Dec 20, 2013

自由民主党の日本国憲法改正草案を検討する(3)

(このページは、平成二十六(2014)年四月六日以後、内容を更新しないことにしました。
最新の私の憲法草案はこちらを御覧ください。)

現在の自由民主党の勢力は、日本国憲法改正も可能な段階に近づいて来た。
自分で自由民主党の日本国憲法改正草案を検討することが必要になった。

三回目である。

- 裁判所と司法権 -

司法試験の明記

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(裁判所と司法権)
第七十六条 全て司法権は、
  最高裁判所及び法律の定めるところにより設置する下級裁判所に属する。
2 特別裁判所は、設置することができない。
   行政機関は、最終的な上訴審として裁判を行うことができない。
3 全て裁判官は、その良心に従い独立してその職権を行い、
   この憲法及び法律にのみ拘束される。
4 裁判官、検察官、弁護士は、内閣が実施する司法試験の
   合格者でなければならない。
5 弁護士は、日本国籍を有していなくともよい。
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- 裁判所と国防軍審判所 -

裁判所と国防軍審判所の違いを憲法に書くべきか検討した。

現行憲法の下には、海難審判法があり、
裁判所とは別の海難審判所で、
職務上の故意または過失によって海難を
発生させた海技士・小型船舶操縦士・水先人に
対する懲戒を行っている。

自民草案の国防軍審判所もこれに準じるものであり、
国防軍の条項に
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(国防軍の...罪を犯した)被告人が
裁判所へ上訴する権利は、
保障されなければならない。
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とされているので、司法の章に記載は不要と解る。

- 弁護士と最高裁判所の定める規則 -

弁護士の規則について、自民草案では、
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第七十七条

検察官、弁護士その他の裁判に関わる者は、
最高裁判所の定める規則に従わなければならない。
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と、弁護士にも最高裁判所の定める規則(法律ではない)に
従う義務を課している。

弁護士は民間人であり、
弁護士には、司法権も行政権もなく、
司法権も行政権も立法権もない被告人を
弁護士は、被告人と同じ立場で弁護するべきである。

だから、弁護士の従う規則は、弁護士法で規定するべきであり、
法律ではない最高裁判所の定める規則を、弁護士に適用するならば、
弁護士は、自己に有利に成るよう、最高裁判所におもねり、
被告人の権利をないがしろにするという
恐れが出て来ることになりかねない。

弁護士の中から、
「既に弁護士法には職業倫理規定があるので不要であるはず」
と、反対が起きると思うし、
私は、わざわざ入れる必要はなく、現行憲法でよいと思う。

また、現行憲法の第七十七条の記述に、「弁護士」とあるが、
これも削除してはどうか。
ということで、私は、
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第七十七条 最高裁判所は、裁判に関する手続、
  裁判所の内部規律及び司法事務処理に関する事項について、
  規則を定める権限を有する。
2 検察官は、
   最高裁判所の定める規則に従わなければならない。
3 最高裁判所は、下級裁判所に関する規則を定める権限を、
   下級裁判所に委任することができる。
4 弁護士は、法律で定める職業倫理規定を順守しなければならない。
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裁判官の身分保障 -

権力の私有化を防止するため、裁判官と検察官の任期を八年にする、
また、再任するには一年以上の冷却期間を置く必要があとする。
冷却期間に弁護士をするなり社会勉強をするなりしてもらいたい。
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(裁判官の身分保障)
第七十八条 裁判官は、次条第三項に規定する場合及び心身の故障
  のために職務を執ることができないと裁判により決定された場合を除いては、
  第六十四条第一項の規定による裁判、
  あるいは第七十九条によらなければ罷免されない。
  行政機関は、裁判官の懲戒処分を行うことができない。
2 罷免された裁判官は、裁判官再任命を受けることができない。

(裁判官と検察官の任期)
第七十八条のニ 最高裁判所を含むすべての裁判官及び検察官の任期は、十年とする。
2   ただし、その裁判官及び検察官が裁判中の裁判に限り、
   その任期をニ年まで延長することもできる。
3 任期の延長中の裁判官及び検察官は、新たな裁判に着手することはできない。
4 任期の延長中の裁判官及び検察官の報酬は、少額となる。
5 任期の延長中の裁判官及び検察官は、弁護士業務を行うことができる。
6 任期切れ後の裁判官及び検察官は、一年以上の間、
   裁判官及び検察官の再任命を受けることができない。
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- 最高裁判所の裁判官 -


