Nov 10, 2013

うさみのりやさんの太陽光発電のアレな記事に補足

うさみのりやさんという、東京大学経済学部卒業後経済産業省で官僚生活を10年前後過ごされて無事それも完了されて、いまブロガーをされている極めて優秀な方が、「太陽光で脱原発はやっぱり無理ゲーでしたがそれなりに使い道はありました ~総集編~」という、結果的に現在の経済産業省の原発再稼働政策を応援しまくるスタイルの記事を発表されています。私の立場から読み込みのための補足をしたいと思います。

うさみのりやさんは、プログで生活をされています。彼の意見は、ご自身の生活スタイルを守り発展させるために書かれているのですから、これらの記事が書かれた背景に十分な想像を巡らせ、彼の立場に配慮したいと思います。

彼から聞こえそうな意見は、「もっと記事を正確に読んで欲しい、私の意見は太陽光発電所=メガソーラーで、原子力発電所を置き換えて脱原発は無理というものであり、太陽光発電技術そのものを否定していません」ということだと思います。たしかに読み込めばそういう内容の記事ですが、タイトルがアレナだけに誤解されやすいともいえますね。さすが官僚経験者のブロガーです、しっかりと抜け道は確保されています。

で、私が提起する補足事項ですが。

メガソーラーだけを考慮するうさみのりやさんの案に家の屋根や工場の屋根を加えてはどうか。メガソーラーは、その敷地を太陽光発電だけに利用することを考えられているが、この場合は土地代がかかるし送電設備も必要になる。現在、家の屋根や工場の屋根に設置している現実を考慮しない手はない。この場合土地代がかからないし送電設備も要らない、その分コストが安い、ただし電気を貯めておく電池は、どこかで必要になる。農地も100%日光が必要な訳ではなく、10%程度を太陽光パネルにしても、農業生産性は減らない可能性は高いし、うさみのりやさんの記事にもその研究が紹介されている。

うさみのりやさんの記事にある「(メガソーラーは)、関係施設を考えると(パネル面積の)1.5倍程度の敷地面積を必要とする」。これも、変な話で、関係施設の屋根にパネルを設置すれば、そんな設備に面積は不要。電力会社が作ってきたメガーソーラーは、土地が安い田舎なのでそこまで本気で土地を節約していないだけなのではないか。

メガソーラーに拘る理由の一つは、いまの電力業界とおなじ集金構造をとれることが、業界とXX村に最適だからかもしれません。うさみのりやさんの計算の結論では、おなじ集金構造のメガソーラーは、旨みがない、だから、メガソーラーは、業界とXX村に人気がない。少なくともうさみのりやさんは手を出さないということ。

原発は、廃物処理方法が未定なぐらい手間・金がかかり業界とG村に旨みが出るのかもしれません。もちろんこの旨みは、国民と子孫の皆さんに電気料金と税金で支払っていただくものです。

うさみのりやさんの計算「施設野菜の農地の資産効率は1haあたり204.1万円」、「コメ農地の資産効率1haあたり55.2万円」と「メガソーラーの資産効率は1haあたり242.8万円(平成25年度買取価格 37.8円の場合)」は、興味深いです。買取価格は、いずれ他の発電所並みの原価 9円程度になるべきですから、「メガソーラーの現在の資産効率は1haあたり60万円(買取価格 9円=他の発電所並の場合)」です。ですから、メガソーラーは、今でも米作りより資産効率が高いことになります

メガソーラーの市場への参入障壁は、農地法だけでなく電力自由化がされていないことであることが、なんとなくわかってきます。

「そうはいっても、太陽光発電は昼だけ、電気は貯めておけない」じゃないか、という意見が聞こえそうですが、実は誰でもご存知のように電気は電池に貯めておけます、しかも電池部品そのものはどんどん安くなっています、EVカーやPHVカー、ハイブリッドカーから明らかです。しかし、家庭用の大容量電池商品は、とても高価です、これは日本の家電メーカーが高価格政策を取っているからです。日本の家電メーカーには体力も意欲も今はまったくありません、ということで期待がまったくできません。また、うさみのりやさんぐらいに頭のいい人でも立場が有り、「家庭で電気を貯めていけは、解決じゃん」という発想を公にすることはできないようですね。

うさみのりやさんの計算に使われている各電源の発電コストは、2010年の予想であり、原発事故前のものです。これを信じていいものか、今回の事故以後は、誰もが、信じられるはずがないという気持ちがあります、ここではとりあえず疑わしいということにしましょう。

原子力のコストは、2011年の原発事故以後、政府は再計算していないですね(再調査の結果、政府は使用済み核燃料の処理費用は、再計算していました、ただし肝心の保管費用は計算していません、この点は別記事でまとめる予定です)。そして、核廃棄物処理費用がいくら掛かるのか余裕を持って計算されていない可能性が極めて高いことは、あちこちでささやかれていますね。また、福島の事故が起きた以上事故の賠償と修復の費用は、全額原発のコストに参入しないとフェアではありませんね。さて、原発のコストはいくらになるか、誰もが2010年の発表値 原子力 8.9円/kwh は、安くなるはずがないと思っています。仮に安くなるなら、原発だけを、廃棄物処理まで含めて独立採算の会社にすればいいはずなのに、電力会社方面からそのようなフェアな声はまったく聞こえてこないことも傍証です。原発は、廃棄物処理を国に丸投げするという業界とG村に旨みがあります、行政の人員拡大志向の権力者も丸投げされたほうが組織が膨張できて美味しいのです。ですから、「本当の発電コストがもっと掛かっても旨みさえあれば、続けたいという意志」がどこからともなく出てきます。負担・ツケは国民とその子孫に広くかぶさってきます。

