラリズム派を増やす簡単な方法です。しかし、政府の福祉事業は、保守主義者と権威主義者によって必ず独占されます。公共事業は、競争がないので、自由競争より非効率で、固定的業者は既得権となり彼らは安定した高収入を確保できます。つまりリベラリズム派にとっての不公平(=不正の温床)を増やすだけです。要するに、リベラリズム派が目先の欲に囚われると、結果として公共事業を確保できる保守主義と権威主義を利するだけなのです。また、政府の福祉事業は、満遍なく公平に国民へ適用されるわけではありません。たとえば、年金は若者と彼らに養われている子供に大きな負担をかけて、老人だけが潤います。また、国民全員に金を配る福巨大祉事業では、個人にとってはスズメの涙程度に僅かなものであり、自分が支払った税金に見合うものではありません。社会的公平性をできるだけ確保するためには、公共福祉は生存できる最小限の範囲にすることで対象者を絞込み総予算を減らす必要が出てくるのです。リバタリアニズムの税を少くして国民の自由を確保するという方針と、最小限の公共福祉は相性が良いのです。プラスアルファの福祉を求める人は、多種多様な民間の保険、年金に加入すればよいのです。

リバタリアニズムが主張する一括減税、最小限の公共福祉が、最終的にはリベラリズム派を利するのですが、リベラリズム派が、それを理解するには、嫉妬と強欲の感情を捨てて、上記の文章を理解しないといけません。理解してもらうためには、広告・宣伝・教育により、国民にそのメリットを伝えることが求められます。

リバタリアニズムがリベラリズム派を味方につける最大にして最高の方法は、現金給付(目先の利益)です。リバタリアニズムの視点からは、現金給付は、国民全体に公平に行わないと、いけませんから薄く広くの配布となります。資本主義が、正常に発展するためには、通貨の流通量を毎年増やし、インフレ率で年率2%を維持することです。このインフレ率政策については、ほぽすべての経済学者が合意できることです。国内景気を確実に良くするには、通貨の流通量を毎年増やすぶんだけ、日本銀行から現金を国民一人一人に平等に直接配布すればよいだけです。その額およそ10万円程度と思われます。所詮、資本主義は、お金集めゲームにすぎません。ゲームに参加している全員に毎年平等に現金を配り自由に使わせればいいだけです。商売の上手い者がお金をたくさん集めます。それは、最終的に税となって政府に戻ってきます。政府は得た税から本当に政府しかできないことだけをやればいいのです。現金給付は、お金持ちで商売上手の保守主義者を大きく利することになります。

一括減税、最小限の公共福祉は、保守主義者をも利することになります。一括減税ならば、もちろん保守主義者の納税額が減ります。保守主義者は十分裕福なので公共福祉は元々不要です。税制を単純化することで、保守主義者は権威主義者の政治家や役人に賄賂と同じ効果を持つ献金をする必要が無くなります。

公共事業で潤っていた一部の保守主義者は、民間事業として再出発することになります。自由競争が始まるので、労働市場の規制緩和がなければ、公共事業業者は経営体質の改善に行き詰まります。

労働市場の規制緩和とは、公平性と柔軟性の追求です。同一労働同一賃金、勤務時間の自由化、定年の廃止と雇用期間明記、育児介護の長期休暇と休暇中賃金停止と生活保護の支給、5%程度の一定率の解雇の自由です。

最終的にリバタリアニズムと対立する者は、権威主義者です。日本の現状は官僚権威主義であると私は書きました。おそらく、はびこっている権威主義との闘いはとても困難です。権威主義者を政府から追い出すにはどうしたら良いのでしょうか。権威主義者の弱点は、自分は正しいという自尊心です。権威主義者は、正義の味方という言葉に弱いです。また、官僚権威主義者は、東大話法を駆使しており、自分が権威主義であるともリバタリアニズムであるとも明確に宣言していないずる賢さも弱点となり得ます。つまり、官僚権威主義者は、変わり身が速いと推測できます。

そこで、私は、五つの戦略を考えました。

に、リバタリアニズムは、通貨流通量拡大させ年率2%のインフレを達成するため国民全員に同一額の現金を毎年配る。

第ニに、リバタリアニズムの方が正義の味方であること(例えば、最大多数の最大幸福を実現できること)を訴えて権威主義者に暗黙の転向を促します

第三に、リバタリアニズムに転向した元権威主義者を仲間として認め、正義の味方としての活躍の場を与えその能力を活かす。

第四に、人数で圧倒的に多い一般の国民にリバタリアニズムから得られる利益を理解してもらい、リベラリズム派と保守主義者の支持も得る

第五に、最もリバタリアニズムに近い政府である同盟国のアメリカ合衆国の力を利用する


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日本の未来はどうなるか

いつか必ず、リバタリアニズムが公正な自由の実現を目標にしていることが広く知られ、正義を愛する人々の支持を取り付けていくと思います。


Nov 29, 2014

幸福とは何でしょう

幸福とは何でしょうか。

人それぞれの幸福の捉え方があり、また同じ人でも年齢と経験とともに幸福観は変化していきます。

まず、国語辞書では、「不自由や不満もなく、心が満ち足りていること」としていますが、あなたはどのように捉えています。ところが、

「裸のサル(The Naked Ape)」で有名な動物学者にして画家のデズモンド・モリス(Desmond Morris, 1928- , UK)さんの著書、『「裸のサル」の幸福論(The Nature of Happiness)』(訳 横田 和久さん)を紹介してみます。

本書の第一章の冒頭の訳文があれっと感じます。そこで、ネットから原文の一部を探して自分で訳してみました。

原文と私のヘタな訳では、こうなります。

The true nature of happiness is frequently misunderstood. 

幸福の正しい性質は、しばしば誤解されている。

It is often confused with contentment, satisfaction or peace of mind. 

それ(幸福)が、よく間違えられているのは、満足、達成、あるいは心の平和です。

The best way to explain the difference is to describe contentment as the mood when life is good, 

違いを説明する一番いい方法は、人生がいい具合であるときの継続する気分として満足を捉えておき、

while happiness is the sensation we experience when life suddenly gets better. 