- 最高裁判所の裁判官と国民審査と報酬 -

最高裁判所裁判官国民審査について、自民草案では、
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最高裁判所の裁判官は、その任命後、
法律の定めるところにより、
国民の審査を受けなければならない。
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としているが、その法律が憲法改正時に無いという問題がある。

そして、自民草案だけでは、国民審査について
どのような目的があるのか想像できない。

最高裁判所の裁判官の報酬について、自民草案では、
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最高裁判所の裁判官は、全て定期に相当額の報酬を受ける。
この報酬は、在任中、
分限又は懲戒による場合及び一般の公務員の例による場合を除き、
減額できない。
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分限又は懲戒で減額されるのは当然である。

一般の公務員の例による場合」とあるが、
国家の最高法規憲法で使う言葉として相応しくない、
例による場合」は、下位の一般法律に使うことが相応しい。
一般人が読んで意味不明を避けるということである。
法律の専門家にしか理解できない言い回しを、
国民すべてが読むべき、
つまり、中学校までに教育するべき、
日本国憲法に書いてはいけない。

自由民主党の目的を、勝手に推測すれば、
一般の公務員の平均報酬と同様、
国家の経済状況に連動して
金額を変更したいということであろう。
そうであれば、大いに賛成である。

アメリカの例で申し訳ないが、
司法権の独立性を維持するため、
裁判官は、在職中、報酬を減額されることはないし、
司法予算は、司法府が編成執行している。

もし仮に、内閣が、個人の裁判官の裁判結果によって
その報酬を上げ下げすることは、
司法権の独立性を侵害することになる。

この自民草案では、司法権を侵害してしまう恐れがある。
したがって、自民草案のここの部分は行き過ぎである。

自由と民主主義を党名にもつ自由民主党が、
三権独立の意義を承知の上で
このような草案を書いているとしたら、
責任政党の風格と富める者の余裕に欠けていると、
指摘されても仕方がない。
自由民主党の再考を期待したい。

ということで、私の案は、
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(最高裁判所の裁判官)
第七十九条 最高裁判所は、
  その長である裁判官及び法律の定める員数のその他の裁判官で構成し、
  その長である裁判官は、内閣が指名に基づいて天皇が任命し、
  その長である裁判官以外の裁判官は、内閣が任命する。
2 最高裁判所の裁判官は、裁判官、検察官、弁護士のいずれかを
   合計で二十年以上経験していなければならない。
3 全ての最高裁判所の裁判官は、その任命後、
   衆議院議員総選挙の際、国民の信任審査に付され、
   信任されなかった裁判官は、罷免される。


(裁判官の報酬)
第七十九条のニ
   最高裁判所及び下級裁判所の裁判官の職位による報酬は、
   最高裁判所が内閣に提示し、内閣が審査し国会へ提出、国会が議決承認する。
2 裁判官は、全て定期に職位の報酬を受ける。
3 この報酬は、在任中、減額できない。
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である。

- 下級裁判所の裁判官の任期 -

現行憲法では、
下級裁判所の裁判官の任期は10年固定である。
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第八十条
その裁判官は、任期を十年とし、
再任されることができる。
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自民草案では、
下級裁判所の裁判官の任期を
別途法律で決めるとしている。
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第八十条
その裁判官は、法律の定める任期を限って任命され、
再任されることができる。
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別途法律が必要であるということなので、
自由民主党の目的が、任期を
5年にしたいのか、20年にしたいのか、
不明である。

自由民主党の目的は、
裁判所組織の新陳代謝を考えて
短くしたいのかもと想像したが、
それは単に配属の問題であり、
任命ではない。

私の案は、任期と報酬はすでに定義したので、ここでは省いてある
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(下級裁判所の裁判官)
第八十条 下級裁判所の裁判官は、最高裁判所の指名した者の名簿によって、
  内閣が任命する。
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- 裁判の費用と期間 -

