こんな記事が出ていた。
「日本は金持ちの税金が高い」は嘘! 医者、大企業、投資家に有利な税制
が、しかし、本当なのか、冷静に考えてもらいたい。
記事「実は日本の税制には抜け穴があり、その抜け穴からとるべき税金が漏れている」
提案「実は日本の税制には抜け穴があり、その抜け穴からとれる税金が漏れている」
考察「べき」というのは、いいすぎではないか。
記事「たとえば、先進主要国の国民所得に対する個人所得税負担率を見ても、日本は7.2%。アメリカ、ドイツ、フランスはどこも国民所得比で10%以上の負担がある。イギリスにいたっては13.5%で日本の約2倍なのだ。」
提案「たとえば、先進主要国の国民所得に対する個人所得税負担率(全国民の平均)を見ても、日本は7.2%。アメリカ、ドイツ、フランスはどこも国民所得比で10%以上の負担がある。イギリスにいたっては13.5%で日本の約2倍なのだ。日本では低所得者が所得税を支払っていないあるいは税率が極めて安いことが主な原因ではないのか。」
記事「先進国の所得税収の大半は、富裕層が担っている。だから国全体の所得税負担率が低いのは日本の金持ちがどれだけ税金を払っていないかということになる」
考察 先進国で成り立つ議論がそのまま日本で成り立つほど現実は単純ではない、ここに騙しがある。
記事「具体的には、配当所得の分離課税と開業医の優遇税制だ。」
考察 配当所得の分離課税は、20%である。所得税の税率が20%を超えるのは、所得が330万円を超え 695万円以下のときであるから、平均所得者の税率である。だから配当所得20%は、優遇でも何でもない。よく考えてみると、銀行預金の利子所得にも同じ20%の税率がかかっている。だから、この記事には、あなたの嫉妬という劣情に訴える卑しい下心がある。しかも、企業は利益に対して法人税を支払った後の残金から配当所得を支払っているので、配当所得には二重課税となる側面がある。
考察 配当所得に累進課税をしている国など世界中どこにもない。もし配当所得に累進課税をかけたら、日本の株式市場は崩壊して資金はすべて外国へ流出する。同時に日本経済が崩壊する。配当所得への累進課税は極めて愚かな話しである。
考察 開業医の優遇税制(社会保険診療報酬の72%を経費として認める簡易会計制度)についてもは、私も反対である。開業医だから例外扱いすることは制度の複雑化と利権化を招くのでリバタリアンとしては原則反対である。だが、この優遇税制があってもなくても税収に大差はないとも言えかもしれない。
記事「「試験研究費の特例」とは「大企業の20%減税」だった」
考察 これも悪意あるミスリードである。試験研究費の特例は中小企業にも適用されている。試験研究するかしないかは企業の自由で経営者の才覚である。
記事「大企業が稼ぐだけ稼ぎ、その金を自社の口座に貯め込むばかりで社会にまったく還元してこなかったことが、今の日本社会の疲弊を招いているのである」
考察 これも悪意あるミスリードであり経済について何もわかっていない人を煽り騙している。企業が溜め込んだ資金は、銀行口座に貯められるのは、この記事も認める事実だ。銀行預金は、銀行が融資する資金となる。だから世の中で金を必要とする人に貸し出されるのであるから、日本経済は金が回るのだ。貸出のプロである銀行が貸すのだから当然のことだが、返済が見込める有望な人に低利で貸し、返済が滞りそうな人には高利で貸し出す、返済の見込みがない人には貸し出さないのだ。アタリマエだが、お金を貸して欲しければ、返済の見込める人になれるよう努力するしかないのだ。
記事「その複雑さから利権の巣窟になりやすい租税特別措置」
考察 これは、リバタリアンとしても同意できる原則である。しかし、租税特別措置による税収の増減と経理コストの増減と徴税費用(=税務署員の給与)のプラスマイナスで判断(それも10年毎に見直し)することが合理的だ。
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