「本当の発電コストがもっと掛かっても旨みさえあれば、続けたいという意志」は、現在の太陽光発電産業側にもあります。これは、再生エネルギーの買取価格制度のことを意味します。

うさみのりやさんの計算「(日本の現在では現在の太陽光発電設備の発電コストは27.0円/kwh)量産により太陽光発電の発電コストは21.6円/kwhまで下がる」は、私もかなり信ぴょう性が高い計算と思います。


で、実際の電気料金ですが、東京電力の家庭用の電力は、19円/kwhから、29円/kwh、通常は25円/kwh(円未満四捨五入)です。もちろん大口産業用はもっと安いです。どうですか皆さん、東京電力の値付けは絶妙ですね。太陽光よりちっょと安くなるようにしています。

電力会社が真に恐れていることは、自家発電が安くなり、電力会社から買うより安くなることです。自家発電は、電力会社の最大のライバルでありこれから厳しい競争がおきます。


家庭やオフィス利用なら、現在の自家用太陽光発電は小売り電力と遜色が無くなってきているので、このままコストが下がると、自家用太陽光発電が主流となり、原発が要らない可能性はありうると思われます。あとは、自家発電の世界に、ソフトバンクの孫正義さんのような事業家が出て来るかどうかですね。

自家発電であれば、送電設備は不要です。ただし、自家の太陽光発電なら、電池が必要です。

他の既存技術として、昼間の電気で水を電気分解して水素ガスを作りエネルギーを貯めて、夜は水素ガスを燃やして調理や風呂や暖房に使うのもいい考えです。太陽光発電で発電できなかった光の熱エネルギー(80%もある)をぬるい温水にして貯めておき、風呂やシャワーや暖房の足しに使うと、電気や水素ガスの使用量を劇的に減らせます。

で、発電コストの話に戻します。福島第1原発は、なぜ耐用年数40年を過ぎても利用していたのでしょうか、それは、耐用年数を過ぎてもとりあえず問題なく使えたからです、そして耐用年数が過ぎた設備は元を取っているのでコストはかからず利益しか産まないのです。ただし、原発は最後に爆発して、災害を生み出しました。太陽光発電は爆発して人が住めなくなる心配はありません。おっと脱線しました、家庭や工場の太陽電池は一般に20年の耐用年数で計算されているようです。これが、倍の40年利用できたとしたら、コストはガツンと半額になります。実際に発電パネルは、メンテナンスをしっかりすると40年ぐらいは持ちそうです。20年持たなそうな部品は、インバーターのコンデンサーが怪しいです。あとは電池です。ということで、実コストは、今のままでもメンテナンス次第でもっとコストが下がるが私の予想です。

うさみのりやさんは、「太陽光パネルの量産効果による価格低落の期待余地が乏しい」と書いていますが、これには私も賛成です。ただし、次の記事で「2025年ごろには、CIS型の太陽光発電の(発電効率が13%から25%に向上する技術革新で)コストが11.2円/kwhにまで下がることが見込まれます。」あるいは「将来的(2025年)な太陽光発電のコストは7.8円/kwhとなり、原発の発電コストである8.9円/kwhをかろうじて下回る」。こうなると、「メガソーラーの2025年ごろの効率は1haあたり60万円から120万円になる(買取価格 9円=他の発電所並の場合)」、太陽光発電は原発と火力をしのぐ王者に君臨できるわけです。

ところで、私は、2025年には、LENRが実用化されるため、さらに低コストで電力を手に入れられると見ていますが、それは他の記事を見て下さい。

うさみのりやさんは、「環境省も火力発電の新設は環境アセスと地球温暖化防止を理由にそう簡単に認めない」と書いています、地球温暖化はしていないという情報が世界では流れているのに、日本では報道されていません。霞ヶ関の環境省の意見と異なることが原因かもしれません。

うさみのりやさんは、「バックアップ電源のことを考慮すると理想的な制御をしても、(メガソーラー)太陽光発電所(と送電設備)では年間1012億kwh程度の発電しかできず、震災前の原発の発電量である2690億kwhに遠く及ばず脱原発は不可能。」と書いていますが、これは今の電力会社の事業体系にメガソーラーを組み込む場合です。自家太陽光発電と電池の組み合わせなど技術革新、インベンション、と自家発電という仕組みの変更の可能性、これがイノベーション、を考慮してもらいたいものです。

うさみのりやさんの考察は、コスト意識がしっかりしたものです。この点は大いに賛成できるできるところです。うさみのりやさんはこれから、マイクロ水力発電を検討されるそうですが、願わくば、安全対策強化後で核廃棄物処理の全費用と福島第1原発の事故対策全費用を込みにした原発コストについてのうさみのりやさんの考察を見たいものです。

私は、原発を火力に改造して2025年までをしのげばいいのではないかと、うさみのりやさんの記事を見て思いつきました。原発を火力に改造についてはこの記事の前に書いてあります。こちらをどうぞ。