受益者負担の原則を裁判所の費用にも貫く。

私の案
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(裁判の公開と費用と期間
第八十二条 裁判の口頭弁論及び公判手続並びに判決は、公開の法廷で行う。
2 裁判所が、裁判官の全員一致で、
   公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがあると決した場合には、
   口頭弁論及び公判手続は、公開しないで行うことができる。
   ただし、政治犯罪、出版に関する犯罪
   又は第三章で保障する国民の権利が問題となっている事件の
   口頭弁論及び公判手続は、常に公開しなければならない。
3 裁判官は裁判計画により判決までの予定日程を公開する。
4 ひとつの裁判は二年以内で判決を下さなければならない。
5 二年以内で決着できないと判決された裁判について、
   検察側、あるいは弁護側は、再度、同一裁判所に訴えることができ、
   その裁判の裁判官は、以前とは別の裁判官でなければならない。
6 裁判の参加者は慎重かつ遅滞なく裁判を行わなければならず、
   裁判が遅延するときは、裁判官の承認を得なければならない。
7 この憲法公布後の裁判のすべての判決文書は、
   電子的方法で国民に永続的に公開され、
   裁判官審査のため裁判官名で検索できる。
8 この憲法公布以前の裁判のすべての判決文書は、
   最高裁判所の裁判官のものから順次
   電子的方法で国民に永続的に公開され、
   裁判官審査のため裁判官名で検索できる。
9 この憲法公布後の公開法定の口頭弁論及び公判手続は録画され、
   電子的方法で国民に永続的に公開される。
10 受益者負担の原則に鑑み、裁判にかかった裁判所の費用は、
   原告と被告で分担しなければならず、
   裁判官が費用の分担額を確定する。
   もし、原告または被告が支払えない場合は、
   その当人の国への負債とされる。


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- 財政の健全性 -

自民草案では、
財政の健全性について文言が入った
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第八十三条 2 財政の健全性は、
法律の定めるところにより、確保されなければならない。
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が、しかし、
健全性の定義は下位の法律で決めることになる。

実際どうするつもりなのだろうか、
自由民主党の体質は、放漫財政で歯止めが効かない、
民主党はさらに上を行く放漫財政の体質だった、
だからとても心配である。

今の実際の国家の累積債務は、財部 誠一氏によると
http://www.takarabe-hrj.co.jp/clockabout.html
960兆円以上ある
日本の税収は、調べてわかるが、わずか、39兆円である。

年収390万円の父親が、
借金9,600万円をかかえて、
家族を養っている
ようなものである。
これでは、貧乏の落ちぶれ家庭である。

たとえ利息なしとして
毎年、3兆円返しても
320年かかるのだ。

利息がつけば、
ほぼ永久に返すことは
できないのだ。

つまり、
常識では債務返済の目処が
立たないのである。

正常な人間なら、
・賢明に懸命に働いて収入を増やす
・支出を減らす
のだが、、、いや、そもそも返す当てのない借金をしないはず。

政府は、商品やサービスを売っているわけではない。

住民票の発行など、
今やコンビニでもできるので
窓口業務の仕事は、無くなりつつある。

人に直接サービスする、現業の人間、
警察官や自衛隊員や学校教員が、
実際の仕事をしている。

役人の大半は、現業でなく、
書類だけで仕事をするペーパー役人である、
自分で道路を整備するとか、
ゴミを集めるとか、
額に汗して働く本当の仕事=現業をすることはない、
現場の監督さえも委託するので、
発注を出すだけ、
作業完了を部屋で待つだけである。

政府のペーパー役人は、懸命に働こうが働かまいが、
税収は、ほとんど変わらない。

税収は国民の所得で決まり景気で上下する。
この税収は、歳出の半分程度と冴えない。
ここ数十年政府のペーパー役人がいくら頑張っても
景気が上がったことはない。

ペーパー役人がヘタな知恵で補助金をばらまくことを見つけ、
仕事にしてもらうと、
窓口業務の人件費と手数料をかけてしまうし、
何より国民は、僅かの補助金のために
余計な時間コストをかけてしまうことになる。
これは、社会の効率=生産性を阻害する。
つまり、補助金は、無駄が二重にも三重にもあるのだ。

ペーパー役人は、少なければ少ないほどいい。

コンピュータと通信が発達した今、
ペーパー役人の多くの業務は機械化できる。
だから、そして今からどんどん削減できる。
でも、終身雇用を目的に役所に就職した人を即時解雇することは難しい。
だから、何もしない部門へ配置転換して給与削減をするしかない。

ペーパー役人として実のある仕事は、
法案を作成することである。
こちらは、内閣の下ではなく、
国会の下に機能を移し、
担当官は、広く公募制でよい。

ペーパー役人は、何ももしないほうが、
財政の健全性は改善するのであり、国民の役に立つ。

その昔、
私自身が「役人は何もしない」と馬鹿な文句を良く言ったし、
当時の世の中にもそういう言葉も溢れていた。
しかし、冷静に考えると
「役人(特にペーパー役人)は何もしない」ことが、
国民にとって吉報なのだ。

