Mar 19, 2014

水がすべて水素になるという驚きの発表

アメリカ・カルフォルニアのソーラー・ハイドロジェン・トレンズ社
発明した水素ガス生成装置 “Symphony 7A”の驚異というか非常識な仕様について

創立者兼社長 Jack Aganyan
創立者兼CEO/主席科学者 Konstantine Balakiryan

連絡先とかは、上記リンクからたどれます。

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E-Catニュースで出ていたのですが、
内容が驚きすぎて、どうにもよくわからないのです。
欧米によくある大ボラかもしれませんが、紹介しておきます。
最後まで読んで下さいね。

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水素ガス生成装置“Symphony 7A”の仕様


  • 水を燃料として供給すればいくらでも水素を生成できる
  • 水を燃料とするから炭素は出て来ないので二酸化炭素もない。
  • 既存の石炭・天然ガス・ガソリン・バイオ燃料・ディーゼル燃料のエンジンと組み合わせると最大で95%までエネルギーを節約できる。
  • 石炭発電(1kWhのコストが3.32セント)より3倍から5倍安く発電できる(1kWhのコストが1.6セント)。
  • 廃棄物処理を含めない原子力発電(1kWhのコストが2.19セント)より二倍から三倍安く発電できる。
  • 水力、太陽光や風力と組み合わせてエネルギーを増幅できる
  • 7モデルの水素ガス生成装置を準備中
  • 入力電力 500W/h で 2797 立方ft/h 79098 L/hの水素生成能力(エネルギー換算 221 kWh)
  • 装置構造:16段の物理と化学のプロセス経た装置で水素結合に作用する
  • 技術は安定している
  • 水素はガスとして生成出力されるので貯蔵したり他のエンジンでそのまま燃焼に使える
  • 世界一低価格のボルト・オンでとりつけられる水素生成装置
  • 装置の最小版は 長さ32インチ幅14インチ高さ20インチ 250ポンド(82cm*36cm*51cm,113kg)


注 
上記コストはアメリカ価格
221 kWhは、日本の家庭の二週間から一ヶ月の消費電力
入力電力 500W/h毎時のコストは、 1.8$ (カルフォルニア価格 180円程度)

生成出力ガスの成分測定値
実験3回
生成出力量 27-82 (ACFM, 立方ft/分)
湿度 1.8 - 2.5 %
温度 華氏 82 度(摂氏 28度)
水素 86.8 - 96.8 %
酸素 1.62 - 4.85 %
窒素 1.40 - 8.35 %
入力電圧 3.93 - 7.13 V
入力電流 97.75 - 100.50 A

確かに平均値を取ると、上記の仕様となる。

ただし、装置の写真も無いし、デモ動画もない。
したがって装置の貸出もまだない模様。

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ただし、第二のスレッドで、創立者兼CEO/主席科学者 Konstantine Balakiryan 氏から
驚くべきヒント(日本の高校の化学と物理程度の科学知識は必要です)が示されていた。

Dear Colleagues,

I am closely following all the discussions on multiple forums.
私は複数フォーラムの議論を全て密接に読んでいます。

I really like your judgments and their proximity to understanding the processes that occur in reality in the hydrogen reactor “Symphony 7A”.
私はみなさんの判断が好きです、さらに、
水素生成装置“Symphony 7A”の中で本当は何が起きているのか、
そのプロセスを理解しようとする想像もです。

Unfortunately, according to the existing ethics in the scientific community, the authors are not encouraged to discuss about any research results with the media before they are published in scientific journals.
残念ですが、科学の学会の既存の理論に従うと、
書き込みされてるみなさんは、どんな研究結果にも議論する気持ちがくじけてしまいます、
特にそれが科学ジャーナル(有名な論文誌)に掲載されで一般メディアのニュースになるまではね。

However, in order for you to understand what a great discovery GOD gave to us all please try to find answers
in the following questions:
でも、みなさんのために理解できるように、
偉大な発見、 GOD(神)が私達全員にに与えてくださったのですが、
以下の質問について答えを探してみてくださいね。