その一方で、幸福というのは、人生が突然好転するときに経験する興奮なのです。

At the very moment when something wonderful happens to us, 

何か素晴らしいことが私たちに起きたまさにその瞬間に、

there is a surge of emotion, a sensation of intense pleasure, an explosion of sheer delight

感情の大波があります、猛烈な喜びの興奮、純然たる歓喜の爆発、

 - and this is the moment when we are truly happy, Sadly, it does not last very long. 

- そして、これが、私達が真に幸福であるその一瞬なのです、残念なことに、これは長く続きません。

Intense happiness is a transient, fleeting sensation. 

猛烈な幸福は、つかの間の、消え去る興奮なのです。

We may continue to feel good for quite a while, 

暫くの間でしたら良さを感じ続けることができるでしょう、

but the joyful elation is quickly lost. 

でも、楽しい上機嫌な状態は急速に失われます。

As one cynic put it:

ある皮肉があります、

life is prolonged misery interrupted by brief moments of happiness

人生というものは長い不幸だ、ただ幸福という僅かな瞬間がたまにあるのさ

この文から、国語辞書の幸福の定義「心が満ち足りていること」とデズモンド・モリスさんの幸福の定義の間に、ずれがあることがわかります。訳本ではこのズレについて注釈が無いため、ずっと違和感を感じて読んでしまいました、みなさんもご注意ください。

デズモンド・モリスさんの幸福と満足の定義を、数学的に言い直してみます。

  1. 幸福とは右肩上がりの上昇気流に乗っていること。
  2. 満足とは生存し続けられる快適状態の維持、水平飛行の状態。
  3. 不満とは生存が脅かされ苦痛を感じている不快状況が変わらず固定されていること。
  4. 不幸とは下り坂で状態がどんどん悪くなること。

人生は、幸福、満足、不満、不幸の間を行ったり来たりするというわけです。

デズモンド・モリスさんの指摘「我々が望みうる最良の人生は、ほとんどの時間を快適で満足した平和な心で過ごし、ときどき訪れる強い喜びの瞬間があるというもの」に、私は頷けます。

では、デズモンド・モリスさんが定義した幸福(=人生が急に好転する興奮でそれ自体長く続かないもの、これは束の間の幸福)の分類と例を紹介しておきます。


  1. 標的の幸福(目標を達成すること)
  2. 競争の幸福(スポーツの勝利など)
  3. 協力の幸福(チームでの助け合い)
  4. 遺伝の幸福(夫婦となり子供を残すこと)
  5. 官能の幸福(性的快感、美食、入浴その他)
  6. 脳の幸福(読書、ボードゲーム、学術研究、芸術創作)
  7. リズムの幸福(音楽、ダンス、エクササイズ)
  8. 痛みの幸福(マゾヒスト、禁欲主義、ダイエット、ベジタリアン、節約主義、精神的優越感、テロ)
  9. 危険の幸福(ギャンブラー、バンジージャンプ、スカイダイビング、自動車レース)
  10. こだわりの幸福(非日常へ逃避する、趣味や仕事に没頭して他を無視、鬱に沈む)
  11. 静寂の幸福(座禅・瞑想に耽る)
  12. 献身の幸福(神への信仰の幸福、聖地の訪問、神の子供としての安心感)
  13. 消極的幸福(肉体的苦痛から薬で逃れる幸福、精神的苦痛=不安・ストレス・退屈から精神分析で逃れる幸福)
  14. 化学的幸福(麻薬服用者、飲酒、たばこ、コーヒー、お茶も度が過ぎれば)
  15. ファンタジーの幸福(空想家、小説、演劇、映画、テレビ)
  16. 笑いの幸福(ユーモア、漫才、落語を楽しむ、安全な恐怖を楽しむ、恐怖の克服)
  17. 偶然の幸福(偶然幸運(good luck)が訪れた時に感じる)


せっかくなので、英語でも


  1. Target happiness as a result of successful efforts to achieve a specific target.
  2. Competitive happiness as a result of winning a struggle against other people. In the most extreme form, this is the happiness of the sadist and the torturer.
  3. Co-operative happiness as a result of helping other people.
  4. Genetic happiness as a consequence of reproducing ones genes by falling in love, pair bonding, giving birth and successfully rearing the offspring.
  5. Sensual happiness as a result of hedonistic experiences like eating, drinking and sex.
  6. Cerebral happiness as a result of intellectual activities like playing games, artistic creativity and scientific research.
  7. Rhythmic happiness as a result of activities like dancing, music, singing, aerobics, gymnastics and athletics.
  8. Painful happiness as a result physical or mental masochism, like self-chastisement or the masochism of puritans who deny themselves every pleasure in life.
  9. Dangerous happiness as a result of taking sensational risks as in gambling and in such extreme sports as mountain climbing and parachuting.
  10. Selective happiness as a result of ignoring reality and concentrating on one's own emotions, like Nero fiddling while Rome was burning.
  11. Tranquil happiness as a result of meditation.
  12. Devout happiness as a result of worshipping, like in Lour-des and Mecca.
  13. Negative happiness as a result of eliminating or dealing with specific causes of unhappiness, like dressing entirely in black for the rest of one's life after the death of a child.
  14. Chemical happiness as a result of taking drugs, alcohol and smoking.
  15. Fantasy happiness as a result of daydreaming, supported by books, films and television.
  16. Comic happiness brought on by humor and laughter.
  17. Accidental happiness as a result of good luck, if your suitcase comes up first on the carousel after a long and tiring flight on a jumbo jet. 