現業の役人の代表が、警察、国防軍、裁判官である。
彼らは、争い事を沈め調停する実権力を発揮する。

世の中の争い事が多ければ、多いほど、
警察、国防軍、裁判官を増やす必要がある、
つまり税と時間を無駄に浪費することになる。

国民は下らない争いをせず、
ゲスなマスコミのアオリ記事に乗せられず
自主的に法を順守し、
争いに興味を示さないことである、
民主政治の原則、寛容、譲歩、協力をすることで、
争い事から逃れて、お金=税と時間を節約できる。

人間がするべきことは、
醜い争い事ではなく、
幸福の追求であり、
ルールに従う楽しい競争 = ビジネス = 勤労であり、
スポーツ、芸術を楽しみ、
学問に励み子弟を教育することである。

国としても戦争はもっとも馬鹿げた行為であり、。
とくに侵略戦争は、人類史の中ですべて敗退である。

何か、商品やサービス、例えば、
・電力やガソリン販売の国有化と料金値上げ
・高校の高額有料化
で借金を返す方法も理論としてありうるが、
税を増やせばいいだけだから、
また、政府の商法は、
赤字を招く事あるいは停滞を招く事は
歴史が証明しているから、
この方法は、とられてはいけない。

支出総額を減らすことは、
自民党も民主党もまったくできない。
唯一、小泉政権のときだけ、僅かな金額だが成功した。

支出削減は、
・公務員給与削減
・公務員の解雇
・補助金停止と削減
・事業廃止と削減、あるいは民営化
である。

いずれも、既得権を持つ抵抗勢力が強すぎて、
簡単に短期間では、削減できない。

公務員給与削減には、年功序列を廃止して、
職務に応じた固定給とし、
上級職登用は、総枠人数制限と試験のみとしなければならない、
民間企業では試験の回数まで制限される、
例えば、3回までに合格しないともう昇進できなくなる
が、これも徐々にしか改革はできないだろう。

民営化で机上の空論で可能なことは、
・大学と高校の民営化
・国立研究所の民営化
ぐらいだろう。

だから、最後は、非常識な手段しか残らない。
それは、
・借金の借り換え、
・借金の踏み倒しか
・国民から強制徴収して返す
である。
そしてそれらは、もう実施されていてる。

借金の借り換えとは、
・借金の返済を猶予してもらうこと
・別人から新たに借金して、古い借金を返すこと
これでは借金はさらに増えていくだけである。
将来の返済額を減らすには、金利の低い借金を新たに借りることになる。
しかし、金利の低い借金を貸してくれるお人好しは、
日本銀行しかいない。
実際、日本銀行が国債を買っているのだ。

借金の踏み倒し方は、
・優しいものなら、債務の利息はなしと法律で決める
  (債権者が貧乏になる、財産権の侵害の恐れがある)
・厳しいものなら、債務そのものをなし法律で決める
  (債権者が破産する、財産権の侵害でできない)
・インフレ=物価上昇を起こして債務を相対的に減らす
  (全員が貧乏になる)
である。
できることは、現行憲法に触れない踏み倒し方法ならインフレ策しかない。

あるいは、国民から強制徴収なら、
・税率を上げる
・税の補足率を向上させる
である、
だから、
・全員から平等に取れる消費税を上げる
・所得税の税率もいずれ上がる
そして、実際に
・消費税の税率が、5%から、8%そして10%に
・上場株式等の譲渡所得等及び配当所得の税率が10%から20%に
・軽自動車税
が上がる。憲法に触れないなら強制徴収は増税策しかない。

財政の健全性を確保することは、
すでに健全でない、それも重病で火だるまだから、もうできないのだ。

どうがんばっても、財政の健全性を向上させることしかできない。

- 租税と支出と予算にアメとムチ -

私は、税が少ない小さな政府が好きである。

財政の健全性を向上させるには、アメとムチを憲法に書き込むしかない。

私の案
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第七章 財政

(財政の基本原則)
第八十三条 国の財政を処理する権限は、
  国会の議決に基づいて行使しなければならない。
  地方自治体の財政を処理する権限は、
  地方自治体の議会の議決に基づいて行使しなければならない。
2 国又は地方自治体その他の公共団体の財政の健全性は、
   法律の定めるところにより、確保されなければならない。