1. If the working substance in the reactor is water, how come the output is almost only hydrogen?
もし、生成装置の有効な燃料が水だけなら、どのように出力生成物がほぼ水素だけになるのか。
(訳注 従来の水の電気分解反応なら、水素と酸素が出て来るはずです。)

2. After splitting water where do molecules of oxygen disappear?
水を分解した後酸素の分子はどこに消えたのでしょうか。
(訳注 従来の水の電気分解反応なら、酸素はどこか別の穴から出て来るか貯めてあるはずです。)

3. What role in stunning efficiency of “Symphony 7A” plays a collective excitation of nucleons in the nuclei of atoms of oxygen?
“Symphony 7A”のスタンニング(叩きつけて気を失わせる)効果の役割は、酸素の原子の原子核の核子(陽子と中性子)の集合的励起にどんな役割を果たすのでしょうか。
(訳注 どうやら酸素原子核をばらばらに破壊して水素にしてしまうのでしょうか)

4. Is it possible at a rate of 0.5 kW energy hour and at operating temperature 60 degrees centigrade, to have a nuclear fission and fusion?
0.5 kW 毎時のエネルギーの率で、さらに、動作中の温度が摂氏60度で、
核分裂や核融合が可能なんでしょうか。
(訳注 0.5kWでは、水素と酸素が燃焼反応する化学熱エネルギーにもまったく足りません(400分の一以下です)。どうやら古典的原子力、つまりウランの核分裂や重水素原子核の超超高温衝突の熱核融合ではないことは明らかですね、まさに E-Catに続く LENR (低エネルキー核反応)の新しい応用でしょうか)

5 . To produce 1kg of hydrogen it is necessary to split 9 liters of water, then how or in what way in this hydrogen reactor “Symphony 7A”, it takes only 1 liter?

1kgの水素を製造するのに、水から電気分解するなら9リッターが必要です、でも、どうやって、どんな方法で、この水素生成装置 “Symphony 7A”は、わずか1リッターの水から水素を作るのでしょうか。

(訳注 1リッターの水は1kgです、つまりほぼすべての水が水素になっていることを水素生成装置 “Symphony 7A”は示しています。

さすがにエネルギー保存の法則(核物理学なので E=mc^2 (質量とエネルギーの等価式)も含めて考えてください。)は、成立しているとかんがえるべきだと思います。

酸素原子は原子番号8で原子量16です。8個の陽子と8個の中性子と8個の電子でできています。中性子は実は陽子と電子がくっついたものです。これがバラバラになって水素原子になることは、机上では成り立ちますが、酸素原子核をばらばににするだけの強力なエネルギーがどこから来るかということがポイントです。

中性子が種明かしかと予想しています。中性子は電気的に中性なので、プラス電気の原子核に陽子よりずっと簡単に入り込めるはずです。数個の中性子が酸素原子核に入り込むと、原子核は不安定になり分裂してしまいます、そうすると原子番号の少ない別の元素になります。さらにその原子核にまた中性子が入り込むと、また原子核が不安定になり分裂して、最終的には、水素原子核、陽子一個そのものにまでなります。重水素原子核、陽子一個と中性子一個も安定した原子核ですが、周りが中性子だらけですと、トリチウム(陽子一個に中性子二個)とかさらに不安定な陽子一個に中性子三個の原子核になりそれがまた分裂して、陽子一個にまでなります。結局、陽子一個の水素原子核になります。中性子は単体でいると、数分で陽子と電子と強力なエネルギーに崩壊します。つまり水素原子になります。

核種の一覧という原子核の分類チャートがあります。8番目の元素酸素と一番目の元素水素からできている水をまず電気分解して水素と酸素にして、水素をプラズマ状態にしてから、陽子と電子を衝突させて中性子を作って、これを酸素と混ぜると、酸素の同位体ができるのですが、酸素O19ぐらいから上は不安定なので理論上は、どんどん壊れていきますね。酸素より少ない原子番号の窒素、炭素、ホウ素、ベリリリウム、リチウム、ヘリウムも中性子があればどんどん崩壊して水素になるのではないかということです。