デズモンド・モリスさんは分類した幸福を、一つの種類だけといわずに複数を堪能するようにと薦めているようです。私もこの考え方に賛成です。

それでは、「日常生活を満足して過ごし、ときどきの幸福を味わえるようになる」には、どうしたらよいのでしょうか。デズモンド・モリスさんが本書の前書き(はじめに)の最初で示された警句『私を不幸にしようと思ったら、確実な方法がひとつあります。それは、「こうすればあなたの人生はもっと幸せになりますよ」と、私にお説教することです。』があります。やはり、みなさんが自主的に幸福と満足について考え、自分でよい方法に気付くしかないようです。これから、私の書いた説教のリンクを紹介しますが、説教に我慢できる人だけがこのリンクを覗いて見られることをお勧めします。私の説教はこちらです。

ビル・ゲイツ氏がLENRに興味

マイクロソフトの創業者のビル・ゲイツ氏が、
ENEA研究所( the Italian National agency for new technologies, Energy and sustainable economic development in Frascati, Italy)を11月12日に訪問し、低エネルギー核反応(LENR or cold fusion、常温核融合)を含むENEAの研究成果について説明を受けたそうです。

イタリア語のニュースはこちら

それから派生した英語のニュースはこちら

さらに、イタリアのベローナ大学のサイトに載ったニュースはこちら

それから派生した英語のニュースはこちら

これから解ることは、世界一の富豪で投資家で慈善家であるビル・ゲイツがLENRに興味を持って、実際に現場に出かけて調査していることです。

このニュースだけで、LENRが実際にある現象だと決めつけることはできないのですが、日本のみなさんも、LENRを調査をするべきことだろうということは言えるでしょう。

Nov 26, 2014

功利主義入門

「功利主義入門」という薄い新書を図書館で借りて読んでみました。

「功利主義」とは何か知らなかったので勉強になりました。

「功利主義」とは、倫理(=道徳)の立場の一種類であり、「最大多数の最大幸福」を「功利性の原理」として、すべての道徳律・法律をこの原理から導き出す立場とのこと。創始者は、ジェレミー・ベンサム(Jeremy Bemtham, ベンタムでもベンサムでも可、1748-1832、英国)で、「道徳および立法の諸原理序説」が有名とのこと。

辞書の「功利」の意味は、「行為の結果として得られる名誉、利益、幸福」です。私は「功利主義とは自分の個人的な利益を最大化する立場かなと勘違いしていたのです」が、正しい意味は「功利主義とは社会全体の最大多数の最大幸福を追求すること」でした。

ベンタムが批判した原理に「禁欲主義の原理(苦痛・我慢は善、快楽・幸福は悪)」、「共感・反感の原理(自分が気に入ったことはOK、気に入らないことは禁止という立場、自然の法とか良心とか個人個人で異なる捉え方をされる曖昧なもの=要するに自分利益があるかたけだけで判断する立場、利己主義でもある)」があります。

結果主義(結果がよければ行為・手段は問わない立場)と帰結主義(原理原則にしたがった行為の結果を予測し、その行為を行うこと)の違いを述べて、功利主義は帰結主義であることを説明しています。

功利主義の「最大多数の最大幸福」の原理だけで個人がすべての日常の道徳的判断を決めようとすると、ジレンマが起きてしまうことが時々あります。この本では、いくつかの有名なジレンマを提示していますが、ジレンマに対する正解というものは示されていません。ジレンマに対する回答はないのかもしれませんがはっきりしませんでした。

しかし、この本で上げたジレンマのバカバカしさにはうんざりしました。

また、社会全体や国家のレベルで「最大多数の最大幸福」の原理を考えるとそれを素早く正確に求める計算ができるのかという問題があるのですが、その点は曖昧に手短に述べられています。民主主義と功利主義の関係は別書にて学べということなのでしょう。

それでも功利主義が次第に修正され洗練されていったことが説明されます。

ちにみに、倫理とは、道徳のこであると、この本は断言していて小気味よいです。
倫理学とは、道徳を研究する学問で、道徳といえば、宗教の戒律や憲法、法律も含めて研究することになります。

倫理を学ぶ二つの目的が書かれていました。


  • 道徳律や法律を学びそれを実行できるようになること
  • 道徳律や法律が正しいのか冷静に検討できるようになること


また、安心して倫理や法律を検討できるように三点を明示しています。


  • 武道の修練と倫理の研究の比較から研究の場の設定が必要であること
  • 功利主義から研究を始める利点
  • 他人の倫理観を批判すべきでないことは、倫理研究の場ではありえないこと


この三点は明快であり安心できるます。それでも、イスラム教のコーランについての批判は自己保身のために避けたほうが賢明であると思います。

残念ながら、この本では、功利主義の道徳律が具体的に何であるかを一つも提示されることはありませんでした。また、著者がどのような主義・立場なのかもさっぱり伝わりませんでした。本の薄さから仕方が無いのかもしれませんし、わざとそう書かれたのかもしれません。

私の立場は、幸せ研究室に示してあります。この立場を、功利主義の初歩を学んだことで点検し洗練していかなければと思いました。

- メモ -

推奨図書 「自然論」「自由論」「功利主義論」J・S・ミル(1806-1873) ベンサムの弟子、功利主義であり自由主義である

ウィリアム・ゴドウィン(1756-1836)、無政府主義者の功利主義者、法律では人間一般への公平を追求しすぎて家族・友人という属性を無視する考え方で結婚制度にも批判的だった、「政治的正義」を著すが、ウォルストンクラフトとの結婚、死別、娘の恋愛を経験し、著書の内容は第三版で、家族への愛情を重視するように変わる。

メアリ・ウォルストンクラフト(1759-1797) 初期のフェミニズム思想家「女性の権利の擁護」を著す、後にゴドウィンと結婚し娘を出産後半年で死去。ゴドウィンの思想に大きな変化をもたらした。

カント、ドイツの哲学者、きわめて厳格

ジョン・オースティン(1790-1859) ベンサムの弟子


  • 直接功利主義(瑣末な行為にも最大多数の最大幸福の原理から判断していく立場)
  • 間接功利主義(大勢に影響のない瑣末な行為には原理判断を適用しない立場)
  • 規則功利主義(予め規則を用意しておき瑣末な行為に原理判断をしなくて済むようにする立場)
  • 行為功利主義(予め規則を用意しない立場、直接功利主義と同じである)
公平性の問題=道徳的に重要な違い、公平の範囲をどこまで広げるかの問題、家族、友人、会社、組織、国家、地球レベル、人間、動物、植物、無生物、環境。

ジョン・ロールズ(1921-2002)「正義論」での政治的の少数派をどのように扱うかの問題、解決策例としては長期的時間の経過と長期の信頼を思考に入れて少数派に選択と補償を与える方法が必要となる。

ジョン・ロック(1632-1704) 自由主義の祖

自由主義と功利主義は相性がいいが、自由権の起源について相違がある。ジョン・ロックは自然権として自由権と所有権を定義、ミルは功利原理に叶うから自由権と所有権を認めている。

