Mar 12, 2015

廃炉まで入れるとやっぱり高い原発

老朽原発の廃炉決定のニュースが流れています。

利潤追求する企業体である電力会社としては、
「安全を確保した上で利益が出るかどうか」が判断基準です。

原発を反対する人も賛成する人も、安全確保には合意できます。

原発の安全確保を電力会社の費用で負担させ、
二酸化炭素排出による温暖化は嘘であることを暴露し、
発電会社と送電会社の分離を行い発電方式での自由競争をさせれば、
火力発電よりコストの掛かる原発は不採算事業となりますから、
電力会社は自主的に廃炉にします。

結論

原発再開や増設に賛成する人は、原発で儲けたい人だけです。

原発再開や増設をすれば、電気代と税金は確実に上がります。
国民の大多数にとって原発再開や増設は無駄金を使うことになります。

原発で儲けたい人、特に地元の人にお願いを申し上げます。

原発立地の地元にとって原発再開や増設をしなくとも、儲かる道はあります。
第一が廃炉作業です。これは20年以上続くので失業の不安はありません。
また、第二が、核廃棄物の保管事業です。これは、10万年続きます。

さらに、第三、原発跡地に採算の取れる火力発電所や風力発電所、太陽光発電所を建設することです。原発で用意した港設備、発電タービン、変電設備、送電設備はそのまま使えますから、火力発電への変更はことさら低コストでできて有利です。

ニュースリンク

玄海原発1号機、来週にも廃炉決定 2015年03月11日 09時49分 佐賀新聞

老朽5基 廃炉決定へ 4電力(中国、関西、九州、日本原子力発電)、18日にも一斉説明 2015年3月12日 朝刊 東京新聞から

運転四十年を超える老朽原発は安全対策にかかる費用が巨額になるため(追加費用を投資するより、新規発電所を建設したほうが安上がりで利益が出る、あるいはそもそも電力需要がない、だから老朽原発は赤字になるから)運転の延長を断念、廃炉にせざるを得ないと判断。


政府は原発の再稼働を推進する上で、老朽原発の廃炉を進め安全性向上への積極姿勢(もともと危険なものを使わないことで危険を回避したということで安全性向上ではなく、危険回避の消極姿勢)を示したい

原発廃炉:米国で相次ぐ 安いシェールの火力拡大から

米国では電力自由化に伴い発電方式ごとの価格競争が激化、シェール革命で火力発電のコストが安くなり、風力発電の採算も改善され、原発の優位性が低下、世界で最も多く原発を保有する米国でさえも、原発の廃炉が続いている。


日本の原発の廃炉について

【図解・経済産業】老朽化が進む原発(2014年9月)から

廃炉作業の期間は30~40年 (← これは、短すぎると思われる)
「廃炉費用は建設費用(4000億円前後)と同じくらい必要」(電力会社幹部)

廃炉作業の費用と期間に隠されている原発の真っ黒な現実。から

「解体先進国」英の原発  稼働26年 廃炉90年(1993年の作業開始から20年経過あと70年)
トロースフィニッド原発(23.5万kWと小さい)の廃炉にかかる総費用は約6億ポンド(約900億円)になるという。だがこれは、現段階での試算。あと70年間に、それがどうなるかは実は誰にも分からない。 

すでに廃炉を決定した日本の原発三基の甘すぎる見積もり

日本原子力発電東海原発(16.6万kW) 廃炉費用 850億円 2020年までの5年で完了予定
中部電力浜岡原発1号機(54万kW)、廃炉費用 330億円 2036年までの21年で完了予定
中部電力浜岡原発2号機(84万kW)、廃炉費用 511億円 2036年までの21年で完了予定

「原発廃止後の高レベル放射性廃棄物の恒久処理・隔離・管理に関しては未定」つまり費用が見込まれていない。


原発の廃炉費用の積み立ての仕組みから

電力会社は、原子力発電施設解体引当金に関する省令(平成元年通商産業省令第 30 号)に基づき、毎年度、原子力発電所一基毎の廃止措置に要する総見積額を算定し、経済産業大臣の承認を得た上で、発電所一基毎の発電実績に応じて解体引当金を積み立てることが義務づけられている(生産高比例法)。

福島第一の爆発事故で、安全基準が厳しくなり、老朽原発ほど、発電コストがかかるようになった。当初の予定より早く廃炉とするなら、廃炉費用の積立が未完のままだが、積立不足額は将来の電気料金で負担することになるが、それでも、電力会社としては、廃炉したほうが儲かると判断している。

もともと福島第一などは、とっくに耐用年数の40年を越えていて、それを延長して20年使い続けようとしていた。その20年が過ぎたらまた20年と延長していく、廃炉費用の積立も延長分だけ少なくできるから得だ、これは利益を出そうとする企業としては当然の姿勢だ。しかし、安全確保を置き去りにしている。原発に関して安全軽視の姿勢でやられると、当然今回の爆発事故に繋がるのだ。

英国の先例を見れば明らかだが、廃炉の費用と期間の正確な見積は不可能である。人間の歴史が示す事実では、廃炉はほほ間違いなく予算超過と期間超過となるだろう。何十年も遠い将来のことは判らないのだ。

原発の会計方式はデタラメ!?から

実際、多くの電力会社の2010年度会計とそれ以前との引当金方式の毎年の負担額の積み上げ推計分と、資産除去債務総額とはほとんど変わっていない。しかし、今回、経産省が現行のままだと廃炉費用が急増するとして、分割処理の方針を打ち出したことは、現在、資産除去債務として計上している廃炉費用総額自体が、計上不足であることを、経産省自体が図らずも認めた風に聞こえる。

