Dec 18, 2013

自由民主党の日本国憲法改正草案を検討する(1)

(このページは、平成二十六(2014)年四月六日以後、内容を更新しないことにしました。
最新の私の憲法草案はこちらを御覧ください。)

現在の自由民主党の勢力は、日本国憲法改正も可能な段階に近づいて来た。
自分でも自由民主党の日本国憲法改正草案を検討することが必要になった。

- 他政党の草案 -

まず、自由民主党以外の政党が憲法変更草案を出しているかどうか調査。

みんなの党は、変更の概要を示す考え方のみ。
民主党は、なし、憲法を変更したくない、らしい。
他の政党は未調査。

したがって、自由民主党の日本国憲法改正草案が、議論の開始点に成る。

- 自分が感じる日本国憲法の課題 -

第一に、侵略された場合の国防について明記したい。
もちろん日本が、侵略を目的に戦争することは禁止である。

その他の課題も多分出て来るだろう。

- 自分の立場 -

自分なりの意見は、これから検討することで、
色々出て来るはず、
だから、記録しておきたいのだ。

もちろん、一個人の自分の意見・要望が、
自由民主党に通るとは思っていない。

自分の考えの原点が、
自由民主党とは違うことも
いずれ解るだろう。

ただ、連絡と公開することで、
誰かの役に立てばいいと思う。

- 自由民主党の日本国憲法改正草案 -

日本国憲法改正草案(現行憲法対照)
 自由民主党 平成二十四年四月二十七日(決定)
は、こちら
http://www.jimin.jp/policy/policy_topics/pdf/seisaku-109.pdf

以下、「自民草案」と呼ぶ。
現在の憲法を「現行憲法」と呼ぶ。

- 総論 -

自民草案は、江戸時代の庶民的暮らしをする分には、悪いことは何もない。
庶民の暮らしは今まで通り、政治はお上に任せておけばいいという感じである。

国民統治の方法を国民の自由度の大きい方から並べると、

個人主義 > 民主主義 > 権威主義 > 全体主義

になる。

権威主義はまた、独裁主義と専制主義に分かれる、
全体主義は、太平洋戦争中の日本の軍国主義のことでもある。

現行憲法は、民主主義憲法で、個人主義の色彩も中間的である。
自民草案は、民主主義憲法で、現行憲法よりかなり権威主義の要素が強い。

私は、現行憲法がもたらしたものは官僚権威主義と感じているし、
自民草案は、官僚権威主義をさらに強化していると思える。

自民草案では、民主主義の最重要要素、自由が、現行憲法より制限される。

また、自民草案は、司法権が行政権より弱められている。

われわれ日本国民は、現行憲法が施行されてから、
権利を強硬に主張するばかりで、
礼儀と寛容さ譲歩をわきまえない一部の人に、
民主主義を悪用されてきた苦い歴史を経験している。

自由民主党も民主主義の悪用をなんとか防止したいという気持ちが本心であろう。
そのため、自由を制限し権威主義の香りを入れられたものと思う。

私は、なるべく自由を制限せず権威主義も強めず、
民主主義を悪用する者への物言わぬ多数派の批判の視線を導入することで、
民主主義を悪用を防止する案を示してみたい。

また、官僚権威主義が成功したのは、
戦後からバブル期まで(1945-1990)であり、
その後は官僚権威主義の弊害が目立ち、
現在の2014年では、急速に財政が悪化している。

私は国防軍の設置は大いに賛成である。
国防軍と緊急事態への対応を導入すれば、
こぐ稀な戦乱時と災害時に国民を守るため
自由が制限されることは、必定だが、
私は受け入れ可能である。

自民草案の国防軍については、軍の暴走(革命)を抑止する記述が少ないと思う。
アメリカが教えてくれる民主主義国の軍隊の原則

  軍隊は、国家と、国民の自由を守るために存在する。
  軍の忠誠は、法の支配、民主主義の原則そのものに向けられる。
  軍人は、政治に関与する前に、軍から退役しなくてはならない。
  軍隊は、国家の中立的な公僕であり、社会の守護者である。

