Sep 23, 2017

国際司法裁判所に従わない国

国と国の関係では、国際法に従うのが当然と思いますが、実はそうでもないのです。

国連海洋法条約に基づくオランダ・ハーグの常設仲裁裁判所が、フィリピンの訴えを受けて、「南シナ海での中国の主権を認めず」との判決を出しましたが、中国はこの判決を無視すると宣言しています。中国はこの国連海洋法条約を1996年に批准しているにも拘わらずです。この裁判所には執行する権限はがありません。

常設仲裁裁判所と別の、オランダのハーグに本部を置く国際司法裁判所(International Court of Justice, ICJ)というものがあります。ややこしい。

日本と英国など70国は、国際司法裁判所に従う宣言、「選択条項受諾宣言」をしています。しかし、中国、ロシア、韓国、北朝鮮、ブラジル、ミャンマー、ガーナ、ドイツ、イタリアは始めからしていません。フランスは宣言を撤回していますし、アメリカ合衆国もニカラグア事件をきっかけに1985年にアメリカのレーガン大統領が宣言を撤回しています。

要するにアメリカ合衆国といえども、一点の曇りもなしとは言えません。もちろん、アメリカ合衆国は、中国やロシアよりずっとずっといいと思います。

中国、ロシア、韓国、北朝鮮に不用意に肩入れすると痛い目に会うのは、アルバニア、ウクライナなどの歴史を見れば良くわかります。国と国が絡む国際政治は、力と力のぶつかり合いで、強制力とは軍事力そのものなのです。金や技術協力は、相手を納得させるための手段です。信頼とは同盟関係とその歴史です。

中国、ロシア、韓国、北朝鮮はここ70年の歴史を見れば明らかですが、ほとんど信用できません。英国やドイツは遠すぎでなかなか助けてもらえません。歴史上、日本にとってドイツより英国が信用でき、英国よりアメリカ合衆国が信用できます。日本の唯一の同盟国で世界一の軍事力と経済力を持つアメリカ合衆国に見捨てられると日本は大変不安定な状況になってしまいます。アメリカ合衆国を中心とした自由主義の国でまとまり協力していくことが信頼を継続し強化する道でしょう。




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