(日本銀行の独立)
第八十三条の二
   日本国民は、通貨を独占して発行する日本銀行を、
   議会、内閣、裁判所から独立して設置する。
2 日本銀行の総裁は、議会の同意を得て内閣が任命し、任期は五年とする。
3 国及び地方自治体及びその他の公共団体は、
   日本銀行にのみ融資を依頼できる、
   ただし、担保条件は無担保に限り、
   利子条件と返済期限は有利子かつ期限は最長四年とする。
4 及び地方自治体及びその他の公共団体は、
   この憲法公布前の債務についてのみ、
   日本銀行に無担保無利子無期限の借り換えを依頼できる。
 日本銀行は独自の判断で、
    及び地方自治体及びその他の公共団体への融資の可否を決定できる。
6 日本銀行は及び地方自治体及びその他の公共団体への債権を
    転売してはならない。
7 日本銀行は市場から株式・債権を購入・売却できるが、
   民間企業の経営に干渉することはできない。
8 日本銀行のその他については法律で定める。

(租税法律主義)
第八十四条 租税を新たに課し、又は変更するには、
  法律の定めるところによることを必要とする。
2 国民の財産合計に対する国の租税合計額の上限は、法律で定める。
3 租税科目は、すべてその使用目的を法律で明らかにしなければならず、
   使用目的を絞ることをもって良しとし、目的外の利用は禁止する。
4 受益者負担の原則に鑑み、租税科目の税額及び税率は、
   受益額による平等性及び科学的合理性及び経済合理性を
   満たさなければならない。
5 国民の財産負担及び事務負担を軽減し、
   国際的に優秀な国家として投資を呼びこむため、
   国は、租税科目の削減、及び、租税の税率を低くすること、
   及び、税額計算の単純化、同時に国の債務を増やさないことに
   努めなければならない。
6 国の債務を増やさず国民の財産負担及び事務負担の軽減を達成できた場合は、
   その金額の一部を報奨金として公務員に支給する。
    反対に、債務または国民の財産負担または事務負担が増えた場合は、
   その金額の一部の額相当を公務員の給与から減額する。
   報奨金及び減額の額と対象者等については法律で定める。
7 最低所得の保障は年金で行い、所得の再分配を所得税で行ってはいけない。
8 所得及び財産の多い者の博愛精神に頼り、
   所得税及び贈与税及び相続税の税率を所得及び財産の多い程
   多くの率で負担することは許されるが、
   国民の勤労意欲を失わないように最高税率は40%以下、
   最高税率と最低税率の格差は二倍までとし、
   また国家の国際的優位性を保つようにしなければならない。
9 地方自治体その他の公共団体においてもこの規定を準用する。

(国費の支出及び国の債務負担)
第八十五条 国費を支出し、又は国が債務を負担するには、
  国会の議決に基づくことを必要とする。
2 国の累積債務の上限と当年度の債務の上限は法律で定める。
3 国の支出は予算額より少額となることに務めなればならない。
4 支出が予算額より少額となった場合は、
   その金額の一部を報奨金として公務員に支給し、
   残金を債務の返済に当て、それでも残った残金は翌年度に減税する。
   反対に支出が予算額より高額となった場合は、
   その金額の一部の額相当を公務員の給与から減額する。
   報奨金及び減額の額と対象者等については法律で定める。
5 国は、銀行業、証券業を行ってはならない。
6 国は公金を日本銀行に預金しなければならない。
7 国は公金及び公の財産を用いて利殖してはならない。
8 国は、民間企業の株式及び債権を購入してはならない。
9 国は、保有している民間企業の株式及び債権を日本銀行にのみ売却できる。
10 国は、株式及び債権を保有している民間企業の経営に干渉してはいけない。
11 国は、国益のため税収の一部を外国政府及び国際機関へ贈与及び借款することができる。
12 国は、外国政府及び国際機関へ供与した借款を転売してはならない。
13 地方自治体その他の公共団体においてもこの規定を準用する。

(予算)
第八十六条 内閣は、毎会計年度の予算案を作成し、国会に提出して、
  その審議を受け、議決を経なければならない。
  国会は予算案の金額を変更して可決することができる。
2 内閣は、毎会計年度中において、
   予算を補正するための予算案を提出することができる。
3 内閣は、当該会計年度開始前に第一項の議決を得られる見込み
   がないと認めるときは、暫定期間に係る予算案を提出しなければならない。
4 毎会計年度の予算は、法律の定めるところにより、
   国会の議決を経て、翌年度以降の年度においても支出することができる。
5 国会で議決された予算案は、内閣総理大臣が署名して成立する。
6 経済成長及び物価上昇を加味した後、予算額が前年度より少額となり、
   さらに債務が前年度より増えていない時は、
   その一部を報奨金として公務員に支給する。
   反対に予算が前年度より高額となったとき、
   あるいは債務が前年度より増えた時は
   その金額の一部の額相当を公務員の給与から減額する。
   報奨金及び減額の額と対象者等については法律で定める。
7 地方自治体その他の公共団体においてもこの規定を準用する。

