Jan 17, 2014

最初の貸し手とは

最初の貸し手の話が、検索ではなかなか見つからなかった。
だが、最初の貸し手から始めないと、お金の正体は判らない。

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現在の日本では、お金とは、日本銀行券のことである。
日本銀行券とは、壱万円札とか五千円札とかのことだ。
500円玉とかのコインも含めて良い。

日本銀行は、日本国の中央銀行で、
日本国の通貨である日本銀行券を発行する特権を持っている。

日本銀行の公理:
日本銀行だけがお金を発行できる。

では、最初に日本銀行だけがある日本国を考えよう。

日本銀行は壱万円札を沢山持っているが、
ただ持っているだけだ。何も起きない。

そこで、
東京三菱UFJ銀行(長いからT銀行と呼ぶ)がいるとする。

日本銀行はお金をT銀行に貸すことができる。
T銀行は、日本銀行から10,000円を借りたとする。
このお金は期日までに利息をつけて返す必要がある。
ここでは、一週間後100円の利息を付けて返すとしよう。

しかし、まだ日本には、日本銀行とT銀行しかいない。
T銀行は一週間後お金を返すことができるでしょうか。
正解は、「このままでは、できない」である。
なぜなら、T銀行は日本銀行に渡す利息を作ることができないからである。

詳しく言うと、
T銀行はもともとお金を持っていなかったから、
日本銀行から借りて初めて10,000円持てた。
そして、もしT銀行が利息を作ると通貨の偽造となり法律違反である。

ではT銀行はどのように利息を作るか、
実は、誰かに10,000円を貸すのである。
ここでは直ちにA社に10,000円を貸し、6日後に利息200円をもらえる契約にする。

しかし、まだ日本には、日本銀行とT銀行とA社しかいない。
A社は6日後にお金を返すことができるでしょうか。
正解は、「このままでは、できない」である。
なぜなら、A社はT銀行に渡す利息を作ることができないからである。

詳しく言うと、
T銀行はもともとお金を持っていなかったから、
T銀行から借りて初めて10,000円持てた。
そして、もしA社が利息を作ると通貨の偽造となり法律違反である。

だが、物を売る商売で利益を出せばいいのでは、と考える人もいる。
そこで、A社は、自社の山で狩りをして野牛を捕獲しその肉をB社に売るとしよう。

ところが、B社も同様にまだ一円も持っていないのだ。
だから、B社は肉を買えないのだ。

そこで、T銀行は、日本銀行からさらに10,000円借りて、
一週間後に利息100円とともに返すことにして、
この10,000円をB社に6日後に利息200円ということで貸す、
B社は、A社の野牛肉を、400円で買ったとする。

ここまで整理すると

((初日))
[日本銀行]--(貸し 10,000円)->[T銀行]--(貸し 10,000円)->[A社]
[日本銀行]--(貸し 10,000円)->[T銀行]--(貸し 10,000円)->[B社]
[B社]--(支払い 400円)->[A社]

残金:[T銀行]:     0円
残金:[A社  ]:10,400円
残金:[B社  ]: 9.600円

ここまで来ると、世の中(市場と呼ぶ)には、合計 20,000円しかないことも解るだろう。

そして、6日後、
A社は、T銀行に元金10,000円と利息200円を返却できて、残金200円が残る。
だが、B社は返却できず倒産する

((6日後))
残金:[T銀行]:10,200円
残金:[A社  ]:   200円
残金:[B社  ]: 9.600円(倒産!)

翌日の一週間後、
T銀行は、日本銀行に元金合計 20,000円と利息合計 200円
総合計 20,200円を返却できず倒産する

((一週間後))
残金:[T銀行]:10,200円(倒産!)
残金:[A社  ]:   200円
残金:[B社  ]: 9.600円(倒産!)

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以上が、一円までに厳格なお金の世界でありうることである。

日本銀行の定理1:
日本銀行からお金を貸すだけでは、
市場の普通銀行と会社と個人のどこかは、
必ず倒産する。
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日本銀行は、
日本の市場に流れている通貨の貸出元であり、
最初の貸し手」である。

そして日本銀行は、最初の貸し手として、
市場にどれだけの現金があるか当然把握している。

通貨が偽造されない以上、市場にあるお金の総量は変わらないのだ。
それなのに、返済時に日本銀行が利息を求めてもそれは不可能である。

上記の、借金と融資の話をいくら複雑に続けても、
日本銀行に返済時戻ってくる総額のお金には利息は絶対につかないのだ。

そして、どこかの会社や個人が倒産と破産をして、
連鎖倒産して、銀行も倒産する。

(円だけで考えているから、絶対と言えるし、
 円で借りたものは円で返さなければ意味が無いことも事実である)

だから、
日本銀行が利息を要求してT銀行に貸し出すだけでは、
T銀行に不可能を押し付けていることになり、
不可能を相手に押し付けることは道徳的にオカシイから
このままでは、法律以前の問題として、日本銀行は不道徳と言える。

が、現実は基準割引率および基準貸付利率
(2006年までは公定歩合と言った)という利率で銀行に貸出が行われている。

どのようにすれば、日本銀行を道徳的にできるのだろうか。
その理由を次回考えよう。
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世界にはイスラム銀行というものがあり、
この銀行は道徳=イスラム教の教えにより利息がつかない
(もっともその由来説明を見ると高利貸しを禁止するためから導入されたようだが)

しかし、
たとえイスラム銀行のように利息を付けなくとも、
上記の議論をもう一度やり直せば、
B社とT銀行が倒産することに変わりはない。
(各自考えなおしてみるとよいだろう)

日本銀行の定理1の系:
たとえ金利が0%でも
日本銀行からお金を貸すだけでは、
市場の普通銀行と会社と個人のどこかは、
必ず倒産する。
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実際には、B社のように倒産する一般の会社は多々あるが、
例のように倒産する銀行は、めったに聞かない。

銀行が倒産しない理由は、
銀行を利用している人が膨大であり倒産による混乱が大きいので、
日本銀行と政府が倒産させないように、
不足した資金をどんどん貸し付けたり、
自動的に利益が出る方法を認めているからである。

倒産とはどういうことか、
倒産とは、支払うべきお金が無いことを指す、
たとえ一億円の現金があっても、
一億一円の支払いができなければ倒産である。
倒産すると、債権者=つまり貸出しをしている者は
優先的にその者の財産を没収できる、
が、当然ながら、貸し出したお金と金利の一部しか取り返せない。


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