人間の性別を決める性染色体、男はXとY、女は、XとXを持つ。
女王(女親a)の性染色体をXaとXbとする。ここで女王(女親a)が女王の証として先代女王から受け継いだ遺伝子をXaとしよう。
女王の夫(男親a)の性染色体をXcとYaとする。
生まれる子の性染色体のパターンは4種類。
女子aは、XaとXc。女子bは、XbとXc。男子aは、XaとYa。男子bは、XbとYa。
女子aは、Xa遺伝子を持つので女王の資格があるが、女子bは、Xa遺伝子を持たないので女王の資格がない。Xa遺伝子を持つ女子が生まれてくる確率は1/4でしかない。
さらに、Xa遺伝子を持つかどうかは外見からはわからない。科学的には、21世紀の遺伝子検査技術でしか判定できないし、そのような検査をすることは21世紀では人道に反する。つまり、生まれた娘が女子aなのか女子bなのか判断することは、前世紀まてはできなかったし、これからもできない。したがってXa遺伝子が次の女王に引き継がれる確率は1/2となる。女王が世代を重ねるとその確率は1/2のべき乗となり、肝心のXa遺伝子がずっと先の娘女王に引き継がれる確率は、指数関数の速度で0に収束していく。結局、女王の系列(女王→娘女王→孫娘女王→以下続く一本線)でXa遺伝子を持つ娘女王は、数世代でいなくなるといえる。もちろん子孫すべての女性の遺伝子を調べ上げればXa遺伝子が見つかる可能性は高いのだが。
これに対し、子孫の男子のだれかを王する方法は、見た目だけで判断できる容易な方法である。タイトルにつけた「原始的理由」でもある。Y染色体の引継ぎという意味でも確率がすっと1(=絶対確実)である。
残るリスクは男子が生まれる確率が1/2であることだけである。しかし、このリスクを減らす様々な(社会的、法律的、人権的、生物的)方法が21世紀にはある。最も優先されるべきは個人の価値観である、次がその家族の価値観であり、社会の価値観なんぞは所詮他人の価値観にすぎないからその家族の価値観より優先されるべきではない。
No comments:
Post a Comment