Feb 5, 2014

アジア各国の職種での賃金格差





という資料から、各国の職種での賃金格差を調べてみた。

表にすると

米ドル換算月給 製造業一般工を1とした場合の職業別の給与比率

製造業

非製造業
アパレル 飲食 製造業

非製造業
アパレル 飲食
都市 一般工 中堅技術者 営業担当課長 一般職 営業担当課長 店舗スタッフ 店舗スタッフ 一般工 中堅技術者 営業担当課長 一般職 営業担当課長 店舗スタッフ 店舗スタッフ
北京 466 743 1445 840 1962 577 463 1 1.59 3.1 1.8 4.21 1.24 0.99
上海 499 835 1456 824 1891 461 356 1 1.67 2.92 1.65 3.79 0.92 0.71
広州 395 704 1274 848 1886 502 326 1 1.78 3.23 2.15 4.77 1.27 0.83
深セン 329 650 1302 639 1433 574 382 1 1.98 3.96 1.94 4.36 1.74 1.16
大連 326 565 1083 603 1361 446 407 1 1.73 3.32 1.85 4.17 1.37 1.25
瀋陽 315 552 953 611 1122 463 356 1 1.75 3.03 1.94 3.56 1.47 1.13
青島 281 460 716 568 1210 343 342 1 1.64 2.55 2.02 4.31 1.22 1.22
武漢 308 571 968 731 1727 329 376 1 1.85 3.14 2.37 5.61 1.07 1.22
香港 1619 2263 3580 1991 4016 1391 1368 1 1.4 2.21 1.23 2.48 0.86 0.84
ハノイ 145 342 787 418 976

1 2.36 5.43 2.88 6.73

ホーチミン 148 297 653 440 1222

1 2.01 4.41 2.97 8.26

ダナン 107 168 336 320 830

1 1.57 3.14 2.99 7.76

ジャカルタ 239 433 1057 423 1245 173 129 1 1.81 4.42 1.77 5.21 0.72 0.54
バタム 177 313 1355

145 193 1 1.77 7.66

0.82 1.09
マニラ 301 452 1070 493 1194 266 266 1 1.5 3.55 1.64 3.97 0.88 0.88
セブ 218 323 749 479 1552 191 191 1 1.48 3.44 2.2 7.12 0.88 0.88
シンガポール 1230 2335 4268 2330 4672 976 954 1 1.9 3.47 1.89 3.8 0.79 0.78
バンコク 345 698 1574 664 1602 283 242 1 2.02 4.56 1.92 4.64 0.82 0.7
クアラルンプール 344 944 1966 858 1986 511 526 1 2.74 5.72 2.49 5.77 1.49 1.53
ビェンチャン 132 336 410 321 1109 176 75 1 2.55 3.11 2.43 8.4 1.33 0.57
プノンペン 74 298 563 297 1088 125 81 1 4.03 7.61 4.01 14.7 1.69 1.09
ヤンゴン 53 138 433 236 668 58 35 1 2.6 8.17 4.45 12.6 1.09 0.66
ニューデリー 276 641 1395 562 1442 228 146 1 2.32 5.05 2.04 5.22 0.83 0.53
ムンバイ 188 546 1289 775 2039 410 291 1 2.9 6.86 4.12 10.85 2.18 1.55
バンガロール 398 927 1738 518 1382 109
1 2.33 4.37 1.3 3.47 0.27
チェナイ 324 611 1236 418 1074 104
1 1.89 3.81 1.29 3.31 0.32
アーメダバード 273 909 2001 182 2001 210 210 1 3.33 7.33 0.67 7.33 0.77 0.77
カラチ 173 638 1386 318 692 103 82 1 3.69 8.01 1.84 4 0.6 0.47
ダッカ 74 190 484 304 747 104 148 1 2.57 6.54 4.11 10.09 1.41 2
アジア平均 336 651 1294 643 1576 356 331 1 1.94 3.85 1.91 4.69 1.06 0.99
横浜 3306 4231 5733 3281 5487 2143 1322 1 1.28 1.73 0.99 1.66 0.65 0.4
ソウル 1734 2255 3249 2165 3425 2059 1498 1 1.3 1.87 1.25 1.98 1.19 0.86
台北 1143 1456 2002 1356 2344 838 566 1 1.27 1.75 1.19 2.05 0.73 0.5
オーストラリア 4615 6895 8785 4798 8635

1 1.49 1.9 1.04 1.87

ニュージーランド 3009 4630 5946 3503 6073

1 1.54 1.98 1.16 2.02


日本の賃金は世界的に見て高い。
このままでは、世界と競争しても負ける。

それも確かに重大な問題ではあるが、
もう一つの問題は、一般工員と一般職の賃金が高すぎで、
中堅技術者や課長レベルが安すぎることである。

グラフ化すると、


アジアでは、一般工員と技術者、管理職との待遇の差は、非常に大きい。
これは、アジアの一般工員は、教育レベルが低くて、
技量がまったく無いということだろうか(そうではないと思われる)。
実は、日本の一般工員とアジアの一般工員に求められる仕事の内容にレベル差は無い。
だから、工員の教育レベルがどうこうという問題ではない。
アジアでは、技量が有り、責任を果たす人間に高い報酬を出していると思われる。