やはり、日本での廃炉費用の積立額は、英国の廃炉の現実の費用に較べて少なすぎるようです。結局、壊すにはお金がかかりすぎるから、原発は解体せずそこに放置するしかないことになるだろう。

実際の積立額は、河野太郎 衆議院議員の資料がまとまっている

<<<ここから引用
ごまめ43
廃炉にお金が足りない!
平成元年に、運転を終了した原発は廃炉にする、ということが決まり、電力会社に対して、廃炉に必要な費用を四〇年かけて積み立てることを義務づけました。(それまでは使い終わった原発をどうするか決まっていませんでした!)
それぞれの原発が廃炉にいくら掛かるかは、使用している金属やコンクリートの量などに処分単価を掛けて算出されています。
廃炉コストが一番安いのが関電の美浜一号(三四万kW)の三一八億円、一番高く見積もられているのが浜岡五号(一三八万kW)の八四四億円。
これが正しいかどうかの検証も別途、必要です。
毎年の積立金は、それぞれの原子炉が実際に稼働した時間に応じて積み立てられることになり、年間の設備稼働率は七六%を基準とすることになりました。
つまり、年間稼働率が七六%より低い原発は、積立金額が本来積み立てるべき金額よりも少なくなってしまいます。その結果、よく問題が起きて、頻繁に運転を停止する原発ほど積立金額が少なくなり、四〇年経っても廃炉に必要な費用を積み立てることができません。危ない原発ほど長く稼働させることが必要になるのです。
福島第一原発の事故以前も、ほとんどの原発は稼働率七六%を下回っていましたから、このまま四〇年で廃炉にすると、廃炉費用が足らなくなります。だから原発を四〇年で廃炉にすることを電力会社はむやみといやがるのです。
電力会社が引き当てるべき廃炉費用の総額は、原発を持っている電力会社九社で合計二兆六二七五億円、それに日本原電(*)の一六二三億円を加えて、十社合計二兆七八九八億円です。
この総額から二三年度末までに引き当てた金額を差し引いた不足分は、電力九社合計で、一兆一九〇三億円、それに日本原電の不足分四〇九億円を加えて、十社合計一兆二三一二億円にのぼります。
もし、原発を再稼働せずに廃炉にすると、この廃炉費用の積立金不足の他に、各電力会社は、バランスシート上の原発関連資産の損失計上も必要になります。
つまり、廃炉費用積立金不足額+ウラン燃料の簿価+原子力発電設備の残存簿価の合計額を一気に損失に計上しなければなりません。電力会社ごとのその額は
北海道  三七九〇億円  
東北   四九七〇億円
東京 一兆一四九五億円
中部   三九七二億円
北陸   三一三五億円  
関西   六三一八億円
中国   一五三三億円
四国   一七八四億円
九州   四四〇七億円
電力合計四兆一四〇九億円
日本原電 二五五九億円
十社合計四兆三九六三億円
原発を再稼働せず廃炉にすれば、北海道、東北、東京の各電力会社と日本原電はそのまま債務超過になります。残り各社も債務超過寸前になるでしょう。
この他に、電力会社は、六ヶ所村で再処理工場を持っている日本原燃に出資しており、そちらの経営問題も非常に深刻です。
 エネルギー政策を転換すれば、電力会社が今のままで生き残ることはできません。発送電の分離を含め、抜本的な電力産業の改革と自由化が必要です。
*日本原電 原子力発電専業会社として設立され、一九六六年に日本初の商業用原発設立。
ここまで引用>>>

Mar 10, 2015

一日の食事は、ガソリン何リットル

成人一日の食事の摂取カロリーは

1,800 kcal~2,200 kcal

2,200 kcal
= 9.2048 MJ
= 2.5568 キロワット時
= 0.2660 Lのガソリン
= 0.2409 Lの軽油
= 0.2508 Lの灯油
= 0.3851 Kgの練炭
= 0.6392 Kgの木材
= 0.6016 Kgの木炭
= 0.2250 m^3の天然ガス

[メモ]
1カロリー = 4.184 J (熱力学)
1キロワット時 = 3.6 MJ
ガソリン 1L = 34.6 MJ
軽油 1L = 38.2 MJ
灯油 1L = 36.7 MJ
練炭 1Kg = 23.9 MJ
木材 1Kg = 14.4 MJ
木炭 1Kg = 15.3 MJ
天然ガス 1 m^3 = 40.9 MJ

[価格]

一日の食事2,200 kcal は、
食費なら 1000円から2000円 だが、
= 電気代なら50円
= 深夜電力なら31円
= ガソリン代なら35円
= 軽油代なら28円
= 灯油代なら18円
= 天然ガスなら37円

つまり、人間の食品となると、20倍から100倍まで高くなりますね。

[メモ]

キロワット時 = 19.43円 (第一段階料金、基本料金除く)
キロワット時 = 12.16円 (深夜電力B料金、基本料金除く)
ガソリン1L = 133円
軽油1L = 119円
灯油1L = 70円
天然ガス 1 m^3 = 165円

[おまけ]

一般消費者にとって熱量あたりのエネルギー価格は

 (安い) 灯油 < 軽油 < 深夜電力 < ガソリン < 天然ガス < 電気 (高い)


ガソリンと軽油が灯油より高い理由は、税金です。

電気自動車やPHV車は、深夜電力で走行しないと費用節約の意味が無い。

今のところ、燃料(灯油)による自家発電より電力を買ったほうが安い。
理由は、
発電効率が20%以下と思われるから採算割れする、
発電機が200万円程度するため初期投資が大きいから。