最初に、中性子を作ることが意外と大変です、陽子と電子と強力なエネルギーがないと中性子を作れないからです。水素原子をプラズマ化すれば、陽子と電子ですから要するに材料はあるわけです。強力なエネルギーは必要です。放電の強力なエネルギー加速して陽子と電子を衝突させれば、プラスとマイナスの電気なので衝突はし易いですね、こうすれば中性子を大量につくれる可能性はあります。

最初のきっかけとしてはこの強力なエネルギー必要ですが、反応の全体の収支で考えると、常に必要なのではなく、最終的に中性子が崩壊して水素原子と強力なエネルギーに戻るので、このエネルギーを使いまわす形にすれば、節約できるはずです。だから、この“Symphony 7A”の入力電力は少なくて済むのではないかと考えています。

ここまで机上のアイデアとしては成り立つのですが、実際そういう芸当ができるかと言われると、従来の科学知識ではまったく知られていなかったわけです。だから驚異だし非常識だし、頭の固い人なら「できない不可能だ」と試しもしないで断言するはずです。
)


Sincerely,
Konstantin Balakiryan
PhD, Professor

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これが真実だとすれば、
驚くべき可能性として、E-Catのニッケル水素系以外にも 
LENRの応用の可能性は無限にあるということです。

これが真実だとすれば、
楽しいわくわくするサイエンスの時代が来たわけです。

これが真実だとすれば、
それにしても、これまでの物理学者と原子力工学者の研究とは
ずいぶん遠回りだったのではないかということですね。

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この“Symphony 7A”が本物かどうかということは、
その装置の重量と燃料となる水の重量と
生成物となる水素の重量を計ることで簡単に解るはずです。

偽物だとすると、液体水素のタンクなどを隠して持っているはずですから、
重量を計ることで簡単にインチキかどうか解るはずです。


Mar 15, 2014

孟子を復習する

孟子は、紀元前300年頃の古代中国の儒教の学者。
この時代は戦国時代と言う。
儒教では創始者の孔子に次いで重要な人物。
参考

仁政

統治者が己の欲望に溺れること無く、
思いやりをもって民のために恩恵、
具体的には、
規則を簡単にする、刑罰を軽くする、税を低くする、十分な農地を与え、道徳教育、
を施し、
国内の治安を維持し、
戦争を止め、侵略で国土を広げず
統治者が民の信頼を獲得すること、
それにより、
民が自ら進んで産業を盛んにするので国が栄えるという政治。

徳とは

他人を思いやること、親愛の情、優しさ、忠恕。
欲望を抑え正しく善なる行いをすること。
挨拶、身だしなみ、振る舞い。行事での動作や言葉使い、服装や道具などの総称。社会秩序。
知恵であり有用な知識。正邪、善悪の区別をする力。
親によく仕えること、親を大切にすること。
年長者によく仕えること、年長者を大切にすること。
主君によく仕えること。
言行一致、嘘をつかないこと、正直であること、他人との約束を果たす。

孟子は、欲望に囚われ利益だけを追求して悪事をなす概念を「利」として、
「義」と対立するものとしているようだ。

「親によく仕える」とは、現代なら、家族が仲良く暮らすこととするといいだろう。

「年長者によく仕える」とは、現代なら、年長者の知恵や力を借りる、
あるいは成功者を尊敬し称えるとしたらいいだろう。

また、現代だろうと古代だろうと、
年長者は、年少者に信頼してもらえるだけの徳を持たないと仕えてもらえるはずもない。

「主君によく仕える」とは、現代なら、上司の知恵や力を借りるとしたらいいだろう。

また、現代だろうと古代だろうと、
上司は、規則・刑罰を簡単にする、税を軽くする、知識教育と道徳教育をしないと
仕えてもらえるはずもない。

四端

人間なら誰でも持つ4つの感情、これを大切にすることで徳になる。

惻隠 = 他者を見ていたたまれなく思う心の現れ、やがて仁となる
羞悪 = 不正や悪をしない心の現れ、やがて義となる
辞譲 = 譲ってへりくだる心の現れ、やがて礼なる
是非 = 正しいこととまちがっていることを判断する能力、やがて智となる

