「プラズマ物理入門、宮本 健郎 さん 著 岩波書店 1991年 刊」
を図書館から借りて来ました。
20年以上前の本です。
「東大物理学科の学部生用の教科書」と「はしがき」にあります。
数式ばかりで理解できることはあまりありませんでした。
理解できたことは、
- 本書は、熱核融合炉の実現を目指た研究の成果がまとめてあること。
- プラズマの数式が、どれも近似式であること。
- プラズマの数式は、ある特定の条件下でしか成り立たないこと。
- 乱れを考慮すると、熱核融合炉でのプラズマ制御は、ほぼ不可能と思えること。
- 熱核融合炉はいまだに実現が立たない(1991年時点)こと。
- 実際に大量の高速中性子が発生したらどうなるかまったく未検証(1991年時点)であること。
です。
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目的は、LENR(cold fusion : 常温核融合 ともいってもいい)で
利用できる知識の仕込みのためです。
残念ながら、あまり有用な情報がありませんでした。
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それでも、使える情報をまとめておきます。
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水素原子のイオン化エネルギーは、13.6 eV である。
水素ガスを 1eV つまり だいたい 1万度ぐらいにすると、
熱運動の平均エネルギーは、 1eVであるが、
13.6 eV の高エネルギーり水素もある程度の量があるので、
プラズマ状態となる。
(逆に、化学の常識で、水溶液では、分子はイオン化(=液体プラズマ)
していると教えられている(ただし見えない大きさの世界なので、判らない)、
つまり常温の水溶液は、1万度ぐらいのプラズマ気体に匹敵する訳です。
だから、フライシュマン・ポンズの重水電解による常温核融合実験は、
プラズマ(溶液中の水素イオン=陽子(液体プラズマ)に、
電極金属中の電子プラズマを衝突させて、中性子にする)
という意味で、興味深い。)
グロー放電では、 10 eV 程度であること(グラフからの読み取りで)
デバイ遮蔽という現象がある
プラズマにも区別がある
弱結合プラズマ、強結合プラズマ、金属中の電子プラズマ
ラーマー半径
電磁場からローレンツ力を受けた荷電粒子の運動
磁場があれば、回転運動(サイクロトロン)する
回転半径をラーマー半径という
電子は右回り、陽子は左回り
B=1T, kT = 100eVで
電子の陽子のラーマー半径は、
23.8 マイクロm 10.2 mm
サイクロトロン周波数は、
28GHz 15.2 MHz
よって磁場をかけると、荷電粒子=プラズマは、
磁力線の周りを回転して抜け出せなくなる。
その回転半径より大きな磁場で、閉じ込めができる。
衝突は登場する要素(陽子、中性子、電子、、、)の
すべての組み合わせを考える必要がある。
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雑感
熱核融合炉は、最初(1950年代)は、20年-30年ぐらいでできると言われていたのに、
今は「21世紀後半の実用化」とWikipediaに書かれいる状態です。
つまり、速くともあと40年、多分70年後という意味でしょう。
どんどん実現できる予想時期が先延ばしされていますから、
常識的に考えて、熱核融合炉は、やはり不可能な夢でしょう。
また、実際の熱核融合炉の大きさと生み出せる電力と費用の
具体的な試算がほとんどありません。
今の原子力発電所が火力発電所と同程度の出力しか生み出さないことから推測して、
熱核融合炉も火力発電所の大きさで火力発電所と同程度の出力しか生み出せないかもしれません。
私はITERの仕様
(直径: 26m 融合出力:500MW、大きさは火力発電所、出力は1000分の1程度
http://ja.wikipedia.org/wiki/ITER )
から考えて、
最初の商用炉なら10倍改善して
火力発電所の100分の一ぐらいかもしれないと推測しています
つまりスペース効率は、100分の一です。
しかし、発電できない実験炉(ITER)だけで、少なくとも二兆円程度かかりますから、
設備の必要は火力発電所の100倍以上確実にかかりそうです。
つまり電気代が100倍かける100倍=10,000倍になる訳です。
既に太陽光発電は火力発電と
肩を並べられるところまで来ているのですから、
仮に石油や石炭が不足したら、
何がいいか、だれでもすぐ解ります。
参考情報
(熱)核融合炉は本当に可能か? 日経サイエンス 2010年6月号
http://www.nikkei-science.com/page/magazine/1006/201006_102.html
あと、韓国がアメリカの熱核融合デモ施設(2030年完成)に一兆円単位で資金提供したといニュースがあります。
日本にまったく紹介されていないのです。
http://www.scientificamerican.com/article.cfm?id=south-korea-makes-billion-dollar-bet-fusion-power
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