燃料費のかからない太陽光発電も日本では設備費用がまだまだ高い。

合理的に節約したいなら、灯油の暖房、給湯、コンロにするといいでしょう。

Mar 7, 2015

ビデオのリモコン

ビデオのリモコンもテレビのリモコンと同様に、使わないボタンが多い。

自分の好みに合わせたスッキリリモコンを考えた。


「情報」ボタンは、再生ソース名(HDD/DVD/BD)と録画タイトル、録画対象ソース(HDMI/WEB)、あるいは録画できる放送波種別・放送局・番組名を画面の上部のタイトルエリアに表示する。

「HDD/DVD/BD」を押すと、HDD/DVD/BDに録画したライブラリー選択のメニューが表示される。

「HDMI」ボタンは、オプションで、HDMIの入力(ゲーム機やパソコン画面)を録画でき、テレビにも表示できる。

「WEB」ボタンは、オプションで、内蔵プラウザで動画を試聴しそれを録画できる。


「d」ボタンと「青赤緑黄」のボタンはデータ放送用(自分は要らないが、営業的に必要かもしれないから残した)。

「チャンネル番号」ボタンは、実際にまったく使わないため、廃止した。ビデオレコーダーの場合、放送局の選択は、録画したい番組をキーワード検索することで用がほぼ足りる。手動で放送局チャンネルを選択する操作は、「メニュー」あるいは、「番組表」から出てくる画面でチャンネルを選択すれば十分だ。

ビデオの初期設定や録画予約、録画済みの番組の再生開始と再生停止、録画番組の管理は、「OK」とカーソルボタン、「戻る」「メニュー」「番組表」から行う。整然と整理された階層メニューにしなければならない。

再生中の番組の再生方法は、スキップ&ジャンプボタン、巻き戻し、再生/一時停止、早送り、一コマ戻し、逆転再生/一時停止、一コマ送り、再生速度(低速/高速/×1)のボタンで行う。

カラオケ練習やダンス練習や語学練習のために、反復再生機能を用意してある。「始点」を押すとその再生タイミングが反復の開始点となる。「終点」を押すとここが反復の終了点となり、1秒の間をおいてから反復が始まる。反復を解除したいときは、再生ボタンや早送りボタンなどを押すとよい。反復の単純な繰り返し、音声付きと音声なし(リピート・アフター・ミー練習用)を交互に繰り返すモードを選択できる。

音量関係のボタンは、テレビリモコンと同じにした。

テレビのリモコン

テレビのリモコンには、使わないボタンが多い。
自分好みのスッキリしたリモコンを考えてみた。




「情報」ボタンは、画面に放送波種別・放送局名・番組名・現在時刻などを表示。

「ビデオ/WEB」ボタンは、ビデオ機器(HDMI4系統 + アルファ)あるいはWEBブラウザ(オプション)への切り替えができる。「ビデオ/WEB」ボタン押下後、「チャンネル番号」ボタンでビデオ機器等を選択できる。

WEBブラウザはオプションであり、自分には不要だが、、、。

12個の「チャンネル番号」ボタンを廃止するかどうか検討したが、自分は「チャンネル番号」ボタンの位置で放送局を暗記してしまうから、残すことにした。そこで、「チャンネル番号」ボタンを活用するため、テレビが表示するメニュー画面で選択項目に番号もつけておき、「チャンネル番号」ボタンでも選択できるようにすることにしたい。

「二桁」と「三桁」のボタンは、桁数の多い放送局を選択する時に先に押してから「チャンネル番号ボタン」で数字を入れるためのボタン。このとき「チャンネル番号10」は「0」扱いされる。

「d」ボタン、「青」「赤」「緑」「黄」は、データ放送用のボタン。

「OK」と上下左右と斜め方向のカーソルは、メニューや番組表で注目点(ポインタ/カーソル)を移動し選択するためのボタン。「戻る」はテレビが表示するメニューで一つ前のメニュー画面に戻るときに押す。「メニュー」は、テレビのホーム・メニューを出すボタン。「番組表」は、放送波ごとの番組表を出すボタン。テレビのメニューでアンテナなどの初期設定や細かい微調整設定ができる。

WEBブラウザの操作は、「OK」とカーソル「戻る」で操作する。

「音声/言語」は、裏実況や、多国語放送での切り替え。字幕は、無し/日本語/英語/現地語などの切り替え。

ますます日本では英語が必要になるので、英語放送と英語字幕は日本人の英語力を底上げするために望ましいはずだ。



Mar 6, 2015

ニッケル水素電池の解説サイト

ニッケル水素電池の動作原理を知りたいから、あれこれ調査しています。

一番のおすすめサイトは、ここ (でも、放電と充電の説明にバランスが取れていない気がする)

Wikipediaの記事もあるが、説明が荒く、動作原理を知りたいという目的には、あまり役にたたなかった。

使い方の一番詳しい説明はメーカーのここ

メーカーの商品説明(会社合併があったので商品体系がややこしい)はここ

以下は自分のまとめ

電池構造

満充電の正極は、ニッケル水酸化物(NiOOH)
満充電の負極は、水素充填済水素吸蔵合金(MH)

放電済み正極は、水酸化ニッケル(II) (Ni(OH)2)
放電済み負極は、水素の無い水素吸蔵合金(M)

電池溶液は、水酸化カリウム(KOH)水溶液で、
カリウムイオン(K+)と水酸化イオン(OH−)に電離している。

放電

放電では、電子が、電池の負極から電池の外へ流れ出して、LEDを光らせるなどの仕事をしてから、電池の正極に流れ入る。

放電負極化学反応式(1) : MH  →  M + H+ + e− 

(右辺のH+ は、溶液へ溶け出す水素イオン)
(右辺のe− は、電池外へ流れ出す電子、この電子がエネルギーを持ち去り電池外で仕事をする)
(水素は、水素吸蔵合金内で既にイオン化しているため、この反応に要するエネルギーは極小)

