Jul 30, 2015

参議院の合区は画期的出来事

2015年7月28日、参議院選挙の一票の重みの格差解消のため、都道府県の境を超えた合区が初めて実施された(参議院で可決、衆議院でも可決)。具体的には、島根県と鳥取県が合区(2議席減少)、さらに、高知県と徳島県が合区(2議席減少)された。その他の新潟、長野、宮城の選挙区で2議席減少、北海道、東京、兵庫、愛知、福岡で2議席増加、全体には、10増、10減で議員定数は変更されなかった。一票の格差は、2010年の国勢調査の人口で計算すれば、2010年の参議院選挙での4.746倍から、2.974倍と格差縮小となった。

衆議院では、格差を二倍以内とするように調整されていて、参議院も二倍以内への方向で調整を進めているが、格差が放置されてきた歴史があり、今回の解消策でようやく3倍以下となっただけである。格差を二倍以内は、この範囲なら我慢してもよいという最高裁判所の判例である。できるだけ、一倍に近づけることが憲法の示す正義であることは、明白だ。

ちなみに、日本国では、一票の重みは、選挙区での議員1人当たりの人口あるいは有権者人口で測られているらしいが、ニュース等からはどちらなのか詳細は分からない。

他の政党の案を見ると、日本維新の会案(2014年6月)は、1.14倍、公明党案(2011年7月)は、1.39倍、民主党案(2014年7月)は、1.89倍となる。古い支持基盤の政党ほど一票の格差を温存し、二倍ぎりぎりまで格差を作ろうとして、憲法に逆らおうとしている、情けないものだ。

日本国は立憲主義の法治国家であるから、憲法第14条の平等権規定と憲法第43条に定められた「国会議員は全国民の代表者」という規定を守るため、各都道府県の人口を無視して、都道府県から同人数の代表を選出する方式を採用することは、現在の憲法ではできないとされている。

参議院の選挙制度は、憲法の規定が、任期6年、三年ごとの半数改選であり、総定数242人。選挙区選出議員選挙(選挙区選挙)及び比例代表選出議員選挙(比例代表選挙)から構成される。選挙区選挙は、定数 146人(3年ごとに半数73人改選)、比例代表選挙:定数 96人(3年ごとに半数48人改選)である。選挙区選挙は、都道府県(全国47)の区域を単位(今回から合区あり)として選挙区を設置し、各選挙区の定数として、2人~10人(偶数)を配分する。

よく考えてみれば、二つの県の合区といっても、そこには、二人の議員がいて、3年ごとにどちらかが改選されるのであるから、3年ごとに交互に立候補すれば、両方の県から議員を出すことができるわけである。

合区対象県の知事からは、「地方としては、人口を増やす方向で県民一丸となって努力する」の一言でも言ってもらいたかったが、まったくそのようなコメントはニュースにならなかったことが、残念である。



資料

日本国憲法の抜粋
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第十四条  すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
○2  華族その他の貴族の制度は、これを認めない。
○3  栄誉、勲章その他の栄典の授与は、いかなる特権も伴はない。栄典の授与は、現にこれを有し、又は将来これを受ける者の一代に限り、その効力を有する。
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第四十三条  両議院は、全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する。
○2  両議院の議員の定数は、法律でこれを定める。
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第四十五条  衆議院議員の任期は、四年とする。但し、衆議院解散の場合には、その期間満了前に終了する。
第四十六条  参議院議員の任期は、六年とし、三年ごとに議員の半数を改選する。

その他資料

衆議院及び参議院における一票の格差