Jul 23, 2013

新潟県の佐渡南西沖の石油・天然ガスの試掘が終了のニュースと石油無機起源説の関係を考える

何だか長いタイトルになってしまいました。

経済産業省の配下の資源エネルギー庁から
新潟県佐渡南西沖における石油・天然ガスの試掘作業を終了しました」との発表が、
参議院選の投票日の翌日2013年7月22日にありました。

政治的には、
福島第一原発事故後の最初の衆議院選挙で
原発再稼働を政策とする自民党が大勝した後の、
最初の参議院選であり、自民党が大勝で衆参のねじれ解消となりました。
資源エネルギー庁がこのニュースを、選挙期間中に発表しなかったのは、
自民党の原発政策を、変な形で後押しをしていないという形式的証拠になりそうです。

ですが、技術的・科学的な視点から見るとは、
今回のニュースでは私個人に不満が残りました。

私は、石油有機起源説より石油無機起源説が信ぴょう性があるという立場ですが、
今回のニュースからは、どちらの説に信ぴょう性があるのかという判断が
何もできないからです。


正式なニュースリリース文(図入り)pdfが無くなると行けないので、抜粋しておきます。

<<<<< 抜粋開始
平成 25 年 7 月 22 日
資 源 エネルギー 庁

新潟県佐渡南西沖における石油・天然ガスの試掘作業を終了しました
~日本で初めて水深約 1,130 メートルの大水深で掘削~

資源エネルギー庁は、4月14日から実施してきた新潟県佐渡南西沖における試掘調
査を 7 月 20 日に終了しました。
今回、石油・天然ガスの試掘として日本周辺海域では初めて、水深約 1,130 メートル
の大水深において、海底面下約 1,950 メートルまで掘削を行いました。
今回の掘削では、顕著な石油・天然ガスの徴候は確認できませんでしたが、地層の
一部で微量の石油・天然ガスの徴候を確認するとともに、今後の石油・天然ガス開発
を判断していく上で必要となる地質データを取得しました。

1.事業概要

事 業 名:基礎試錐「上越海丘」
試掘場所:新潟県佐渡南西沖約 30kmの海底下に位置する地下構造
作業期間:平成25 年 4 月 14 日~平成 25 年 7 月 20 日
委 託 先:JX日鉱日石開発株式会社(事業実施者)
独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(事業管理者)
使用船舶:地球深部探査船「ちきゅう」
※試掘場所の地図、作業の様子については別添も御参照ください。

2.調査結果概要

水深約 1,130 メートルの大水深で、海底面下約 1,950 メートルまで掘削を実施しまし
た。
今回の試掘では、顕著な石油・天然ガスの徴候は確認できませんでしたが、目標とし
ていた地層の一部からは、微量の石油・天然ガスの徴候を確認しました。
また、試掘時に、地層から採取した岩石サンプル(コア)や各種地質データを取得して
おり、周辺海域の石油・天然ガス開発を判断していく上で貴重な情報を獲得しました。

3.今後の予定

今年度内を目途に、今回の試掘調査で得られたコアや各種データの詳細な解析・評
価作業を実施し、試掘地点周辺における石油・天然ガスの存在状況の確認・評価を
行います。その後、今回の試掘調査の結果を基に、事業実施者において、今後の探
鉱調査の可能性について検討を行う予定です。
(参考)試掘調査の開始に関するニュースリリース


(本発表資料のお問い合わせ先)
資源エネルギー庁 資源・燃料部 石油・天然ガス課長 南
企画官 高倉
担当者:能村、松田、宮野
電 話:03-3501-1511(内線:4641~6)

以下、別添資料では、試掘作業の様子が5月11日になっています。


>>>>> 抜粋終了
JX日鉱日石開発株式会社の終了のニュースリリースも抜粋します。
<<<<< 抜粋開始
各 位

   当社(社長:平井 茂雄)は、2013年4月14日から実施してきた新潟県佐渡南西沖における試掘調査作業を7月20日に終了しましたのでお知らせします。

   本事業は、経済産業省資源エネルギー庁から国内石油天然ガス基礎調査事業(※1)として、当社が受託したものです。
   今回の試掘では、石油・天然ガスの試掘としては日本周辺海域では初めて、水深約1,130メートルの大水深において、海底面下約1,950メートルまで掘削を行いました。
   今回の掘削では、顕著な石油・天然ガスの徴候は確認できませんでしたが、地層の一部で微量の石油・天然ガスの徴候を確認するとともに、今後の石油・天然ガス開発を判断していく上で必要となる地質データを取得しました。

   当社は、今年度内に、今回の試掘調査で得られた岩石サンプル(コア)や地質データの詳細な解析・評価作業を実施し、その後、その結果を踏まえ、今後の探鉱調査の可能性について検討を行う予定です。