放電負極化学反応式(2) :   H+ + OH− →  H2O

(左辺のH+ は、放電負極化学反応式(1)で溶液へ溶け出した水素イオン)
(左辺のOH− は、水酸化カリウム溶液の水酸化イオン)
(右辺のH2Oは、発生した水分子、これは、発熱反応である)

放電負極化学反応式(まとめ) : MH + OH− →  M + H2O + e−

放電正極化学反応式(1) : H2O →   H+ + OH−

(左辺のH2Oは、電池溶液の水分子)
(左辺のH2Oは、負極化学反応式(2)で生成される水分子を消費する)
(この式は、水分子の電離を意味する吸熱反応である、
 ただしニッケルの触媒作用で電離を行うため励起エネルギーは小)
(右辺のOH− は、負極化学反応式(2)で消費される水酸化イオンを補う)
(結局、この放電負極化学反応式(2)と放電正極化学反応式(1)は、
 発熱反応と吸熱反応でエネルギー的に、またイオン成分的にも打ち消し合う)

放電正極化学反応式(2): NiOOH + H+ + e−   →   Ni(OH)2

(左辺のNiOOHは、正極の成分)
(左辺のH+ は、正極化学反応式(1)で電離した水素イオン)
(左辺のe− は、電池外で仕事を済ませエネルギーを消費してから電池へ流れ込む電子)
(右辺のNi(OH)2は、固形物の水酸化ニッケル(II)で電極に付着)
(この反応は発熱反応であるが、電子が電池外で仕事をするのでその分の熱エネルギーは出ない)

放電正極化学反応式(まとめ) : NiOOH + H2O + e−   →   Ni(OH)2 + OH−

放電全体化学反応式 : NiOOH + MH → Ni(OH)2 + M  

(これは発熱反応であるが、発熱エネルギーの大半は外部電流として取り出される)

充電

充電では、電池の外から高電圧をかける。具体的には、電池より高い電圧をかけて、電池の負極に電子を流し込み、電池の正極から電子を吸い取る。

充電正極化学反応式(1):  Ni(OH)2  →  NiOOH + H+ + e−   

(この反応は吸熱反応である、電池外部からの強い吸引電圧によりエネルギーを与えられて反応が進む)
(左辺のNi(OH)2は、正極に付着している固形物の水酸化ニッケル(II))
(右辺のニッケル水酸化物(NiOOH)は固形電極となる)
(右辺の水素イオンH+ は、水溶液に溶け出す)
(右辺の電子 e-は、電池より強い電圧で電池の外へ吸い出される、その時点でエネルギーはない)

充電正極化学反応式(2) : H+ + OH− →  H2O 

(左辺のH+ は、充電正極化学反応式(1)で溶液へ溶け出した水素イオン)
(右辺のOH− は、水酸化カリウム溶液の水酸化イオン)
(左辺のH2Oは、発生した水分子、これは発熱反応である)

充電正極化学反応式(まとめ) : Ni(OH)2 + OH−  →   NiOOH + H2O + e− 

充電負極化学反応式(1) : H2O  →  H+ + OH−

(左辺のH2Oは、電池溶液の水分子)
(この式は、水分子の電離を意味する吸熱反応であるが、
 電離はニッケルの触媒作用で行うため要する励起エネルギーは小)
(この反応は、充電正極化学反応式(2)で消費された水酸化イオンを補い、余剰な水素イオンを発生する)
(結局、充電正極化学反応式(2)と充電負極化学反応式(1)は、
 発熱反応と吸熱反応でエネルギー的に、またイオン成分的にも打ち消し合う)

充電負極化学反応式(2) : M + H+ + e−  → MH  

(左辺のe− は、電池外から高電圧で流し込まれる(反応第一原因の)電子、この電子はエネルギーを持たない)
(左辺のH+ は、充電負極化学反応式(1) で生まれた余剰な水素イオン、負極の水素吸蔵合金へ侵入する)
(水素イオンは、エネルギーを使わずに水素吸蔵合金内へ侵入できる)
(電極内での電子と水素イオンの電気総量の平衡を保つための反応である)

充電負極化学反応式(まとめ) :   M + H2O + e−  → MH + OH− 

充電全体化学反応式 : Ni(OH)2 + M   NiOOH + MH

(これは吸熱反応であるが、吸熱エネルギーは外部電流から供給される)



Mar 4, 2015

哲学はなんの役に立つのか

「哲学はなんの役に立つのか」と疑問に思った人は多いだろう。

そもそも「哲学とは何なのか」はっきり判らない人も多いだろう。

だから、「哲学なんてちっとも知らないし、いままで知らないままで済まして来れたから、哲学というものは自分の役に立ってないね」となる。

でも、

「哲学はなんの役に立つのか」
とか
「哲学とは何なのか」
とか
こういう疑問を考えること自体が「哲学していること」だとしたら、
実は哲学は身近なものだったということになる。

