Jan 18, 2014

日本銀行が道徳的になるための方法

最初の貸し手とは」では、

日本銀行の公理:
日本銀行だけがお金を発行できる。

日本銀行の定理1:
日本銀行からお金を貸すだけでは、
市場の普通銀行と会社と個人のどこかは、
必ず倒産する。

以上を説明した。

さらに、
日本銀行が利息を要求してT銀行に貸し出すだけでは、不道徳である
とした。
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今回は日本銀行が、道徳的になるための方法を考える。

結論から言えば、次の三点を行うと道徳的になれる。

(1) 日本銀行が行員に給与を支払う
(2) 日本銀行が、設備等の物を購入する
(3) 給与額と購入価格分以下の利息を貸出先銀行に求める

給与は行員の労働への対価である。
設備等とは、机椅子などの家具、事務用品、
コンピューター、電話代、建物、などなど色々ある。

給与額と購入価格の分だけ、市場には現金が流れていく。
であるから、「最初の貸し手とは」で説明した例で言えば、
日本銀行がT銀行に貸し出した資金より多くの資金が市場にある。

したがって、
T銀行は、努力次第で顧客群から利息込みで資金を回収できる
つまり、T銀行は、日本銀行へ期日まで返却できる。

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日本銀行の定理2:
日本銀行は、民間銀行に資金を貸し出すだけでなく、
日本銀行の行員の給与を支払い、
銀行設備などを購入することで
市場に資金を供給すれば、
日本銀行から貸し出す資金を民間銀行から回収できることが
理論的に可能になる。

もう少し具体的に見てみよう

日本銀行の行員をP氏とする。

日本銀行は、行員P氏に、給与1,000円を支払った。
また日本銀行は、B社から、家具一式を、2,000円で購入した。
また日本銀行は、T銀行に、20,000円を一週間の期限で利息200円で貸出しをした。
T銀行は、A社に、10,000円を6日間の期限で利息200円で貸出しをした。
T銀行は、B社に、10,000円を6日間の期限で利息200円で貸出しをした。
B社は、A社の野牛肉を、400円で買った。

((初日))
[日本銀行]--(給与  1,000円)->[P氏]
[日本銀行]--(代金  2,000円)->[B社]
[日本銀行]--(貸し 10,000円)->[T銀行]--(貸し 10,000円)->[A社]
[日本銀行]--(貸し 10,000円)->[T銀行]--(貸し 10,000円)->[B社]
[B社]--(支払い 400円)->[A社]

残金:[P氏]  : 1,000円
残金:[T銀行]:     0円
残金:[A社  ]:10,400円
残金:[B社  ]:11,600円

翌日、P氏は、A社の野牛肉を、400円で買った。

((翌日))
[P氏]--(支払い 400円)->[A社]

残金:[P氏]  :   600円
残金:[T銀行]:     0円
残金:[A社  ]:10,800円
残金:[B社  ]:11,600円

6日後、
A社は、T銀行に元金10,000円と利息200円を返却できて、残金  600円が残る。
B社は、T銀行に元金10,000円と利息200円を返却できて、残金1,400円が残る。

((6日後))
[A社]--(返済 10,200円)-> [T銀行]
[B社]--(返済 10,200円)-> [T銀行]

残金:[P氏]  :   600円
残金:[T銀行]:20,400円
残金:[A社  ]:   600円
残金:[B社  ]: 1,400円

翌日の一週間後、
T銀行は、日本銀行に元金 20,000円と利息 200円を返済する。

((一週間後))
[T銀行]--(返済 20,200円)-> [日本銀行]

残金:[P氏]  :   600円
残金:[T銀行]:   200円
残金:[A社  ]:   600円
残金:[B社  ]: 1,400円

ということで、P氏、T銀行、A社、B社の誰も破産も倒産もしなかった

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ここまで考えると、
もし、肉屋のA社から誰も肉を買わないとA社が倒産することが解る。
A社が倒産すると、この話の流れでは、T銀行も倒産する。

つまり、T銀行は、貸出をするときに、
A社やB社の商売は、着実に売上が上がる信頼できる商売だ」と
確信していないといけない。

これは、T銀行に貸し出す日本銀行にも言えることで、
日本銀行は、T銀行はきっと返済してくれると
信じているから貸出をしているのだ。

銀行の行動方針:
貸出をする側の銀行は、
借りに来た相手をしっかりと値踏みする必要がある。
値踏みするには手間と時間がかかるし、
ひょっとすると、貸出後もいろいろ教育的指導もしなければならない
それを貸出利息として回収しないと、
銀行行員への給与を支払えない。

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日本銀行の行員の給与額と銀行設備の購入だけでは、
巨大な日本市場に資金を行き渡らせることはできない、
それではごく僅かの金額であり、
行き渡るまでとてつもなく時間がかかる。

そこで、現実の日本銀行は、
大量のお金を上手に市場に供給するために、
株式市場にて日本企業の株式を購入し、
短期金融市場で手形などの債権を購入たり、
日本政府が発行する国債を購入し
している。

日本銀行の定理2の系1:
日本銀行が民間銀行への融資以外の方法で、
市場へ資金を提供する方法は、
(1) 日本銀行が行員に給与を支払う
(2) 日本銀行が、設備等の物を買う
(3) 株式市場にて日本企業の株式を購入
(4) 短期金融市場で手形などの債権を購入
(5) 日本政府が発行する国債を購入
があり、
経済を破綻させないためには、
提供した資金未満の利息額を
融資した民間銀行に求める必要がある。

短期金融市場とは、銀行間の債権取引市場のこと。

日本銀行の定理2の系2:
実際問題として日本銀行は、
融資残高と比較して相当量の資金を
市場に提供しないと市場経済はうまく回らない。


実際に日本経済に流通している現金の総額は、
日本銀行の発行するマネタリーベース統計で解る。
2013年12月で約201兆円である。

この約201兆円の内幾らが、
日本銀行が貸しつけた資金なのか
調べても出て来ないので、こまる。

私は政府が国債を発行するより、
日本銀行が有望な成長企業の株式を購入するほうが
景気が良くなると考えている。
この点は、次回に説明する。