王道と覇道

王道とは仁政を行う王者の道
覇道とは武力で民を抑え、武力で諸国を侵略する覇者の道

覇道では民を治めることはできない。

民本

「民を貴しと為し、社稷これに次ぎ、君を軽しと為す」、つまり
国家では人民が最も大切で、次に社稷(国家の祭神)が来て、君主などは軽いということ。

天命

「舜(神話に登場する君主)は、天下を天から与えられて天子となった」

天の意思、天命はどのように示されるのか、天命は民の意思を通して示される。

民がその王を天子と認め(民主主義なら選挙で当選)、
民がその治世に満足するかどうか(再選できるぐらい支持率が高い)によって
天命は判断される。

性善説か性悪説か 

孟子は性善説、

現代の結論では、
どっちかは決められない、それよりどっちでも上手くいく憲法・法律を作る必要がある。

つまり、正直者が利益を得る社会制度が必要ということ。

孟母三遷

孟子の母が子の孟子の教育環境のために三回引っ越しをしたという逸話。

感想

孟子の思想は、民主主義とか選挙という考えがない古代中国の政治思想だから、
現在の日本国にそのまま孟子の思想を当てはめることはできない。

ただ、良いところ

  • 規則を簡単にする
  • 税を低くする
  • 十分な農地を与える(現代なら安心して生活できる最低生活補償)
  • 教育をする
  • 国内の治安を維持する
  • 戦争を止め、侵略で国土を広げない

は取り入れていいだろう。

孟子は仁義を説く理想主義者である。
残念だが、当時の古代中国で孟子の言う通りの政治が行われることはなかった。

孟子の性善説が正しいにしても、
すべての人が完全な聖人ではないのだから、
つまり孟子以外の人間はみな不完全であるから、
このような不完全な人間である君主やその家臣たち支配者側、
同じく不完全な人間の集合である市民社会でも
よい世の中にすることができるのか、
道徳教育だけに頼らずともいい方法は
ないものだろうか。
孟子の提供したその他の案は、十分な農地を与えるということだが。
(正直者が得をする制度を用意するが私の主張)



Mar 13, 2014

市民の倫理、公務員の倫理

(以下の内容は書き改めました)

山岸 俊男 さんの「日本の「安心」はなぜ、消えたのか」に紹介されていたのですが、

「市場の倫理 統治の倫理」(Jane Jacobs (原著), 香西 泰 (翻訳) )には、

市場の倫理として、市民である商人の倫理と
統治者である議員、大臣、公務員の倫理が解説されているそうです。
(私はまだ読んでいませんので、図書館で探してみるつもりです)

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市場の倫理は、

暴力を締め出せ(殺すなかれ)
正直たれ
契約尊重
他人や外国人とも気安く協力せよ(自発的に合意せよ)
競争せよ(目的のために異説を唱えよ)
勤勉になれ
節倹なれ
効率を高めよ
新奇・発明を取り入れよ(創意工夫の発揮、快適さと便利さの向上)
生産目的に投資せよ
楽観せよ

です。

山岸 俊男 さんによれば、市場の倫理の具体例は、石門心学の石田梅岩、近江商人の商人道、松下幸之助、本田宗一郎だそうです。

市場の倫理は、仏教やキリスト教の規範(殺すな、正直、汝の敵も愛せよ=誰とでも協力)を含みます。

松尾 匡さんによれば、市場の倫理は、
お金を媒体とした相互信頼による開放型の個人主義社会とも言えます。

市民・商人が勤勉さを失えば、あっという間に収入が減り没落してしまうでしょう。
ネットの書評では、例として、1980年代の英国病が上げられています。

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統治の倫理は、

目的のためには欺け
復讐せよ
排他的であれ
規律遵守
伝統堅持
位階尊重
忠実たれ
勇敢であれ(剛毅たれ)
名誉を尊べ(見栄を張れ)
運命甘受
余暇を豊かに使え(?)
気前よく施せ(慈善のこと)
取引を避けよ(?)