エドウィン・チャドウィック(1800-1890)、ベンサムの弟子、権威主義的公衆衛生の思想家、「大英帝国における労働人口集団の衛生状態」を著す。権威主義、パターナリズム(=父権主義)

幸福の定義の曖昧さと個人差、快楽と苦痛の定義の曖昧さと個人差、結論は、何が幸福かは個人の自由だとするしかないだろうということ。

欲求の満足とはどういうこと、知ってしまったことで知る欲求、利益が増えることが幸福なのか

感情と理性、脳と心の構造、幸福の感じる場所は心のどこか、感情=直感=本能の選択の合理性

巻末に参考図書一覧がありました。

Nov 14, 2014

国道6号線の通行が許可されていた

福島第一原子力発電所の爆発事故から、ずっと通行止めだった国道6号線の双葉町-富岡町間(約14キロ)が、2014(平成26)年9月15日から通行許可になっていました。

国道6号線は福島第一原子力発電所から直線距離で最短2kmしか離れていないので、放射線量的に大丈夫か不安を感じましたので計算してみました。

そこで、政府発表の資料(帰還困難区域内等の国道6号及び県道36号の線量調査結果についての9ページ目)から、通過あるいは常磐道富岡IC経由で通過の予想被曝量は、多めに合算計算して

1.38 [μSv] (= 0.94+0.26+0.18)

です。また、これは除染済みの値なのでしばらくすると除染効果が無くなると
悪い方に保険を掛けて、資料(帰還困難区域内の国道 6 号及び県道 36 号における除染の結果について)の除染低減率の一番少ない値(19%)を用いて

1.70 [μSv] (= 1.38 * 100 / (100 - 19))

これの往復ですから二倍にしますと

3.40 [μSv] (= 1.70 * 2)

です。
毎日一往復するとして年で365日なので

1.2 [mSv] = 1241 [μSv]  (= 3.40 * 365)

です。(ここまで安全を見越して多めに見積もっています)


国道6号線を毎日一往復すると、一般人の人工放射線の被曝量のまったく影響がないだろうといわれる(原発事故以前は全員が一致していた)上限 1 [mSv]をわずかに越える恐れがあります。

ただし、自動車のフィルター等に汚染物質が吸着してしまいそれが取れなくなる可能性をどの程度見積もるとよいのかわかりません。解らないので二倍にするとかしておくと目安計算できると思います。

整備点検を怠らない、ガソリンを満タンにしておく、自動車の窓を開けない、エアコンは外気導入をしない、安全運転に徹するなどの処置をして通過してください。

福島県の人は、すでに事故の影響で被曝量が上がっているので、さすがに毎日六号線を往復通過するのは、あまり気持ちの良いものではないかもしれません。せいぜい週に一度程度にしておくことがいいかもしれません。

実際、ほぼ完全に安全であれば、常磐線の代行バスや東京行きの直行がすぐにでも運用されるはずですが、まだ検討段階のようです(10月15日現在の記事)。

福島県外の人は、一年に数回の通過ならほとんど放射線リスクはないと思います。

関係リンク一覧

国道6号及び県道36号(小野富岡線)の通過について(帰還困難区域の特別通過交通制度の運用変更)【H26.9.12】

国道6号等の通過(帰還困難区域の特別通過交通制度の運用変更)について


帰還困難区域内等の国道6号及び県道36号の線量調査結果について

帰還困難区域内の国道 6 号及び県道 36 号における除染の結果について

常磐自動車道の開通に期待

来年春に全面開通する常磐自動車道は、国道6号線より内陸を通り、福島第一原子力発電所から直線距離で最短5kmぐらい離れています。国道6号線の汚染図から推測すると被曝量はさらに減ると思います。私の予想では、三分の一程度になると思います。ここであれば、毎日通過してもほぼ完全に安全といえそうです。


Nov 12, 2014

E-Catの理論仮説・束縛中性子トンネリング2

considerable lower

考えられる下限

Comparing the coefficients for coulomb tunneling with bound neutron tunneling one finds that Ni Li interaction near the coulomb barrier is a great interaction for the purpose.

クーロントンネリングと束縛中性子トンネリングの係数を比較すると、人が発見することは、クーロン障壁の近くのNiとLiの相互作用がこの目的のための大きな相互作用であることだ。

The reaction also leaves energies in the desired MeV range which could be used to create a chain reaction to trigger more Li Ni interaction.

この反応はまた、所望のMeVの範囲のエネルギーを残すので、それで、より多くのLiとNiの相互作用をトリガするための連鎖反応を作成するために使用することができる。

(訳注 この論文の著者は連鎖反応の可能性を指摘している。しかし、私はこの連鎖反応については、否定的に感じている。もし本当に連鎖反応がおきているならば、E-Catは一度点火すれば、あとは、エネルギーを投入必要がなく自分で燃え続けるはずであるが、そうなっていない。現実のE-Catは、常に電力を供給し続けなければならず、取り出されるエネルギーは投入エネルギーの3倍-4倍で一定しているからである。もし本当に連鎖反応が起きるなら、ウラン核分裂原子炉に類似した連鎖反応を抑制する装置が必要なはずであるが、これまでに知られたE-Catの構造から反応抑制装置は無いと予想されるのである。また本当に連鎖反応が起きるなら、核爆弾と同様の規模の爆発、つまり核爆発が起きても不思議ではないが、実際に核爆発クラスの事件が常温核融合とLENRの研究ではいまだ何処でも起きていない。だから、このエネルギー収支の観点は、さらに注意深く検討しなければならない。)

For example the energy released in

たとえば、エネルギーは、次の式で開放される

To also consider n tunneling in proton reaction one should also consider the following properties that could enlarge n tunneling compared to coulomb tunneling

また陽子反応における n(中性子)トンネリングを考慮することで、人はまた、以下の特性を考慮する必要がある、クーロントンネリングに比べて、n(中性子)トンネリングを拡大する可能性があることをだ。



  • p rate versus n rate
  • 陽子レート対中性子レート

In a bound nucleon the potential well depth that bound the neutron is in the order of 50 MeV while the kinetic energies considered for outer nucleus is only MeV over the ground.