を憲法に盛り込みたい。

私が考えた日本国憲法の草案はこちら

- 現代かな使い -

自民草案は、現代かな使いとなる。
これは良いことだ。

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- 前文 -
自民草案
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日本国は、国民統合の象徴である天皇を戴く国家であって、
国民主権の下、立法、行政及び司法の三権分立に基づいて統治される。 

我が国は、先の大戦による荒廃や幾多の大災害を乗り越えて発展し、
今や国際社会において重要な地位を占めており、
平和主義の下、諸外国との友好関係を増進し、
世界の平和と繁栄に貢献する。 

日本国民は、国と郷土を誇りと気概を持って自ら守り、
基本的人権を尊重するとともに、和を尊び、
家族や社会全体が互いに助け合って国家を形成する。 

我々は、自由と規律を重んじ、美しい国土と自然環境を守りつつ、
教育や科学技術を振興し、活力ある経済活動を通じて国を成長させる。

日本国民は、良き伝統と我々の国家を末永く子孫に継承するため、
ここに、この憲法を制定する。
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現行憲法の前文も捨てたものではない。
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日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、
われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、
わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、
政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、
ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。
そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、
その権威は国民に由来し、
その権力は国民の代表者がこれを行使し、
その福利は国民がこれを享受する。
これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。
われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。

日本国民は、恒久の平和を念願し、

人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、
平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、
われらの安全と生存を保持しようと決意した。
われらは、平和を維持し、
専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、
名誉ある地位を占めたいと思ふ。
われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、
平和のうちに生存する権利を有することを確認する。
われらは、いづれの国家も、
自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、
政治道徳の法則は、普遍的なものであり、
この法則に従ふことは、
自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。
日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。
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以下は、自民草案の前文への辛辣な批判となってしまい、
私の気持ちは悲しい。
できればもっと寛容な書き方をしたかったが、
文才がなく、お許し願いたい。

自民草案は、現行憲法と較べて、
作文が稚拙で品位が足りない、
日本語として残念である。
そして、何故だか、心が奮い立たない。

誰か文才のある人に書いてもらえばと思うが、、、。

稚拙な理由

- 紋切り型の箇条書き風のいわゆる下級法律向けの官僚作文。
- 用語が少しオカシイかも 例「友好関係を増進」
- 「国と郷土を誇りと気概を持って自ら守り」と、ところどころ、くどく饒舌で統一感なし
- 前文に書かずとも良いこと(本文に書いてあること)を書いている

おそらく最初に官僚が書き、政治家が口を挟み、
その例がそのまま入って削除できない状態になった。

典型的な、日本人組織の特徴丸出しの文である。
ガラパゴス携帯電話の敗北を思い出す。
官僚体質の残るNTTドコモが主導したガラパゴス携帯電話開発も
上役の口出しのお陰で、機能だけはてんこ盛りだが、
統一感、バランスの悪さで稚拙であったため、
アメリカのアップルのiPhoneに完敗したのだ。

政治家は前文には、
盛り込んでもらいたい気持ちを伝えるだけにして、
文章は、当代一の美文家に頼むべきである。

品位が足りない理由

- お国自慢を書いている、

  「長い歴史」  「固有の文化」
  「先の大戦による荒廃や幾多の大災害を乗り越えて発展し」
  「今や国際社会において重要な地位を占めており」
  「美しい国土」などなど。

