Mar 19, 2016

20MeVγ線による核種変換

電子線を照射して核種変換を目指している研究を探しているときに、
「放射性同位体の中には、半減期が長いので放射性が少なくその量の測定が困難なものがある。そこで、20MeVという強力なガンマ線を測定物に照射して、核種を放射線量の多いものに変化させて、それを測ることで元の同位体の量を推測することができるだろう。」

そういうアイデアの研究資料が見つかったので、
メモしておく
汎用電子線加速器による難測定核種の非破壊測定に関する技術開発」2005年

資料表紙に
「本報告書は、九州大学、核燃料サイクル開発機構と(株)東芝が連
携して経済産業省からの補助金を受けて実施した技術開発の成果報
告書であり、限られた関係者にのみ配布するものです。
この資料の供覧、複製、転写、引用等については、九州大学、核
燃料サイクル開発機構又は(株)東芝にお問合せください。」
と書いているが、国民の税金が元の補助金研究で、過剰な秘密主義は奇妙だと思うし、
この程度の内容なら経済産業省であり防衛省とは関係しないとも思うが、どうだろう。

一方で、この資料を公開している「(一財)エネルギー総合工学研究所」には感謝したい。

30MeVの電子線から20MeVの制動γ線を作り、それを資料に照射して核種変換させる。

核種変換の例も表になっていたが、二例紹介。

Ni-59(半減期7.6万年)が20MeVγ線の(γ, p)反応(γ線により、陽子(p)がはじき出される)でCo-58(70日)になる。

Ni-63(半減期100年)が20MeVγ線の(γ, p)反応(γ線により、陽子(p)がはじき出される)でCo-62(1.5分)になる。

結論、放射性同位体の自然に発生するベータ崩壊で発生する数倍のエネルギーをγ線で照射すると、原子核は、通常の崩壊ではなく、陽子放出など特異な変化を起こすことができる。