私は、「考えに考えて結論が出て自分にとって正しい理屈だ、
だけど、万人にとって正しいと言い切れない理屈が哲学」と思う。

哲学者の著作を知識として学ぶことは、
人類の知性がどのように発展してきたかを知る良い機会になる。

昔の哲学者は、その当時の科学水準でその当時の疑問を考えたから、
科学の発展した現代人が読み返すと意味不明・理解不可能な理屈が多い。

どんな考え方が今も残り、人々に大切にされているかを知ることができる。

唐突だが、「職業としての学問」をしているサラリーマン先生は、ここで逃げてしまう。

ここから先の道を進むかどうかは、あなた自身が選ぶことになる。

ここから先は、自分で考え、自分の哲学を決めることになる。

自分で研究する哲学は、道楽である。
自分だけが納得すれば、当初の目的は達したのだ。

あなたが自分の哲学を、他人に知らせたければ、教えてみればいい、そんな程度のものだ。



ユニクロのすごさ

なんだか、ユニクロが、アパレル業界のアップルのように見えてきた。

歴史

日本にありながら、30年間も成長し続ける
1984年、広島にユニクロ1号店
2014年末時点 グループ合計 2866店
単純計算で 1年当たり100店弱が開店

2014年8月期実績

グループ全体売上 1兆3829億円。国内が7156億円。海外4136億円。

国内アパレル1位(シェア7~8%)、世界5位。

日本のアパレル産業

約1万3000社。
市場売り上げ規模 9兆~10兆円

カリスマ

柳井 正 ファーストリテイリング代表取締役会長兼社長。

入社式を行い、柳井正会長兼社長が「国や文化の違いを超え、服を通じて世界をよい方向に変えていこう。何回失敗してもあきらめず、チャレンジし続けることが大事だ」と激励。


ポリシー


外から見たポリシー

消費者にとって一番良いものを提供している
常に消費者目線に立った結論と実行

優秀な人材を得て製品がどんどん進化

製品だけでなく、製造・流通・販売すべてで卓越している

「ユニばれ」とか「ユニかぶり」対策ができた
ファッション性を無理に追求していない
ユニクロの商品はすでに日用品

「ブラック企業」扱いも対策されてきた。

参考 なぜユニクロは批判されても売れ続けるのか

日本は戦争してはいけない

日本は戦争してはいけない」これは、常識であるが、何度でも再確認しておきたい。

戦争をしない理由は、大多数の人々にとって戦争で失うものが多すぎるからである。

他国のテリトリーへ攻め込む戦争(侵略戦争)で長期的に勝利することは、きわめて難しい。

人類の歴史上、侵略戦争での最終勝利は殆ど無い。明治維新後の日本の戦争史を見れば明らかだが、日本が得た植民地はすべて放棄させられている。日本に勝利したアメリカでさえも対外戦争では、敗北を重ねている。

戦争でリアルに殺し合いをさせられる下級の兵隊や、とばっちりで殺される民間人だけが、苦しむのだ。戦争で儲かるのは、死の商人(兵器、武器関係)と戦争を支援する銀行家と攻撃命令を下す権力者だけである。私達は、死のゲームに付き合う必要はない。



日本は、その生存を貿易に依存している商業国家である。

鉱物資源、エネルギー資源と食料の輸入、さらに、機械・部品の輸出で生活している国である。
戦争をしてしまえば、貿易が止まり生存が危うくなる。

日本が、戦争をせざるを得ないときは、他国からの侵略され、生存を脅かされた場合、対抗するための防衛戦争だけだ。

そして、その防衛戦争さえも、平和的に回避することが賢明である。

平和の維持策(=戦争の予防策)が大切である。
  1. 約束を守り信頼される国として自らが振る舞う。
  2. 外国からの侵略されないよう、国境の守備を固めて隙を見せない。
  3. 強力で信用できる国と同盟関係を結ぶこと。
  4. 貿易相手の諸国と友好条約を維持すること。
  5. 敵愾心をむき出しで来る国に対しても不用意に緊張を高めない。
強力で信用できる国とは、世界的に強国で、約束=条約を守り日本を攻撃しない国である。この条件をほぼ満たす国は、アメリカ合衆国だけである。中国、ロシア、韓国、北朝鮮などの隣国は、強力で信用できる国ではない。だから日米安全保障条約が重要だ。

アメリカに対する日本の立場は、属国的地位であることも事実である。精神的には、プライドを傷つけられる点でもある。こうなった原因は、日本がアメリカに戦争で直接的に負けたからだ。また現実として、国力において日本はアメリカの半分以下である。だから、同盟関係をを受け入れることは、平和の維持策として合理的と判断しなければならない。絶対に譲れないことは、プライドより国家の安泰である。

ところで、国境を越えた安全な貿易路の確保については、悩ましい問題が多い。外国からは国防軍として見られている自衛隊を、出来る限り国外での戦闘に巻き込まないように、外交していかないとならない。

参考 : 日本人は、「本当の戦争の現場」を知らない 本当の戦争の話をしよう

人間には自由意志があるのか

ここでいう自由意志の定義は、「行動・発言をする前に、その行動・発言をするとはっきり自覚してから行っていること」です。

池谷裕二(いけがや ゆうじ)さんの著作「脳には妙なクセがある」に書かれた説では、科学的に精密に観察した結果、人間に「自由意志」はないと結論付けられるとのこと。

例えば、「ボタンを押す」という行為も「押そう」という意思が生まれる7秒から10秒前には、脳が指を動かす指令をだす→指の筋肉が準備をする→「押そう」という意思が生まれるという順番。”押したくなった時はもう脳の中で押す準備が整っています”とのこと。

環境からの感覚刺激(視覚、聴覚、嗅覚、触覚、温覚など)があると、無意識の内に反応行動のパターンが選択されて行動の準備がされてしまう、その後に脳内の心に感覚が認識され、そしてその反応行動をしようという意志が感じられるという説明です。

簡単に言うと、無意識の内にいつものパターンで反応してしまうのが人間であるとのこと。

誰が見ても恵まれた人生を過ごす池谷さんからのアドバイスは、「10年も先の遠い未来の夢を叶えることは自分でもできなかった、ただ、目の前のことを懸命にやって来たらこうなったから、みなさんもそうしたらいいのでは」です。

さらに、良い人生を過ごすには、「無意識での行動選択の質をよくするために、知識を増やし、良い行動とは何かを考え、演劇のように練習し、実際に経験を積むこと」という主旨のことも発言されているようです。

また、「人間は自己を正当化していないと行きていけないから、人間の心は自己を過大評価してしまう癖があるが、過大評価にこだわらず、なるようになると気楽にしてはどうか」という主旨のことも発言されているようです。

参考 よりよい未来に「やりたいこと」は必要か?