(※1)…我が国における石油・天然ガス資源のポテンシャル調査です。

以上

<事業概要>
事業名:基礎試錐「上越海丘」
試掘場所:新潟県佐渡南西沖約30kmの地点
試掘開始:2013年4月14日
使用船舶:地球深部探査船「ちきゅう」
>>>>> 抜粋終了
また、上記にあった試掘開始の公式リリース図入りpdfも抜粋しておきます。

<<<<< 抜粋開始
平成 25 年 4 月 15 日
資 源 エネルギー 庁

新潟県佐渡南西沖において石油・天然ガスの試掘を開始しました
~探査船「資源」の探査結果に基づく初の試掘調査~
資源エネルギー庁は、国内石油天然ガス基礎調査事業(我が国における石油・天然
ガス資源のポテンシャル調査)として、新潟県佐渡南西沖において石油・天然ガスの
存在状況の確認を目的とした試掘調査を、4 月14 日に開始しました。
本調査は、平成20年2月に資源エネルギー庁が導入した三次元物理探査船「資源」
による探査結果を踏まえた初の試掘となります。
今後、約 3 ヶ月間にわたる試掘作業を行い、石油・天然ガスの存在状況について調
査を行います。
1.事業概要
事 業 名:基礎試錐「上越海丘」
試掘場所:新潟県佐渡南西沖約 30kmの海底下に位置する地下構造
試掘時期:平成 25 年 4 月 14 日~約 3 ヶ月間(予定)
委 託 先:JX日鉱日石開発株式会社(事業実施者)
独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(事業管理者)
使用船舶:地球深部探査船「ちきゅう」
※試掘場所の地図、試掘の方法については別添も御参照ください。
2.今後の予定
平成 25 年度内に、得られたデータの詳細な解析・評価作業を実施し、試掘地点周辺
における石油・天然ガスの存在状況の確認を行います。その後、今回の試掘調査の
結果を基に、事業実施者において、商業生産の可能性について検討を行う予定で
す。
(本発表資料のお問い合わせ先)
資源エネルギー庁 資源・燃料部 石油・天然ガス課長 南 亮
担当者:能村、松田、宮野
電 話:03-3501-1511(内線:4641~6)
03-3501-1817(直通)

以下、別添資料では、
試掘地点の地図、試掘の深さの図(海底面まで、1100m 海底下 2700m)となっています。

>>>>> 抜粋終了
JX日鉱日石開発株式会社の開始のニュースリリースも抜粋します。
<<<<< 抜粋開始
2012年6月18日

新潟県佐渡南西沖における試掘調査の実施について

 当社(社長:古関 信)は、2013年春に、新潟県佐渡南西沖にて、石油・天然ガスの賦存状況の確認を目的とした試掘調査を実施することとなりましたのでお知らせします。
 本事業は、経済産業省資源エネルギー庁から国内石油天然ガス基礎調査事業(※1)として、当社が受託したものです。

 当社は、2004年にも佐渡南西沖における試掘調査を受託・実施し、商業生産規模には至らなかったものの、油ガス層を発見しております。今回の試掘調査が対象としている構造は、この既発見構造の北方に隣接しており、資源エネルギー庁が導入した三次元物理探査船 (※2)「資源」の探査結果によって抽出された大規模構造(100㎢以上)です。学識経験者等から構成される資源エネルギー庁の委員会において、この構造は石油・天然ガスの存在が高く期待されるとの評価を得て、今般の試掘調査に至ったものです。
 当社は、前回の佐渡南西沖の試掘調査の他、国内外の数々のプロジェクトで培った海洋掘削技術と知見を活かして、今回の佐渡南西沖の試掘事業遂行に当たる所存です。

 当社の国内石油・天然ガス開発の歴史は古く、1888年の新潟県出雲崎海岸の尼瀬油田の発見まで遡ります。以来、今日に至るまで国内各地で探鉱活動を積極的に推進しております。
 1957年に新潟県胎内市で発見された中条ガス田は、50余年を経た現在も生産を継続しており、地域社会・経済に貢献しております。
 今回の試掘調査を契機として、今後、商業規模の石油・天然ガスの埋蔵量が確認されれば、国産エネルギーの安定供給と地域経済の活性化に資するものと期待されます。

  (※1)…我が国における石油・天然ガス資源のポテンシャル調査。
  (※2)…音波による石油・天然ガスの調査船。

<事業内容>
  事業名: 基礎試錐「上越海丘」
  試掘場所 : 新潟県佐渡南西沖約30kmの地点
  試掘時期 : 2013年春(予定)

別添資料

>>>>> 抜粋終了

では、私が感じた点をまとめておきます。

満足なこと 試掘予定期間が、4月14日から約3ヶ月であり、開始が4月14日であり終了日が、7月20日とされ、発表が7月22日になる点は満足の行く期間である。

不満なこと1 試掘の深さが、予定では、2700mであったが、実際は、1950メートルしかなかったこと、途中で止めた理由がまったく説明されていない。

不満なこと2 試掘の深さがが足りないにもかかわらず、試掘作業の様子の写真が、5月11日しか公表され無いので、6月と7月は作業していなかったかもしれないと疑念を抱かせること。

