発生する温度は、200度から1000度の範囲である。
この熱から効率良く発電をしたい。
そういうことを考える英語の記事が E-Cat World の記事
Beyond E-Cat Heat
に出ていた。
ここでは、より具体的に技術の可能性を突き詰めたい。
ではどうするか、、、
今までの私のアイデアは、
(1) 水を沸かして蒸気タービンを回す
効率は、大規模火力発電所なら効率50%、小型なら5%程度から頑張って20%程度
水を使うので重くなる
稼働メカなので故障する
(2) 空気を温めてガスタービンを回す (今までのイチオシ)
これも大規模火力発電所なら効率50%、小型なら5%程度から頑張って20%程度
蒸気機関より小型化できそうであるが効率が犠牲になる
稼働メカなので故障する
(3) 外熱機関スターリングエンジンでタービンを回す
これも小型なら5%程度から頑張って20%程度
ど偉い大きさ重量に成る
稼働メカなので故障する
(4) ゼーペック素子を用いる
効率5%以下、しかも超高価
稼働メカがないので半永久的に持つ
ぐらいしか思いつかなかった。
熱からどうやって発電するかがポイントである。
E-Catから出て来る熱は実は100%赤外線である。
化学燃焼ではないので熱ガスではない。
赤外線は光なので、太陽光電池の原理で発電できると、10%-20%の効率で発電できそうである。
新案
(5) 赤外線電池を使う
効率は、5%から頑張れば40%
最初は高価だが量産で劇的に安くできそう
稼働メカがないので半永久的に持つ
太陽光電池は主に可視光のエネルギーを使う、これは、波長が 0.7 μm 程度の光で、色温度は、 6000度程度 (3500度から10000度ぐらい)で太陽の表面温度の光そのものである。
このあたりの物理法則は、ウィーンの式として表されており、たとえばここを参考にせよ。
で、E-Catの赤外線は、200度から1000度とすると、
その赤外線波長は 6 μm - 2.2 μm 程度である。
太陽光電池は光子を捉えるのに半導体のバンドギャップ理論(たとえばここ)で説明される形で
光の一粒である光子から電子を励起して電流とする。
以上から、通常の太陽光電池ではなく、赤外線波長は 6 μm - 2.2 μm 程度に
よく対応できる半導体を見つけて赤外線電池を構成するという案が出て来る。
熱から電気への効率は、
現在の太陽光電池と同様の最大で5%-15%程度(単層の太陽電池なら)であろう。
多層式の太陽電池にすれば、効率は30-40%にできるだろう。
赤外線による温度計測でのサーモパイル素子というもの(ここ)があるが、
これは、熱電対、つまりゼーペック素子を使うタイプなので、今回の考察の対象外である。
光の波長別受光素子半導体の一覧がここにある。
それによると
PbS 1.0 μm - 3 μm
PbSe 1.5 μm - 5 μm
InAs 1.0 μm - 3.8 μm
InAsSb 1.0 μm - 5.9 μm
InSb 1.0 μm - 6.5 μm
MCT 1.0 μm - 20 μm
とある。
この中から価格の安い半導体を使い、赤外線電池を作ることに成るはず。
で、赤外線電池で検索したら
ここ (日本語ニュースはここ) とか、ここ (日本語ニュースはここ)が見つかった。
いずれも海外、日本は先端の開発者に、がんばってもらいたい。
太陽光電池で蓄積されたノウハウで製造すれば、コストダウンもいずれ可能と思える。
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この話にはまだ続きがある。
E-Catの内部の核種変換の反応理論がはっきりすれば、
もっと高エネルギーの放射からより直接的に電気に変換できる可能性がある。
ただし、E-Cat内部の反応は、 0.1 - 1 MeVの光子エネルギー(弱ガンマ線)あるいは高速粒子(中性子やα粒子、あるいは電子)の運動エネルギーだと思われるので、原子をはじき飛ばす破壊力がある、これを直接に百万分の1までの弱い電流として取り出すことは難しいかもしれない。
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