(予備費)
第八十七条 予見し難い予算の不足に充てるため、
  国会の議決に基づいて予備費を設け、
  内閣の責任でこれを支出することができる。
2 全て予備費の支出については、内閣は、
   事後に国会の承諾を得なければならない。
3 予備費は予算案に含めなければならない。
4 地方自治体その他の公共団体においてもこの規定を準用する。
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- 公の財産の支出及び利用の制限 -

自民草案は、
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第八十九条 公金その他の公の財産は、
  第二十条第三項ただし書に規定する場合を除き、
  宗教的活動を行う組織若しくは団体の使用、
  便益若しくは維持のため支出し、又はその利用に供してはならない。
2 公金その他の公の財産は、
   国若しくは地方自治体その他の公共団体の監督が及ばない慈善、
   教育若しくは博愛の事業に対して支出し、
   又はその利用に供してはならない。
-------------------------------------------

現行憲法は、
-------------------------------------------
第八十九条 公金その他の公の財産は、
  宗教上の組織若しくは団体の使用、
  便益若しくは維持のため、
  又は公の支配に属しない慈善、
  教育若しくは博愛の事業に対し、これを支出し、
  又はその利用に供してはならない。
-------------------------------------------
である。

違いの問題点は、「公の支配に属しない」と
監督が及ばない
である。

現在の国家の放漫財政の最たるものは、補助金である。

補助金とは、集めた税金を国民へ対価を得ずに支払うことである。
税金を集める手間、
補助金を配る手間、
国民も補助金を申請する手間、
補助金を受け取る手間がかかる
無駄である。

補助金を廃止し、関係する役人を配置転換すれば、
それだけ減税することもできて
国債の償還もできて
健全財政に貢献する。

従って私の案は、対価を得ない補助金を禁止するためずっと厳しい。
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第八十九条 公金その他の公の財産は、
   清廉にして公平に支出され利用に供されなければならない。
2 公金その他の公の財産は、
    国若しくは地方自治体その他の公共団体の直接支配が及ぶ慈善、
    教育若しくは博愛の事業に対して支出され、
    又はその利用に供されることができる。
 公金は、
    国若しくは地方自治体その他の公共団体の監督が及ぶ慈善、
    教育若しくは博愛の事業に対して支出されるには、
    公開入札を行い事業者を選定しなければならず、
    相当する 労務の提供、相当する対物、
    相当する権利、あるいは相当する対価を得なければならない。
 公金は、
    国若しくは地方自治体その他の公共団体の
    直接支配が及ばないあるいは監督が及ばない事業に対して
    支出できない。
 公金は、
    宗教的活動を行う個人、組織若しくは団体の使用、
    便益若しくは維持に対して
    支出できない。
  公金を除くその他の公の財産を、
    第二十条第三項ただし書に規定に該当しない場合に限り、
    国若しくは地方自治体その他の公共団体の
    直接支配が及ばないあるいは監督が及ばない事業に対して
    その利用に供することができる、
    その場合、相当する対価を徴収しなければならない。
7 公金を除くその他の公の財産を、
    第二十条第三項ただし書に規定する場合に限り、
    宗教的活動を行う個人、組織若しくは団体の使用、
    便益若しくは、又はその利用に供することができる、
    その場合、相当する対価を徴収しなければならない、
    ただし、公の財産を濫用してはならず、
    速やかに国民に明細を公開しなければならない。
8 公金を用いて学問の研究をする場合は、
    その成果は公の財産としなければならず、
    可能な限り有の特許財産として登録しなければならない。
9  国若しくは地方自治体その他の公共団体の
    直接支配もしくは監督が及ぶ慈善、教育若しくは博愛の事業は、
    法律で定める。

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私の案の、第八十九条の本体は、道徳規定。

私の案の、第八十九条の2は、道路や生活保護や警察や国防を指す。

現在の日本国憲法の下では、
補助金は国の直接支配が及ぶ慈善事業扱いで、
一円まで使途を管理されているはずであるが、
私の意見は、そもそも補助金は不要ということ。

私の案の、第八十九条3、4 は、不明朗な補助金を禁止している。

私の案の、第八十九条5は、儀礼的なお祓いの神主さんに公金を渡してはいけないことを示す。
神主さんら宗教関係者は、慈悲深く無償で政府の儀式をサポートしなければならない。