韓国・ソウル、台湾・台北、オーストラリア、ニュージーランドと
先進国に並びかけている所は、
一般工員と技術者、管理職との待遇の差は、ぐっと縮まっている。
しかし、日本よりはしっかり職種で賃金に差が付いている。

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そして、こんな日本の賃金のバランス状態では、
出来る人、やる気のある人の意欲をそいでしまう。

高い賃金であればあるほど、
作ることが難しい価値ある製品を作らないとならない、
それには、出来る人やる気のある人の知恵が必要である。

だから、出来る人、やる気のある人に高い賃金を払って待遇を良くして、
その他大勢にはそれよりずっと少ない賃金にせざるを得ない。

今のままでは、日本の製造業は、世界とまともに競争できない。

だから、工場は海外に逃げていくし、
同時にその他大勢用の事務の仕事も無くなっていく。

日本国内で「格差が問題」という人は、まったくもって無知な人か、
すべて知っていてそれでいて日本をダメにしようとしているかだろう。

日本は、アジア平均並とまでは行かなくとも、
せめて韓国、台北よりは、職種で賃金格差を付けてはどうか。

今のままでは、悪平等で外国の優秀な人から見て魅力がない。
逆に日本には来て欲しくない能力の低い外国人には天国に見えるのだ。

働いた者や責任の重い仕事についている者に、給料で報いる必要がある。
チンタラサボりつつ簡単な仕事をしても、
本当にがんばっている課長さんの給料と
たいして変わらないということは、正義ではない。

経済成長しようにも、この処遇では、牽引役のリーダーのやる気を削ぐだけである。

経済学と歴史の教えるところは、
自由に伸び伸びとさせれば、格差もできるが全員が儲かり潤う
 (アメリカ、今の中国、高度成長期初期の日本)
自由を制限し悪平等に走れば、全員が貧乏になり全体が滅ぶ
 (ソ連崩壊までの共産主義、バブル後の日本)
である。

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いったいどうして日本は、職種の賃金格差が少ないという
コンナ変な国にになってしまったのか。

年功序列の雇用制度と生活必需品が高すぎることが原因と思われる。

年功序列は、悪平等の典型である。

戦後の初期から高度成長期までは、
国民一丸となって復興を目指して、加工貿易に邁進した。
人口爆発があり、ピラミッド型三角形の人口構成で若者が多く、
全体の賃金を抑えるため、
年功序列の賃金体系にして70年近くもやってきた。
仕事がたいしてできない者もできる者も同じ給料で雇っていたのである。
高度成長期までは、若者ばかりでこれでよかったが、
同一労働同一賃金や成果別報酬を徹底しなかったために、
悪平等のひずみが生まれてしまう。

また、国際競争力を意識せず、賃金のペースアップをやりすぎた。
先を読めなかった政府、企業経営者と労働組合幹部の責任である。
後の祭りとはこのことである。

労働組合は賃上げより関税廃止と物価の低下を要求するべきだったが、
共産主義しか知らなかったので、物価低下の発想すらなかったのだろう。

経営者は横並び主義でのんびりしていて、
簡単に計算できる未来をまったく予想しなかったのだろう。

生活必需品とは、農産物つまり食料品、
電気やガソリン、電車の運賃のことである。
日本は、この生活必需品が高すぎる。

賃金の上昇と比例して、生活必需品の価格も上昇した。
世界一の賃金に世界一高価な生活必需品である。
これでは、基本的な生活はまったく楽にならない。

ただ、工業製品だけは、世界との競争に晒された製造業の努力で
どんどん安くなったのだ。

生活必需品の高い日本人は、いつまでも残業残業で働かなければならない。

アジアの国々は、食品が驚くほど安い、
確かに質は日本より劣るが、安いので、
日本の10分の一の賃金でも餓死することはない。

歴史の結果としてふりかえれば、
政府はわざとそうしたのであり、
国民もわざとその道を選んだのだ。

農地改革と農協から始まる戦後日本農業は
歴史の結果として、生産性がまったく向上せず、
ツケをすべて農産物の値上げで
国民に負わせて来たことになる。

誰もがずっともう農業に発展はないと信じていたし、
実際に生産性という意味では、
外国と競争できるまでに発展できかったのだ。

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日本人は、この先、古い日本農業の生命維持装置、
つまり農産物輸入関税を残したまま、
古い農業ともに国力が衰えるのを待つか、
あるいは、日本農業がみずから尊厳死を選び
生命維持装置を外して、いったん枯れて、
新しい春に種を撒いて再生を行うかの
二者択一の時を迎えている。

また、日本人は、このまま原発の高いコストを隠すために、
わざわざ高い値段で外国から燃料を買って、
火力発電の価格を高く見せたり、
道路を大型トラックでわざと痛めつけて、
地方の無駄な道路工事を続けたり、
暇な公務員の配置転換をしないで、
無駄金を使い続け国力が衰えるのを待つか、
無駄を無くす改革をして、民間の自主性に任せるかの
二者択一の時を迎えている。

また、日本人は、このまま年功序列の悪習を残して、
働いた者に報いずサボル輩にも給料を出すのか、
同一労働同一賃金と成果に報いる報酬という公平さを取るかの
二者択一の時を迎えている。