束縛核子(訳注 原子核内部のことか)の中で、中性子を束縛するポテンシャル井戸の深さは、50 MeVのオーダーである、一方で、外核のために考慮される運動エネルギーは、地面の上から僅かにMeVのオーダーです。

If one then theoretically bound the outer particle in the same radius as the neutron nucleus the frequency that the proton and neutron hit the wall with is 50 times higher for the neutron.

もし仮に人が、それで、理論的には、中性子核として同じ半径内で、外の粒子を束縛するならば、その頻度は、陽子と中性子が一緒に壁にぶつかるのだが、中性子のための50倍であるはずだ。

This should increase the neutron coefficient compared to proton

これは、陽子に比べて中性子の係数を大きくすることになります、つまり

which is not enough to bring neutron tunneling above coulomb.

これはクーロンを超える中性子トンネリングをもたらすのに十分ではありません。


  • BE distribution
  • BE 分布


Considering the bound level from free neutron level is not good for calculating the binding energy since this give a total binding energy lower than the calcu-lated one.

自由中性子レベルから束縛レベルを考慮することは、束縛エネルギーを計算するために良いことではありません、というのは、これは、計算されたものより低い総束縛エネルギーを与えるからです。

Consider the level from a level distribution where the sum of level should give the total binding energy gives the highest level much closer to the free neutron energy.

レベル分布からレベルを考えてみましょう、そこでは、レベルの合計が総束縛エネルギーを与えるはずです、総束縛エネルギーが、自由中性子エネルギーにとても近い最高レベルを提供します。(訳注 この英文は文法的に混乱しているようだ)

The potential height outside the nucleus is then coming from the rearrangement of level inside the daughter nucleus.

核外のポテンシャルの高さは、娘核内部のレベルの再配列から、それ故、来ている。

This should have some time delay that allows the runaway neutron to get far enough away from the nucleus to avoid strong interaction.

これは、いくつかの時間遅延を持っています、それによって、逃走する中性子が、核から十分遠く離れてしまうことになります、それで強い相互作用を避けることになります。

The result is then that the V-E part of the tunneling coefficient is lowered.

結論はそれ故、トンネリング係数のV-E部が低下する。


  • p-wave
  • 陽子波

The basic tunneling calculation doesn't consider higher order of partial waves

基本的なトンネリングの計算は、部分波の高次を考慮していない

actually the outer neutron in Li and Ni is in p-wave which have a considerable large probability to be outside the potential wall.

実際にLiとNiの外側の中性子は、陽子波の中である、そこでは、そのポテンシャル壁の外にあるはずだというかなり大規模な確率を持っている。



To find the tunneling rate for bound neutron one could consider the case where the outer nucleus is thought of being constant.

束縛中性子のトンネリングレートを見つけるために、人が考えることができる場合は、外核が一定であると考えている場合だ。

The inner neutron is then thought of hitting the wall with a rate calculated from the bound neutron kinetic energy.

内側の中性子は、束縛中性子の運動エネルギーから算出したレートで壁を打つと、それ故考えられている。

The kinetic energy is in the range of 10-100 MeV and a nucleus radius in the fm range then give a frequency in the order of 10 ^ 21 Hz.

運動エネルギーは、10-100 MeVの範囲内にある、さらに、fm(フェムトメートル)範囲内の核半径は、それ故、10 ^ 21 ヘルツオーダーの周波数を与える。

Tab. 4 shows the tunneling rate for the probabilities considered in tab. 3.

表4は、表3で考えられた確率についてのトンネリング・レートを示す。

Here one sees that Li p have a rate of 2 Hz at 100 keV which means that bring proton up
to 100 keV would give a considerable large starting rate for the fusion to start.

ここで人が解るのは、Li(リチウム) と p(陽子) が、100 keVで2 Hzのレートを持つことだ、それが意味することは、陽子を100 keVに持ち上げることが、おそらく、核融合を開始するための大きな開始レートを与えることだ。

(訳注 この計算が正しいとすると、水素原子核の陽子を100 keVに加速してリチウムに衝突させれば、リチウム原子核に吸い込まれるという意味。つまり、核融合をするなら、リチウム水素化合物に100 keVの電子を照射すれば、電子が陽子を加速してその陽子がリチウム原子核に吸い込まれることになる。100 keVは、10万ボルトなので、これは段数の少ないコッククロフト・ウォルトン回路で発生できる。つまり実験は、市販の高電圧装置でよいし、あるいは、公称10万ボルトの市販スタンガンでも代用できそうだ。)

Overbound deuterium

過剰に束縛する重水素

If bound neutron tunneling would work through a proton bridge no deuterium would be created since the total binding energy for deuterium is only 2.2 MeV


もし仮に、束縛中性子のトンネルが、プロトンブリッジを介して動作する場合ならば、全く重水素は作成されないであろう、理由は、重水素のための総束縛エネルギーはわずか2.2 MeVだからであり、


(訳注 3ページの終わり)

Table 4: Tunneling rates for -7(Li) and -8(Ni) MeV n* with fn = 1021 Hz

表4: トンネリング·レート、 -7(Li)と-8(Ni)用、 MeV n* 、 fn = 1021 Hz にて


while the bound neutron lies 7 MeV below the free neutron energy.

一方で、束縛中性子は、自由中性子エネルギー以下の7 MeV にあるから。

The proton bridge is then an overbound deuterium state.

プロトンブリッジは、その後、過剰束縛重水素の状態です。

In normal case an overbound system would quickly absorb energy from the surrounding to the ground level but for such a large overbound state the only possibility to absorb energy is to
interact with nucleon scale energy and not atomic scale.

通常の場合、過剰束縛システムが、迅速に周囲からエネルギーを吸収して接地レベルになり、しかし、このような大規模な過剰束縛状態に対して、エネルギーを吸収するための唯一の可能性は、核子スケールエネルギーで相互作用することであり、原子スケールではないのだ。

The lifetime of the state could be calculated from the retransmission coe cient.

状態の寿命は、伝達係数から計算されることができる。

First consider the transmission coe cient as the comparison of amplitudes:

最初に、振幅の比較として、伝達係数を考慮してください。

where AN is the amplitude of the wave by the nucleon and Ad is the ampli-tude of the wave at the deuterium.