Mar 3, 2015

素粒子理論の概要

1. 素粒子理論の概要

1.1 素粒子の分類

原子核以下の世界の粒子を分類する。
グループの階層を低いものから高いものへ、グループ、族、類と呼ぶことにする。

ただし、存在が実証され多くの物理学者に支持されている主な粒子を扱う。

素粒子たちは、これ以上分解できない純粋な素粒子(以下単に「純素粒子・類」と呼ぶ)と、
複数の素粒子が結合して一つの粒子てとして見える「複合粒子・類」、および、
複数の粒子集団を一つに見立てた「準粒子・類」に区分される。

(a) 純素粒子・類

純素粒子・類は、フェルミ粒子・族とボース粒子・族に分類される。

フェルミ粒子・族は、スピン角運動量の大きさがħの半整数 (1/2, 3/2, 5/2, …) 倍の純素粒子・類である。
ボース粒子・族は、スピン角運動量の大きさがħの整数倍の純素粒子・類である。

 [フェルミ粒子・族, ボース粒子・族  ∈ 純素粒子・類]

(a.1) フェルミ粒子・族

フェルミ粒子・族は、クオーク・グループとレプトン・グループに分類される。

 [クオーク・グループ, レプトン・グループ ∈ フェルミ粒子・族 ∈ 純素粒子・類]

(a.1.1) クオーク・グループ

クォーク・グループには、6種類の粒子があり、
アップ、ダウン、チャーム、ストレンジ、トップ、ボトムである。
クォークは、単独で取り出すことは不可能であるとされる。

クォークの性質は、質量があり、電荷が、+2⁄3 e, −1⁄3 eと分数になり、
スピンが1⁄2と半整数になり、色荷があり、バリオン数が1⁄3と分数になる。

クォークの反物質は反クォークである。

 [クオーク・グループ ∈ フェルミ粒子・族  ∈ 純素粒子・類]

(a.1.2) レプトン・グループ

レプトン・グループには、反物質を合わせて12種類の粒子があり、
電子と陽電子、
ミュー粒子と反ミュー粒子、
タウ粒子と反タウ粒子、
電子ニュートリノと反電子ニュートリノ、
ミューニュートリノと反ミューニュートリノ、
タウニュートリノと反タウニュートリノがある。

 [電子         ∈ レプトン・グループ ∈ フェルミ粒子・族  ∈ 純素粒子・類]
 [ミュー粒子   ∈ レプトン・グループ ∈ フェルミ粒子・族  ∈ 純素粒子・類]
 [ニュートリノ ∈ レプトン・グループ ∈ フェルミ粒子・族  ∈ 純素粒子・類]

電子の性質は、質量があり、電荷は-e、色荷を持たず、スピンが1⁄2と半整数になり、レプトン数は1である。

電子の半径は、素粒子の標準模型では0されている。実験では、上限値: 1.0 * 10^−22 mが得られている。

(a.2) ボース粒子・族

ボース粒子・族は、ゲージ粒子・グループとスカラー粒子・グループに分類される。

 [ゲージ粒子・グループ, スカラー粒子・グループ  ∈ ボース粒子・族 ∈ 純素粒子・類]

(a.2.1) ゲージ粒子・グループ

ゲージ粒子・グループには、4種類の粒子があり、
光子、 ウィーク・ボゾン(WボソンとZボソンの二種)と、グルーオンがある。

 [光子       ∈ ゲージ粒子・グループ ∈ ボース粒子・族  ∈ 純素粒子・類]
 [Wボソン    ∈ ゲージ粒子・グループ ∈ ボース粒子・族  ∈ 純素粒子・類]
 [グルーオン ∈ ゲージ粒子・グループ ∈ ボース粒子・族  ∈ 純素粒子・類]

素粒子物理学のゲージ理論によると、
ある粒子とある粒子の相互作用とは、
その粒子の間でゲージ粒子が交換されることであり、
それによって粒子間に引力や反発力が生じるとされている。

光子は、電磁相互作用を媒介する素粒子で質量が0、電荷0、スピン1、ただし運動量がある粒子である。運動量があるから質量が0でもエネルギーがある。

ウィーク・ボゾンは、弱い相互作用を媒介する素粒子で、
ごく短時間のうちに別の粒子に崩壊してしまう。

Wボソンは、陽子の約80倍の質量があり、スピン1の粒子で、電荷の違いでW+とW-の二種類がある。
W+とW-は互いに反粒子の関係にある。
Zボソンは、陽子の約90倍の質量があり、電荷が0、スピン1の粒子で反粒子は自分自身である。

グルーオンは、ハドロン内部でクオークの強い相互作用を媒介する質量が0、電荷0、スピン1の粒子である。
グルーオンは、色荷(カラー)と呼ばれる量子数を持ち、その違いによって全部で8種類のグルーオンが存在する。
グルーオンは、人類の技術力程度では単独で取り出すことは不可能であるとされる。