私の案の、第八十九条6は、政府の設備を有料なら貸してもいいことを示す。
私の案の、第八十九条7は、政府主催の儀礼的なお祓いであれば、
神主さんに場所や設備を貸してもいいことを示す。
私の案の、第八十九条8は、特許を取ることを義務つけて科学技術立国の基礎とすること。

私の案の、第八十九条9は、慈善事業とは何かを法律で決めなさいということ。


- 決算の承認等 -

自民草案は、現行憲法の不明確なところを正している。
私も賛成である。
ただし、会計検査院は内閣ではなく議会の下に移動するので、
文言は簡単になる。

(自民案)
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(決算の承認等)
第九十条 内閣は、国の収入支出の決算について、
  全て毎年会計検査院の検査を受け、法律の定めるところにより、
  次の年度にその検査報告とともに両議院に提出し、
  その承認を受けなければならない。
2 会計検査院の組織及び権限は、法律で定める。
3 内閣は、第一項の検査報告の内容を予算案に反映させ、
   国会に対し、その結果について報告しなければならない。
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(私の案)
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(決算の承認等)
第九十条 内閣は、国の収入支出の決算について、
  全て毎年、議会の会計検査院の検査を受け、法律の定めるところにより、
  次の年度にその検査報告とともに両議院に提出し、
  その承認を受けなければならない。
2  内閣は、第一項の検査報告の内容を予算案に反映させ、
   国会に対し、その結果について報告しなければならない。
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- 財政状況の報告 -

自民草案は、内閣の報告先から、国民が無くなり、
国会だけになっている。
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第九十一条 内閣は、国会に対し、定期に、少なくとも毎年一回、
  国の財政状況について報告しなければならない。
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私の案は、現代の技術インターネットを使えばよいと思う。
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第九十一条 内閣は、国会に対し、定期に、少なくとも毎年一回、
  国の財政状況について報告し、
  速やかに国民に公告しなければならない。
2 公金の使途は、科学技術を使用した電子送り状にて追跡し、
   国民に公告しなければならない。
   電子送り状に関する事項は、法律で定める。
3 地方自治体においてもこの規定を準用する。
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- 地方自治 -

自民草案には、地方自治の本旨、
地方自治体の種類、国及び地方自治体の協力等が
盛り込まれた、とても素晴らしい感激である。

また、自民草案には、地方自治体の議会及び公務員の直接選挙が
明示され、
当該地方自治体の住民であって日本国籍を有する者が直接選挙
とされている。
これこそ、正に必要なことである。嬉しい。さらに追加した。

私の案
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(地方自治体の議会及び公務員の直接選挙)
第九十四条 地方自治体には、法律の定めるところにより、
  条例その他重要事項を議決する機関として、議会を設置する。
2 地方自治体の長、議会の議員及び法律の定めるその他の公務員は、
   当該地方自治体の住民であって日本国籍を有する者が直接選挙する。
3 地方自治体の長、議会の議員、指名される公務員
   及び法律の定めるその他の公務員は、
   当該地方自治体の住民であって日本国籍を有する者とする。
4 地方自治体の議会は、自治調査局を持つ、
   自治調査局は自治状況の調査を行い条例案の作成支援を行い、
   自治調査局の定員は議員数の四倍までとする。
   議会選挙後、議会は速やかにそれまでの自治調査局員を解職し
   公募にて新たな自治調査局員を選定する。
   選定された者の公募試験と応募論文及び憲法への宣誓文は公開しなければならない。
   解職された自治調査局員も再応募できる。
5 地方自治体の議会は、会計検査局を持つ、
   会計検査局は地方自治体の会計を監査し、
   不正があれば懲戒、逮捕、起訴を行える検事を持つ、
   議会選挙後、議会は速やかにそれまでの会計検査を解職し
   司法資格者から公募にて新たな会計検査選定する。
   解職された会計検査も再応募できる。
   議会の会派毎に会計検査検事の人数を割り当てを行うことができる。
6 当選した地方自治体の長は、
   速やかに地方自治体の局長及び部長級以上の政治任用職を解職し、
   公募にて新たな政治任用職を選定する。
   解職された政治任用職も再応募できるが、
   同一の政治任用職の任期は連続して八年までとする。
   選定された者の公募試験と応募論文憲法への宣誓は公開しなければならない。
   政治任用職の公募に関するその他の事項は、法律で定める。
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- 地方自治体の権能 -