ANは、核子による波の振幅、Adは、重水素での波の振幅。

The amplitudes are found by continuum considerations at the barrier wall

振幅が、隔壁での連続体の考慮によって発見される

here the wall is is considered to exist at x=0.

ここに、壁が  x=0 で存在すると考えられている。

If one instead consider a over-bound system the wall would have been reduced from 0 to -x but the frequency is still the same.

もし仮に、人が代わりに、過剰束縛システムを検討するならば、 壁が、0から-xにまで減少されたであろう、だが、周波数は依然として同じであるのだ。

The continuum formula is now instead

連続体の式は、今や代わりに

The amplitude square of the complex phase is still 1 but for the real one its now B ^ 2 * e ^ -2k(-x) instead.

複素位相の振幅正方形はまだ1である、しかし、真の1について、それは今や B ^ 2 * e ^ -2k(-x)  がとって代わる。

The transition coe cient is then increased by

遷移係数は、その後、つぎによって増加する

The -x is the di erence between the deuterium potential well radius and the Li/Ni one ie in the range of fm.

 -x は、重水素ポテンシャル井戸の半径とLi/Niのそれの間の距離である、すなわち、fmの範囲である。

For probable k values the Td * / TN di erence are in the range of 10 ^ -5.

可能性のある k の値について、Td * / TN の距離は、10 ^ -5 の範囲にある。

If one choose the 100 keV p-Li interaction from tab. 4 one finds a transmission rate
of seconds and retransmission in microsecond.

もし仮に、人が 100 keV p-Li の相互作用をテーブル4から選択するならば、人は秒の伝送速度とマイクロ秒の再伝送を見つける。

But at the same time 100 keV protons has the speed of approx.

しかし同時に、100keVの陽子が、おおよその速度を有する。

10 ^ 5 m/s so that during the lifetime of the overbound deuterium it will travel far in the Ni/Li material and therefor works as a bridge for bound neutrons.

10 ^ 5 m/s 、それで、過剰束縛重水素の存続期間中に、Ni/Liの材料の中をそれは遠く旅する 、さらに、それ故、束縛中性子のためのブリッジとして動作します。


(訳注 4ページの終わり)

オス・メス・社会

オスとメスが組み合わさり、複雑な社会を作ります。

自分という人間の人生を深く自覚する上で、
動物の一生と社会を知ることは、
さらに面白いものです。

参考になる面白いサイト・リンクです。
内容が正しいかどうか自分で判断して下さい。


異性?―おお、錯覚!

オスに生まれた悲劇

チンパンジーのなかのヒト

人はなぜ浮気するのか?そして浮気をしない人の「7つの特徴」とは #最後がスゴイ(女性向けサイト)

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肉牛の血統にメスは関係ないのでしょうか?

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減数分裂


Nov 11, 2014

石油有機起源説の難点

石油天然ガスの起源 ~無機成因説は成り立つか~
http://oilgas-info.jogmec.go.jp/pdf/0/641/200511_063a.pdf
は、石油の有機起源説派の論文である。

実は有機起源説でも無機起源説でもどちらでもいいのだ。
肝心なことは、4項目


  1. 石油は有機起源説ではありえない深いところから見つかっているという事実
  2. 一度枯れた油田も十年単位で放置するとまた回復するという事実
  3. より深いところにある石油をどうやって確率良く発見するか
  4. より深いところにある石油をどうやって安価に掘り出すか


であり、解決先として2項目


  1. 確率向上には、大深度水平堀(ベトナムですでに実施済み)
  2. 掘るのではなく発想を転換して海底人工トラップを作り集める(メタンハイドレートの採掘の新案)


である。もちろん、「石油」を天然ガスや石炭に置き換えて構わない。

また、昨今のシェールガス、シェールオイルの鉱区では、地上に湧き出る地下水つまり井戸水に天然ガスが含まれてしまい、火がつくそうだ。当然だトラップと呼ばれる地層がないところの地下で炭化水素を豊富に含む根源岩を砕き加熱して石油やガスを採掘すれば、漏れた石油とガスは地下水と入れ替わりあるいは溶けこんで地上に出てくるのだ。それなら、シェールガス田の地上をシートで覆ってしまえば、そのままガスタンクや石油タンクになるだろう

それでは、この論文(以下引用部は > 記号 と緑色)を、有機起源説と無機起源説の両方から中立な立場、あるいは、無機起源説の立場から見なおしてみよう。

>1. はじめに
> ...
> (地下の)CH4は途中で酸化されてほとんどがCO2に(変化して大気に出る)

「ほとんど」という表現が科学的に曖昧である、本当なのか確認したのだろうか。

> 大気中のCO2の一部は植物の光合成により有機物となり、一部は水に溶け、やがて炭酸塩を形成して地下に戻ります。

有機起源説と無機起源説の両方から中立な立場からは、数量的表現が曖昧であること、有機物の一部が燃焼済みの無機物(炭酸塩=炭酸カルシウム=石灰石)として地下に戻ることを表す必要がある。
だから科学的良心により誠実に書くならば「水に溶けた一部の有機物のさらに一部が燃焼済の炭酸塩(炭酸カルシウム)となり石灰石として地下に戻る。」となる。

> また、スウェーデンの隕石孔シルヤン・リングでは、Gold説に基づいて1986年~1992年に2坑井が掘削されましたが、商業量の油・ガスは発見されませんでした。

有機起源説と無機起源説の両方から中立な立場からは、もう少し詳しい事実を書いてもらいたい。例えば「また、スウェーデンの隕石孔シルヤン・リングでは、Gold説に基づいて1986年~1992年に2坑井が掘削され、商業量の油・ガスは発見されませんでしたが、炭素、有機物の堆積が一切ない花崗岩の奥深く地下6000mで少量だが石油とバクテリアが発見された。地上から石油とバクテリアがこの深さ染み込んだと推測するか、これをさらに深層からの有機物による無機起源の証拠と捉えるか議論が別れる」となる。

> 石油開発に携わっているほとんどの探鉱技術者は、非生物起源炭化水素の存在は認めていますが、その量は非常にわずかであり、油・ガス田の成立には貢献していないと考えています。