です。(後で新統治の倫理を紹介します)
山岸 俊男 さんによれば、統治の倫理の具体例は、新渡戸稲造の武士道だそうです。

ネットでの感想・書評によれば、マキャベリズム(マキャベリの君主論)、孫子(古代中国の孫武の兵法書)も統治の倫理に入るそうです。

統治の倫理は、仏教やキリスト教の規範(殺すな、正直、汝の敵も愛せよ=誰とでも協力)を含みません。

統治の倫理は、村社会、マフィアファミリー、ヤクザ一家の身内優先の集団主義社会の倫理とも言えます。

目的のためには欺け」とは、
スパイを使う情報撹乱戦術で敵を弱らせることです、
敵(侵略国)を騙すにはまず味方からという感じですかね。

目的のためには欺け、復讐せよ、排他的であれ」の3つは、
政治のトップ、最高権力者の権力争いで用いられる倫理です。
自由民主党が自由主義でも民主主義でもなくなってきている様子や
選挙前の公約が政権を取るとコロッと変わって原発推進となってしまうことなど
ここでいう統治の倫理に忠実ですね。
復讐とは、江戸時代の仇討ちのことですね。
排他的とは仲間はずれにすること、つまりイジメ体質そのものです。


規律遵守、伝統堅持、位階尊重、忠実たれ」は、
政治権力の組織での二位以下から最下位の下っ端までが守るべき倫理です。
要するに縦割り行政そのものです。だから動きが鈍くなります。
警察の犬とはよく言ったもので、犬のように忠実になれということです。

勇敢であれ、名誉を尊べ、運命甘受」とは、
権力を上り詰める者が備えるべき品格です。
時代劇の武士ヒーローそのものですね。
勇敢=自分の命を投げ出せるくらいでないと戦争=殺し合いはできません。
名誉を尊べとは、日本の武士の恥じの文化=切腹の文化でしょうか。
運命甘受とは、特攻隊精神ですね。

余暇を豊かに使え」とは、
ヨーロッパの貴族はナイト=騎士=軍人であり、
ふだんは訓練も少しはしますが、
ほぼ訓練と称してスポーツで遊んで暮らすから、
余暇は豊かに使うわけです、
戦争の時は、もちろん軍人が命を張ります。
今風に解釈すると、
公務員が張り切りすぎて余計な仕事をすると
権力を振りかざし、息苦しい世の中になったり、
賄賂を要求したりするので遊ばせておけという意味かもしれません。
私なら、遊ばせて給料を支払うくらいなら公務員を削減してもらいたいです。

取引を避けよ」とは、よくわかりませんが、
お金で買わずに戦争で略奪しろということだと思います。

統治の倫理の世界つまり力の政治の世界でボスになるためには、必ず血が流れます。
現代の民主主義では、選挙によって血をできるだけ回避している訳ですが、
それでも権力闘争は熾烈で、誹謗中傷、策謀があります。
現代日本では、特捜検察の登場となり自殺者の出現となります。

参考によれば、統治の倫理は、人間だけではなく動物(犬とかチンパンジーです)も持っていて、
それだからより本能的で原始的です。
市場の倫理は人間しか持たないそうです。

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[著者のJane Jacobsさんから引用]

統治の倫理を使う場所は、軍隊、警察、及び政治権力機構、つまり公務員。
市場の倫理を使う場所は、商業取引と日常生活、つまり一般市民。

利潤の追求を統治の倫理に入れると公務員はすぐ汚職と賄賂で腐敗してしまうそうです。

憲法、法律、規則、つまり政治議論では、その議論と文言の対象が、
市民なのか公務員なのかで倫理を使い分けないと
公務員や独占企業で巨大な腐敗を招く、
しかし使い分けはとても難しいということが、
Jane Jacobsさんの結論です。

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[独自意見]