  ヘタに自慢すると、反感を買いやすい。
  特にリベラルの知識層や強情な反戦主義者は反発しやすい。
  言わぬが花であり、さり気なさが必要と思う。

「経済活動」とするとお金にこだわりすぎる感じがする。

  かつて、エコノミックアニマルと外国から蔑まれた時代もあった。
  お金の話は、前文に書かないほうがよいだろう。

  前文は勤労とか勤勉の美徳を書くほうがいい。

- 「国を成長させる」では、国民軽視で支配側の利益優先の富国強兵かと誤解される

  もちろん自由民主党の本心は、
  国民の幸福を願っていることであることに間違いない。
  「国民の福利を追求する」とすることで国民の協力を得やすいし、
  結果として、権力者も栄えるのだ。
  損して得を取るということであり、譲歩して実を取る、
  国民が栄えるから、権力者も尊敬され栄えるのである。

心が奮い立たない理由

- 声に出して読むだけのリズムがない。和歌の国なのに、、、。

- 国という法人(お上)が作文していると感じる

  権力を持っている官僚がいつも書く、
  下位の法律を作成する要領の文章では、
  読んでいて、普通の国民として息苦しいのだ。
  主権を持つ一般の国民達が自ら憲法を作成した、
  そういう印象を盛り込まないと、共感を得られない。
 「我々は」だけでは権力者のこととんじる、「日本国民は」でしょう。

- 国家の有り様を書く憲法に、唐突に、郷土を持ちだしている、視野が狭い。
  「国と郷土」どっちが憲法の対象かというと、国でしょう。

- 国家の有り様を書く憲法に、唐突に、家族を持ちだしている。
  「家族と社会」どっちが憲法の対象なんだ、社会でしょう。

- 国家の有り様に、唐突に、規律を持ちだしている。

  「自由と規律」ではなく「自由と平等の民主主義」が欲しいでしょう。

  規律を重視するのは、支配者側であり権力者側、
  自由民主党はいつも権力側だから、
  一般の国民の感覚に疎いかもしれない。

  権力者が規律という言葉を使うだけで、
  庶民は恐怖と反感を感じるものだ。

  規律という言葉を持ち出さずに規律ある世の中にするには、
  自主性を引き出すが得策、
  自主性は、褒めて讃えて引き出すものだ。


私は、自由民主党の前文の気持ちは、よく理解できるし、
項目的にはほぼ賛成である。

だから、私も私なりに努力して書いてみたい。

憲法は、国の最高法規であり国民を統合する規則である。
他の下級の法律とは求められる目的、内容とその品格と質が違う。

現行憲法の内容と自民草案の内容の項目を検討すればするほど、
憲法の前文こそ、最も重要であるということだ。

憲法の前文には、規則は書かない、ここは理想を語るところ。
国民に日本はいいなあ、世界の人々に日本はいいなあと
感じてもらうところである。

  1. 中学生以上のすべての国民が理解できること
  2. 国の歴史を知りその成り立ちを納得できること
  3. 国民が安心できること
  4. 世界の人々を安心させること
  5. 国民の誰もが元来持つ普通の道徳心に気がつくこと
  6. 国民のやるべきことが示されていること
  7. 国民が誇りを持てること
  8. 国民が決意とその実現への勇気を持てること
  9. 政府のするべきことが示されていること
  10. 国民が祖国を愛せること
  11. 声に出して読みやすいこと


以上が必要であると感じた。構成はこんな感じである。


  1. 長い歴史と皇室が果たした成果を関係つける
  2. 民主主義を学び取り入れて憲法を作ったこと
  3. 二度と戦争を起こさず、また、自ら国を守ること
  4. 世界の平和を願い、諸国の友好に貢献することを約束して世界を安心させること
  5. 民主主義を正しく使うよう政治道徳を誓うこと
  6. 国民の性格、心根を褒めて、国民の道徳心の目標をさり気なく示すこと
  7. 国民がするべき行動を並べ示して、幸福になれることを示すこと
  8. 国民が作る政府の目的と役割を示すこと
細かく説明すると
第二次世界大戦の反省から、自ら侵略戦争を起こすことのないように。
最近の世界情勢に合わせ、自国は自分で守る意志を明確する。
世界で日本はすでに尊敬され、高い地位がある国である。
地位や名誉や金を欲張るのではなく、
貢献したい、役に立ちたいという純粋な気持ちこそが、共感を呼ぶ。
戦後政治の反省から、政治道徳を明示して成熟した民主主義を実施できるように。
信教の自由とは、信仰がなくとも良いということだが、
最低限の道徳項目を褒め称える形で取り入れれば、抵抗もないだろう。
道徳心では、自立心を含めて、国民の税金タカリの性質を緩和するように。
政府の目的と役割を過大に語らず、放漫財政の赤字体質に陥らないように。