著者は、「無機起源の石油もあるが量はとても少ない」という曖昧な表現で無機起源を若干認めつつも、彼自身は、日本の学会の旧主派の有機起源説グルーブに属していると予想できる。



> 2. 非生物起源炭化水素
> ...
> 地球上の生物は、12Cを13Cより速く取り込むので、生物起源の炭素化合物は、非生物起源の炭化水素より軽くなります。

有機起源説と無機起源説の両方から中立な立場とより厳密な科学的態度からは、「地球上の生物は、軽い12Cを思い13Cより速く取り込むので、地上の生物に含まれる炭素化合物は、非生物に含まれる炭化水素より軽くなります。」だけである。

> 1969年にオーストラリアで落下・採集されたマーチソン(Murchison)炭素質隕石

唯一の地球外物質としての隕石の例でこれ一つで宇宙すべてを説明することは無謀である。
そもそも、この隕石が無機起源なのか生物起源なのか判定できる根拠がどこにも無い。この隕石のCO2の δ^13 Cが地球の地表と異なり非常に重い理由の説明がない。まるっきり手がかりがないため理由を付けられるはずもない。

> 反応速度が、分解(ヘキサンの熱分解)においても重合(メタン大気中のスパーク実験)においても、軽い12Cの方が重い13Cよりも速いため、前者は熱分解が進むほど、そして後者は重合が進むほど、それぞれの生成物が軽くなるからです。

上記は、再現実験から解る客観的事実である。しかし、この事実の裏側にある事実も見逃してはならないのだ。それは、「生成物が軽くなれば、残留物は重くなるということ」である。これの意味することを詳しく書けば、一つの閉鎖系において熱分解反応が起きていれば分解された生成物では軽い12Cが優勢で残留物は重い13Cが優勢となる、熱重合反応が起きていれば重合された生成物では軽い12Cが優勢で残留物は軽い12Cが優勢であるということ。実験の前提条件の閉鎖系であることが極めて大切なのである。

有機起源説派の主張が科学的に正しいかどうかの判定基準として、「重くなっているはずの残留物がどこにあるのかを述べているどうか、つまり閉鎖系として評価されているかどうか」が浮かび上がる。重くなっているはずの残留物の説明が抜けた有機起源説は片手落ちの不格好な理論と言えそうだ。

> カナダ楯状地のKidd Creek鉱山(世界最大級の火山性塊状硫化物鉱床の一つ)
> ...



Kidd Creek鉱山が湧き出る炭素元素を含むガスは、そもそも、「δ13C1は-32.7‰以下であり、有機物の熱分解の範囲に入る」と筆者自身が論述しているように、筆者の理論からは、火山から出たガスにもかかわらず、その炭素は有機物由来の兆候が見て取れる(筆者もそう書いている)。しかし、「δ13C1>δ13C2、δ13C3、δ13C4」という関係をも計測し、これはつまり、重い13Cが高分子炭素ほど減る=軽い12Cが高分子炭素ほど多いということであり、実験室レベルと同等の短期間の化学反応で低分子炭素から高分子炭素に熱重合したのではないかという推測もできるということだ。ここには、「低分子炭素(=メタン)は生物由来ではない」という筆者のあまり根拠を示さない発想があると私は推定している。
この段階で科学的にKidd Creek鉱山が湧き出る炭素元素を含むガスが有機物由来か無機物由来か判断がつかないと思えるのだが、筆者は無機物由来と断言してしまっている。

> 3. 油・ガス田における非生物起源炭化水素
> ....


実験室における短時間の実験では、熱分解にしろ熱重合にしろ、生成物は軽い12Cが多くなり、残留物は重い13Cが多くなるのである。では、地下深くで比較にならない長時間ではどうなると考えるといいのだろう。なぜすべてのエチレンが分解されてメタンにならないのか、あるいはこの逆にならないのか、この疑問に答えていることが科学的にバランスのとれた理論であると思われる。地下における、化学平衡と熱平衡さらに圧力平衡の視点が欲しい。残念ながら筆者の論文だけでは疑問は解決できない。メタンとエチレンの12C,13Cの比率は化学平衡と熱平衡さらに圧力平衡により安定する比率があるがポイントでありこれが油・ガス田の炭素同位体比を決定してしまうのではないだろうか。


> 4. 基盤岩油・ガス田
> 4-1.ベトナム沖クーロン堆積盆地
> ...
> 原油の地化学性状や原油-根源岩対比に基づけば、基盤岩原油は有機物に富んだ湖成泥岩から生成されたものと考えられます。

ここの見解が、有機起源説派と無機起源説派で大きく異なっている。
同じ油田を見て、有機起源説派は有機起源と言い、無機起源説派は無機起源と言う。

ベトナムの油田で、有機起源説派が説明しなければならないそして説明を避けている科学的困難は、海底下にある油田において、海水より軽い石油がなぜ一番深い基板岩から見つかり、途中の根源岩とされるところで発見されないのかということだ。つまりより高い所にある根源岩の油と水がなぜより深い(=低い)しかも硬い基板岩に入り込むかということだ。

また、有機起源説派が説明しなければならないそして説明を避けている科学的困難がまだ二つ在る。、なぜ大量の生物の死骸=炭化水素が腐らず分解されなかったのかということ、仮に腐らなかったにしろ、そもそも軽い炭化水素がどうやって大量に重いその他の岩石の下に入り込み根源岩と称される物になりうるのかということである。

無機起源説では、説明は簡単で、もっともっと深いところから軽い炭化水素(=石油、天然ガス)がじわじわと沸き上がってくる(浮力の原理)から、たまたま、基板岩の窪みに石油が溜まったし、そこからあふれた物がたまたま根源岩と称されるフィルターに捕まり炭化水素の含有量が増えた、あるいは石油も水もガスも通さない粘土質の層が水上置換法の原理で石油やガスを集めた、それらのフィルターを通過した炭化水素は地上に滲み出してガスや液体となっているというものだ。