(a.2.2) スカラー粒子・グループ

スカラー粒子・グループには、1種類の粒子があり、
ヒッグス粒子(Higgs boson またはヒッグス・ボゾン)である。

 [ヒッグス粒子 ∈ スカラー粒子・グループ ∈ ボース粒子・族 ∈ 純素粒子・類]

しかし、ヒッグス粒子は、まだ発見されていない理論上の粒子である。
ヒッグス粒子はスピン 0 のボース粒子である。
ヒッグス粒子は素粒子の質量を説明することができる粒子である。

(b) 複合粒子・類

複合粒子・類は、ハドロン・族、原子核・族、その他・族に分類できる。

 [ハドロン・族, 原子核・族, その他・族 ∈ 複合粒子・類]

(b.1) ハドロン・族

ハドロン・族は、バリオン・グループと中間子・グループに分類できる。

 [バリオン・グループ, 中間子・グループ ∈ ハドロン・族 ∈ 複合粒子・類]

ハドロン・族は、クオークが強い相互作用で結びついた複合粒子のグループである。

(b.1.1) バリオン・グループ

バリオンは、3つのクォークとグルーオンから構成される粒子であり、
スピンが1⁄2と半整数である。

バリオン・グループには、
陽子と反陽子、中性子と反中性子、
さらに、
まだ観測されていない理論上の粒子も含めて、
4種類のデルタ粒子とその反粒子、
4種類のラムダ粒子とその反粒子、
12種類のシグマ粒子とその反粒子、
16種類のグサイ粒子とその反粒子、
10種類のオメガ粒子とその反粒子
がある。

 [陽子, 中性子 ∈ バリオン・グループ ∈ ハドロン・族 ∈ 複合粒子・類]

陽子は、電子の約1836倍の質量があり、電荷は+e、色荷を持たず、スピンが1⁄2の粒子である。
陽子は平均寿命が極めて長くこの宇宙のビックバン年齢より長い。

中性子は、電子の約1838倍の質量があり、電荷は0、色荷を持たず、スピンが1⁄2の粒子である。
単独の中性子は、平均寿命が885秒であり比較的短い。
ただし安定した原子核中の中性子は、見かけの寿命が、陽子程度に極めて長くなる。
その理由は、陽子と中性子がπ中間子を絶え間なく交換すること(強い相互作用)で絶えず相互に変換しており、
変換後の中性子は生まれたての中性子となり、平均寿命の885秒に到達しないためとされている。

陽子と中性子の質量はほぼ等しいが、陽子が中性子より電子二個分程度だけ軽い。

陽子と中性子の半径は、約 1.2 * 10^ -15 m = 1.2 fmとされるが、
3つのクォークとグルーオンから構成される陽子や中性子という空間の半径と考えなければならない。

不確定性原理により,プランク定数hを粒子(例:π中間子)の質量エネルギーmc^2で割って得られる
10^(-23)秒位の時間内ならば、エネルギー保存則に反して中間子が現れることができる。
(プランク定数の単位から質量エネルギーと時間の不確定性をうんぬんすることは、正しくないというような議論はあちこちで見つかるが、この計算方法で得られる仮想中間子の到達距離と陽子の実験で求められた半径はとても近いのも事実 2016/11/7)

陽子と中性子以外のバリオンの平均寿命は、10のマイナス10乗程度と極めて短い。

(参考: 原子核の崩壊 http://www.th.phys.titech.ac.jp/~muto/lectures/INP02/INP02_chap04.pdf)

(b.1.2) 中間子・グループ

中間子は、メソンともいう。

中間子は、クォークと反クォークのペアによって構成される粒子であり、
スピンが整数(0, 1, ...)である。

中間子の平均寿命は、10のマイナス8乗からマイナス24乗程度(ナノ秒単位)と極めて短い。

中間子は、π中間子やその他(反粒子を入れて30種類ほど)がある。

π中間子は、スピンが0である。
π中間子には、π0、π+、π−の3種類(電荷の違い)がある。
荷電π中間子の質量は約139 MeV/c2、π0はわずかに軽く、質量が約135 MeV/c2。

π中間子は、陽子と中性子を原子核中で束ねている強い相互作用を伝達している。

 [π中間子 ∈ 中間子・グループ ∈ ハドロン・族 ∈ 複合粒子・類]

(b.2) 原子核・族

元素の原子核である。

 [ 原子核・族 ∈ 複合粒子・類]

原子核は、陽子と中性子で構成されている。
陽子の数が原子番号に相当し、原子の化学的性質、
つまり原子核の電荷を決定し、原子としての電子の数も決定する。

陽子と中性子の合計数が原子核の質量数を示す。

原子核の半径は、水素の原子核(つまり陽子)で、約 10^ -15 m = 1 fmである。
より重い原子核では、その質量数のほぼ1/3乗に比例する大きな半径となるが、
大きく重い原子核、たとえば鉛でも、10 fm を下回る。

原子核の厳密な質量は、陽子と中性子の単独の質量の合計より少ない。
理由は、陽子と中性子の安定結合により余剰エネルギーを解放・放射したためである。
原子核の質量を計算するヴァイツゼッカー=ベーテの半経験的質量公式がある。

全ての核種の中で最も安定な原子核は、ニッケル62(陽子28個、中性子34個)の原子核である。

 [ 水素       ∈ 原子核・族 ∈ 複合粒子・類]
 [ 重水素     ∈ 原子核・族 ∈ 複合粒子・類]
 [ ニッケル62 ∈ 原子核・族 ∈ 複合粒子・類]

(b.3) その他・族

その他・族には、異種原子・グループ、ハイパー核、ダイクォーク、 原子、分子、イオン、超原子、超分子がある。

異種原子・グループには、ポジトロニウム ・ ミューオニウム ・ パイオニウム ・ プロトニウムがあるが、
説明は省略する。

 [ その他・族 ∈ 複合粒子・類]