Jane Jacobsさんの結論の意味を理解できなかった
あるいは受け入れられなかった読者がネット上に半数ぐらいいるようです。

私は受け入れたつもりですが、
統治の倫理は今の民主主義に合わせて書き直すべきと考えています。

族議員、御用学者、原発村、補助金という言葉はだれでも知っています。
その意味するところは、
現状の日本では、少数の者が僅かの献金により利権を維持しやすく、
またその既得権が安定して継続してしまい、
国民全体最適とならないこと(社会的ジレンマといいます)です。

古い日本社会では「仲間の目」が神 = みんなヤバイと思っているが、
仲間から腰抜けとみられるのがいやで言い出せない(空気を読む社会のことです)、
現代の若者も未だに古い日本の社会に住んでいるようです。
つまりいまだに個人主義ではないそうです。
(市場化の時代に見直す江戸期商人道 立命館大学経済学部 松尾 匡 さんより)

私は、日本で社会的ジレンマを招く理由は、
太平洋戦争で作った軍国主義の要である集団主義の体質から
未だに抜けだせないでいる国民の思考パターンを放置してしまう
現行日本国憲法の大きな欠陥が原因である考えています。

市場の倫理と統治の倫理の結論から解ることは、
公務員に金を渡して長期運用させるようなこと(今の日本の年金)をしてはいけないし、
公務員に技術開発(原発開発)、科学研究(御用学者)をさせてはいけないし、
公務員に商売(郵貯とか)をさせてはいけないし、
公務員に補助金配りをさせてはいけない
ということです。

統治の倫理を行う公務員は、猜疑心の強い心理状態で仕事をすることになるので
公務員は人数が少ないほど、あるいは公務員が仕事をしないほど
社会にとって良いと思えます。

つまり、統治の倫理を行うならその公務員が少ない小さな政府こそが、
腐敗のない理想社会の基本です。

そうれば、一般市民が伸び伸びと正直になり互いを信頼し合い、
自由競争が保証された公正な市場で取引をすることが
国の経済繁栄となることとなります。

もし、企業が、統治の倫理を市場の倫理より優先すると、
その企業は、必ず事故を起こします。実例は福島第一原発事故。
身内の都合を優先、外部に不誠実、異論者・告発者を迫害、可能な限り隠蔽を図り、
さんざん叩かれた末、言い逃れができなくなってから頭を下げる、
外部に対して常に責任逃れとなります。

国家の定義を世界で他国と戦争をして領土を奪い取る物と定義すると、
国家権力は、内部も外部=外交も統治の倫理だけで良いのですが、
そうなると戦争を招いてしまいます。
そんな野蛮な時代は終わったし、終わらせると誓ったのが、
今の民主主義の日本国です。

民主主義のための新統治の倫理

ウソをつくな/安全保障機密を除き隠すな
公共政治は多数決/私企業はトップが最終決断
討論では寛容と譲歩
決断が下ったら互いに協力せよ復讐するな、妬むな、恨むな
悪い伝統は捨て良い物は取り入れよ
規律遵守
位階尊重
憲法、法律に忠実たれ(法治国家)
名誉を尊べ(公務員に一流企業並の生活は保証するから、清廉であれ)
勇敢であれ(剛毅たれ)
運命甘受
公平であれ、愛情を持って市民に接するべし
人員削減(不要事業の廃止、組織の簡素化)
減税(政治(私企業では管理業務)は、金儲け、学問研究、補助金配りをしない、経費削減をする)
基本は平和と友好の外交、武力侵略禁止、経済侵略禁止、ただし自衛権あり
自国の信用最優先の応報戦略の外交取引、情報を集めよ、正論を喚起せよ

応報戦略」とは、相手が友好的ならこちらも友好的に、相手が敵対してくればこちらも敵対する戦略。繰り返し型のゲーム戦略で最も単純だが最も効果が高い優秀な戦略であり、一方的にカモられることもない(参考 「社会的ジレンマの仕組み」 山岸 俊男 さん)。

一般的企業は、新統治の倫理を内部組織の管理に使い、
市場の倫理を顧客と市民に向けて用います。
でも、企業は、市場の倫理新統治の倫理より優先しないといけません

日本国の政府には、新統治の倫理が相応しいです。