無機起源説だからといって、地下深く深く深く掘れば何処でも無尽蔵に石油や天然ガスが湧き出るということではないはずだ。石油だけ都合よく出てくる保証もない。出やすい所があるはずたが深すぎてどうやって見つけていいのか今の技術ではまだはっきり判らないということだ。はっきりしていることは、これまでの油田やガス田や石炭層のように地層的に湧き出て上がって来る炭化水素を集積する地層構造(トラップ)があるところを探すことがいいということだ。ベトナムでは、大深度での水平堀で石油層をより高い確率で探り当てている。あるいは、これまでと発想を180度変えて、石油やガスを集積する構造(トラップ)を人工的にどうやって作るかということだろう。

ラドン油田のより解りやすい図解はこちらが好ましい
https://www.japt.org/html/iinkai/seisan/tech_2007/69-76.pdf
興味深い点は、大深度での水平堀で、石油に当たる確率を高めていることだ。


> 4-2.勇払油・ガス田

[用語]:コンデンセート(condensate):訳は凝縮物、ガス田から液体分として採取される原油の一種で、地下では高熱のため気体状で存在しているが、地上で採取する際、凝縮する液体

[用語]:フラクチャー(fracture):訳は割れ目、フラクチャー型貯留岩とは岩石にヒビが入り割れ目が沢山あるということだ。

[用語]:アルカン(alkane):メタン、エタン、プロパン、ブタンなどベンゼンのように環を作らない鎖状に炭素が単結合した飽和炭化水素のこと

[用語]:メチル:メチル基とはCH3-の化学結合の構造


[用語]:2-メチルアルカン類:エタンのことかと推測

> 花崗岩類と礫岩がフラクチャー型貯留岩となっています(図10)。

勇払油・ガス田でも、根源岩の下層にある花崗岩類の割れ目(=フラクチャー)に石油とガスがたまっている。

軽いガスと油がなぜその根源岩より下の層に貯まるのか、その説明が無いことが有機起源説の不備である。

> コンデンセートは、δ13Cが約-26‰と軽いこと、ステランのC29/(C27+C29)比が高いこと、C25以上の n アルカンに加え被子植物に含まれるクチクラが起源の2-メチルアルカン類が豊富に含まれていること(図11)から、陸源有機物から生成されたと推定されます(武富・西田,2002)。

「δ13Cが約-26‰と軽いこと、ステランのC29/(C27+C29)比が高いこと」はすでに化学平衡の条件として成立する可能性の有無を論証して欲しいことは数段落前で説明した。

「2-メチルアルカン類」が、「被子植物に含まれるクチクラ」に含まれることは客観的事実だが、それが、勇払油・ガス田の全てが陸源有機物起源と断定するにはまだ根拠としてまだ弱いのではないかと思える。

>石狩層群夾炭層の石炭や炭質泥岩のステラン組成はコンデンセートと必ずしも
一致していませんが、これは熟成度の違いを反映している可能性があります(図12)。

この説明は、筆者が現実の油田の状況により説明を都合よく切り替えていることを意味する。つまり、筆者の有機起源説には、統一的な簡単な原理がは無く、素朴な発想「動物や植物を大量に集めて油を絞れるから石油もきっとそうだ」からすべての理論が展開されているように感じられるがみなさんはどうだろうか。


勇払油・ガス田のより解りやすい解説はこちら
http://www.japexrc.com/fracture.htm

> 5. まとめ
> ...
>基盤岩油・ガス田の場合のように、予想外のところまで石油が移動し、集積している可能性があります。

「予想外」の事実をこじつけで説明しているのが、有機起源説であると感じられる。有機起源説は幾つかの決定的と私が考えている疑問に答えていないと思われる。


>鉱対象を限定するのではなく、フレキシブルにものごとを考えることが必要だと思います。これまで予想していなかったような発見がこれからも続くと思います。

この論文の筆者は、実に巧妙な表現方法で有機起源説派が不利になることを避けている。それも日本の学会や己の所属組織において、自分が生き残るための方策であるから仕方が無いのだろう。私も、日本のサラリーマン学者の立場は良く分かる。だから、私たちは、そういう著者の弱い立場も汲み取って論文を読み進めなければならないのだ。

こういう書き方から筆者は、学識豊かで、丁寧で、語り口もスマートである。だが、強い自己主張が欠けている。権力志向あるいは権力に弱いサラリーマンの匂いを感じる。こういう書き方を東大話法というのだ。

人間誰もが、それぞれの今の立場に流れ着いた歴史の中に生きているのであり、その人自身にとって自分が気持よく生活することが小さな正義である。サラリーマンにとって事実かどうか断言できない科学的主張と心中するようなことは、彼のライフスタイルとは相容れないものなのだ。そういうスタイルがサラリーマンにとっていい処世術だと私は思う。おそらく学会の風向きが変われば、彼は最も素早く新しい理論に乗り換えるに違いないだろう。

> 安易に無機成因説を鵜呑みにして、石油が無尽蔵にあるかのような幻想をもつことは、今後の地球環境問題を考えても控えられるべきものであると思います。

この点は賛成できる。無機起源説であろうとも、経済性を無視した石油採掘は意味が無い。まして税金を使った油田開発などばかばかしい。税を使った研究(石油公団)は基礎科学までにしなければならない。儲かるなら、あとはすべて民間に任せておけばいいのだ。

無機起源説から脱線してしまうが、すべてを民間に任せるためには、強力な大富豪の存在が前提になる。

アメリカや中国の富豪に対抗出来るだけの大富豪が日本にも多数いないとチャレンジャーになる人を育てることができないからだ。世界を見ている富豪が、孫正義氏、柳井正氏、三木谷浩史氏の三人しかいないのは寂しい。残念なことに日本には、石油・エネルギー関係の富豪がいない。

これから、日本の貧富の格差拡大は経済成長の必要条件となる。ただし、99%の大多数の貧者(私もここに属するが)には、最低限の健康で文化的な生活を、99%の貧者の参加する保険(10年前レベルの医療水準の健康保険、最低額の老齢年金、万が一の生活保護)で保証することが99%の大多数の国民を幸福にするために必要だ。余計なことは一切しない小さく公正な政府が日本人の未来のために必要と確信している。正当な方法でのし上がった大富豪に重税を課すことをよしとする風潮・言説こそが、上から目線であり、とても恥ずべき卑しいことなのだ。