自民草案から、地方自治体の財産の管理権能と
行政を執行する権能が消えている。

私には、財産の管理権能と
行政を執行する権能を奪った目的が判らない。

ここは、現行憲法に合わせるべきである。

私の案
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(地方自治体の権能)
第九十五条 地方自治体は、その財産を管理し、
  その事務を処理し、及び行政を執行する権能を有し、
  法律の範囲内で条例を制定することができる。
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- 地方自治体の財政及び国の財政措置 -

自民草案には、地方自治体の財政及び国の財政措置が明記された。
素晴らしいことである。

そもそも現行憲法には規定そのものがなかったのだ。

しかし、まだ不十分と思われるため、
私の案では、(すでに説明済の)第八十三条から第八十六条に
地方自治体の説明も盛り込み済である。

そして、第九十六条は、次のようになる。
私の案
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(地方自治体の財政及び国の財政措置)
第九十六条 地方自治体の経費は、
  条例の定めるところにより課する地方税その他の自主的な財源をもって
  充てることを基本とする。
2 活動範囲が登記された地方自治体を超える法人の国税は、
   経済合理性があり国の計算の手間をもまた簡略できる方法にて、
   一定割合を地方自治体に交付されなければならない。
3 国は、地方自治体において、前項の自主的な財源だけでは
   地方自治体の行うべき最低限度の役務の提供ができないときは、
   法律の定めるところにより、必要な財政上の措置を講じなければならない。
   ただし、国からの財政支援は、地方自治体の債務となる。
4 国は地方自治体に役務を委託する場合は、
   その費用を支払わなければならない。
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- 地方自治特別法 -

自民草案には、地方自治特別法が明記された。
素晴らしいことである。

- 緊急事態 -

自民草案は、
国防軍が緊急事態に対応する最上位の手順を決めている。

特に問題はなかった。賛成である。

- 改正 -

自民草案は、
憲法改正の要件が緩和され、
両院の過半数の賛成と
国民投票の過半数となった。

憲法が簡単に変更できることは、
好ましくないという意見が巷に数多くあるが、
好ましいときもあるとも言えるし、、、。

私は、自民草案でよいと思う。

- 第九十七条の廃止 -

現行憲法の、実際には、規則でない第九十七条
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第九十七条 この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、
  人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、
  これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ、現在及び将来の国民に対し、
  侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。
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が、自民草案からは消えている。

自由( = 基本的人権)の大切さを訴える内容だが、
私の前文案であれば、第九十七条の意味するところが、
含まれると思うので、
私も第九十七条は削除することにしたい。

- 改正議論の推奨と憲法尊重擁護義務の常識化 -

可決割合は、元々は3分の2、自民案は過半数
私は、六割と党議拘束の解除義務

私の案
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第十章 改正

第百条 この憲法の改正は、衆議院又は参議院の議員の発議により、
  両議院のそれぞれの総議員の六割の賛成で国会が議決し、
  国民に提案してその承認を得なければならない。
  ただし、憲法改正議決では、
  政党はその所属議員に党議拘束をかけてはならない。
  この承認には、法律の定めるところにより行われる国民の投票において
  有効投票の過半数の賛成を必要とする。
2 憲法改正について前項の承認を経たときは、
   天皇は、直ちに憲法改正を公布する。
3 国民は、この憲法こそが国家発展の根本であると認識し、
   憲法が時代とともに変遷する国民の要求に適合しているかを確認し
   必要とあればいつでも、あるいは公布後十六年を経過したら、
   その改正の議論を行わなければならず、
   公布後三十二年以内に改正あるいは再公布をしなければならない。
4 万物は生々流転する、この憲法は、国民が変化を恐れずに変化に対応して
    憲法、法律、規則を点検し改正することで、一層幸福となることを願う。
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憲法尊重擁護義務は、誤解される恐れあり。
尊重と擁護があり、遵守がないのは奇妙。
改変を認めない意味合いのある語句、擁護は奇妙。

私の案
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(憲法尊重遵守義務)
第百二条 全て国民は、この憲法を尊重し遵守しなければならない。
2 国会議員、国務大臣、裁判官その他の公務員は、
   その職務においてこの憲法を遵守する模範となる義務を負う。
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- 附則 - 

自民草案では、下級裁判所の裁判官の任期をいじったため、
移行時の取り扱いを附則にまとめている。

私の場合は、任期をいじらないので、この附則は不要になる。

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以上で、自由民主党の日本国憲法改正草案の検討を終える。

この後、自分の考えた案を整理してまとめる予定。