自分達を誇りに思い、勇気づけ、受け入れできて
一に、伝統と信頼による自然発生し継続している天皇制
どうぞご自由に利用していただきたい。

私の提案
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(前文)
一、
われら日本国民は、
万機公論に決し、
和を以て貴しとなす、
古来の伝統を重んじ、
人心和合の象徴として、
天皇陛下を元首に戴く。

二、
われら日本国民は、
自由、平等と博愛の
民主主義を学び、
ここに国家の主権が、
国民にありと宣言し、
この憲法を制定する。

三、
われら日本国民は、
自国の独立と主権を
自らの手で守り、
愚かな戦争の惨禍を
自ら起こすことは無し
と、固く決意する。

四、
われら日本国民は、
平和を愛する諸国の
公正と信義を信頼し、
世界の恒久の平和と、
諸国の友好と繁栄に、
貢献したいと願う。

五、
われら日本国民は、
自らの自由と平等を、
喜び享受すると同時に、
他者の人権を尊重し、
寛容、譲歩、協力の
政治道徳を順守する。

六、
われら日本国民は、
いつも明るく、元気で正直、
笑顔で讃え、優しく慰める、
信用できる人を進んで助け、
受けたご恩に必ず報いる、
義理堅く、愛情溢れる民。

七、
われら日本国民は、
健康が第一、勤労に感謝、
スポーツを好み、芸術を楽しむ、
学問を勧め、教育を興し、
風光明媚に国土を開発、
科学技術で未来を拓く。

八、
われらが作る政府は、
正直な国民の権利を護り、
正直な国民の生活を支え、
正直な国民を争いから救い、
清廉公平ゆえに民栄え、
子孫へ希望を贈る。
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- 天皇制 -

自民草案は現行憲法の、天皇制を継続している。

ただし、自民草案は、天皇陛下を国家元首と明記し、
国旗は日章旗とし、国歌は君が代としている。

もちろん、天皇陛下に政治的実権は無い。

天皇制は、自民草案で、よいと思う。

ところで、現行憲法にも自民草案にも、
天皇陛下と皇室に人権が、見当たらない。

国民には、最大限の自由があるが、
天皇陛下と皇室には、
職業や居住地、移動、旅行などの自由がない。

この憲法を定めるのは、
主権があると宣言する国民であり、
天皇陛下と皇室に自由がない、
そういうご不自由をお掛けしているのは、
われわれ日本国民なのだ。

私は、これだけで、ご恩を感じる。

天皇陛下と皇室は、
国民の総意としての不自由を
そのまま受け入れられておられるだけでなく、
われわれ国民にいつも寄り添い、
暖かいお言葉をかけられる。

こうなると、私は、もう、
天皇陛下と皇室を最大限に尊敬し、
感謝を捧げたいと思う。

自民草案は、「元号」を使い続けるようである。
これで構わない。

ただ個人的には、「活力ある経済活動」のため
「元号はずっと平成のままでいい」と思う。

国の体制を先に明記した方が、
読みやすいので、第一条に書き加えてみた。

私の案
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(天皇と国の体制
第一条 天皇は、日本国の元首であり、
  日本国及び日本国民統合の象徴であって、
  その地位は、主権の存する日本国民の総意に基づく。
2 日本国民は、日本国政府の権限を、
    国会、内閣、裁判所及び日本銀行に分割する。
    この憲法では日本国政府を国と称する。
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以後続く、、、、

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