不満なこと3 試掘の深さがが足りないにもかかわらず、100平方km(10キロメートル×10キロメートル)以上の大規模構造の面積への試掘がたった一箇所のみであること。途中で固い岩盤があって掘れないなら、位置をずらしてでも試掘を試みるべき。

不満なこと4 高額の税金を使う個別事業にもかかわらず、目立った成果が得られなかったニュースリリースで消費した予算明細が公開されていない点。試掘の深さがが足りないにもかかわらず、試掘を止めた理由が説明されず、手際が悪いのか、期間の見積もりが悪いのか、単に予算が少ないのかさっぱりわからないこと。税金を使う仕事なので、せめて、何メール掘るのはいくら掛かるのか明確にしておく必要があると思われます。

不満なこと5 実際に掘削したのが政府=独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構の所有の船=地球深部探査船「ちきゅう」であるのになぜが、JX日鉱日石開発株式会社が事業実施者であり、政府->民間->政府の受託関係となる理由が不明確なこと。

不満なこと6 地球深部探査船「ちきゅう」は、「海底下から7,000メートルを掘りぬいてマントルへと到達できる」が謳い文句の船だが、今回は、予定の2700mにも達せず、1950mで中止している。看板に偽りであること。「ちきゅう」がこれまで掘った実績は意外と浅くとても世界第一とはいえないようです。つまり海底掘削での技術立国の看板はまだ虚勢にすぎないらしい。

不満なこと7 世界の海底油田は、海底下2700mどころではない事実があり日本の技術は、あまりにも遅れていること。

- ベトナムのホワイトタイガー海底油田、原油を水面下17,000フィート(5,181メートル)のバサルト岩から日量6,000バレルの割合で採集している。
- 2006年9月5日、ChevronTexaco社はメキシコ湾水深2,100m、海底面下7,000mで厚さ100mを越える
油田を発見(日量6,000バーレル)。この発見により、この地域に新たに30億バーレルから150億バーレルの可採埋蔵量の増加が期待できるとされている。政府資料の17ページ
-ブラジルの海底油田は、水深1,520mの海底から海底下4,670メートルまで掘削という資料

不満なこと7 政府は日本の技術が遅れていることを知っているのに、対策できていないこと。

まとめ

科学的興味からの不満な点は上記のように多々あります。

が、リアルな資金・資本の視点で考えましょう。

JX日鉱日石開発株式会社はJXグルーブの会社であり、基本的にJXグループは、石油の輸入・流通業ですから、国内で油田を見つけることが利益に直結するわけではありません。国内で安く掘れる油田があれば掘るけど、輸入より費用がかかるなら輸入すればいいというのは、合理的な発想です。

「石油が浅い所で見つかる = 低コストで掘れる = 儲かる」ですの図式から、深いところに石油があっても技術がない、技術があってもまだ費用が掛かり過ぎるなら掘れないが合理的です。

世界各国は海底下2000mより深いところから採掘しているので、日本の技術を育ててキャッチアップしたてもらいたい願望はありますが、アメリカでシェールガス、シェール石油の採掘技術が確立しており、深い海底油田を新規に掘るよりそちらがはるかに安いのであれば、当面輸入で、JXグルーブは儲かるので安泰ということでも仕方ないかと思います。

推測ですが、今の日本の技術能力では、海底下1950メートル以上では商業採算の取れる設備をJXグループだけでは作れないのでしょう、2000メートル未満では商業採算が取れる資源量でもない、仮に「ちきゅう」の能力いっぱい7,000メートルまで掘削して石油が見つかると、採算が合わずとも国民が熱狂して石油を掘らされてしまう可能性がある、これは原発再稼働の自民党の政策とバッティングする、だから試掘を止めた、というところが真実に近いのかなと思います。

仮にこのニュースが選挙期間中に発表され、なぜ掘削深度を予定より浅いところの途中で止めたのかが問題になっていたら、どうでなっていたしょうか、推測するに、原発廃止派の多くは、地球温暖化を頑なに信じている人が多く石油を燃やすことも反対している人が多いので、選挙で原発廃止派が勢いを得る可能性は少なかったと思います。むしろ石油がとれないから核分裂原子力発電派が勢いを増したはずです。そういう意味では、今回の発表のタイミングは、政治的に公平であると思えます。(私は化石燃料消費の二酸化炭素による地球温暖化は科学的に疑問があり過ぎる、石油・天然ガスは日本の地下深くにいくらでもあるのに安く掘る技術がまだないと考えています。)

いずれにしろ、日本が石油・天然ガス資源で自足自給する夢の日は、また遠のきますね。

以上から、今回のニュースは、石油有機起源説にも石油無機起源説のどちらにも影響がなかったというニュースだったのでしょうね。

このブログでの過去のログからもお分かりになるように個人がエネルギーの自立をするなら、今は太陽光バネルと蓄電池を装備する、あるいは、あと数年でLENRの製品が使えるかもしれないという夢てしょう。