(c) 準粒子・類


準粒子・類には、ダヴィドフソリトン、励起子、マグノン 、
フォノン、プラズモン、ポラリトン、ポーラロン、ロトンがあるが、
説明は省略する。

 [フォノン    ∈ 準粒子・類]
 [プラズモン  ∈ 準粒子・類]

フォノン、プラズモンは、固体物理の理論で出てくる。

1.2 フェルミ粒子とボース粒子

素粒子のスピン角運動量が半整数であるか整数であるかで、フェルミ粒子とボース粒子を区別する。

これ以上分解できない純素粒子・類をフェルミ粒子・族とボース粒子・族に分類できた。

また、複合粒子・類も、スピン角運動量によって、フェルミ粒子とボース粒子に分類できる。

1.2.1 フェルミ粒子

フェルミ粒子は、スピン角運動量の大きさが、
ħの半整数 (1/2, 3/2, 5/2, …) 倍の粒子である。

レプトン・グループの代表の電子、さらに、
三個のクオークから構成されるバリオン・グループの陽子と中性子が
フェルミ粒子の代表である。

イタリア=アメリカの物理学者エンリコ・フェルミ (Enrico Fermi) に由来して、
フェルミ粒子は、フェルミオン(Fermion)とも呼ばれる。

(a.1)パウリの排他原理

フェルミ粒子は、1つの系内で2個の粒子がある同じ量子状態になることが許されない。
これを、パウリの排他原理という。

具体例には、フェルミ粒子である電子は、原子の周囲の1つの軌道には、
互いに逆向きのスピンをもつ2個の電子しか入ることができない。

(a.2)フェルミ=ディラック統計

熱平衡状態にある同種のフェルミ粒子からなる系が従う量子統計を
フェルミ=ディラック統計という。

以下概略だが、同種粒子N個からなる系を扱う場合、
粒子間に働く相互作用が非常に小さいとみなせるならば、
粒子は独立の運動をすると考えられる。
この粒子の運動は、量子力学では1粒子に対する
シュレーディンガー方程式を満たす波動関数として記述できる。
これを1粒子状態という。
それらをエネルギーの低いものから順に番号づけし、
エネルギーの値をε1、ε2、...とする。
各粒子はこれらの許される状態のどれか一つをとる。
量子力学でも、同種粒子の区別はできないので、
N粒子からなる系のある一つの量子状態は、
各1粒子状態に粒子が何個ずつ入っているかによって指定される。
この数を占有数という。
この占有数が0または1しか許されない場合をフェルミ統計という。

(a.3)フェルミ縮退

フェルミ縮退(degenerate matter)とは、
フェルミ粒子がフェルミ分布に従うために低温で示す振る舞い。

人間の常識的感覚(古典理論)では、
温度、すなわち全粒子の平均運動エネルギーを下げていくと、
全粒子も平等にできるだけ低いエネルギー状態へ移っていこうとすると感じる。

しかし、フェルミ粒子の系では、パウリの排他原理により、
エネルギーの低いほうから状態の種類を並べて、
低い方の状態から順に粒子がそこを専有していくので、
全体があるエネルギーより低くなることができなくなる現象。

(a.4) 金属の自由電子

また、金属の自由電子は、
パウリの原理に従う自由電子気体(理想フェルミ気体)としてモデル化される。
自由電子の平均自由行程は、1cm以上とされ、
周期的な配列の金属イオン殻には散乱されない、
ただし、他の自由電子に散乱される。

金属の自由電子は、室温程度ではフェルミ縮退している。
フェルミ縮退のため、自由電子の熱容量(金属の比熱)は、
古典粒子として考えた場合よりもずっと小さい値になる。

自由電子のフェルミエネルギーとは、
基底状態(絶対零度)において、電子によって占められたエネルギーで
最高の準位(軌道またはバンド)のエネルギーであり、
10のマイナス11乗エルグ(数eV)程度である。

フェルミ温度とは、フェルミエネルギーを温度で表したものであり、
10の5乗[K]程度と室温よりずっと高い。

金属ナトリウムのフェルミ速度は、
1.03×10の8乗[cm/sec]
フェルミエネルギーは、4.81×10のマイナス12乗エルグ(3.01eV)である、
フェルミ温度は、3.49 × 10の4乗[K]。

したがって千度程度の加熱で、
金属の自由電子が水のように沸騰するようなことはない。

1.2.2 ボース粒子

ボース粒子の代表例は、ゲージ粒子・グループの光子である。
中間子もボース粒子である。
フォノンやマグノンのような準粒子、超伝導に関与するクーパー対もボース粒子である。

ボース粒子は、スピン角運動量の大きさが、
ħの整数倍(0, 1, 2, …)の粒子である。

偶数個のフェルミ粒子から構成される系は、
スピン角運動量の合算により、
一つのボース粒子と見なすことも出来る
(電子のクーパー対、ヘリウム3のクーパー対)。

ボース粒子は、1つの系内であっても
同一の量子状態をいくつもの粒子がとることができる。

インドの物理学者、サティエンドラ・ボース (Satyendra Nath Bose) に由来して、
ボース粒子・族は、ボソンまたはボゾン (Boson) とも呼ばれる。

(b.1)ボース=アインシュタイン統計

熱平衡状態にある同一種のボース粒子からなる体系が従う量子統計を
ボース=アインシュタイン統計という。

粒子を小球とし、1粒子状態を器で表すとする。
2個の球を3個の器に分ける場合、
球がA,Bと区別できるときには各球が三つの器のどれに入るかで
3×3=9通りが可能だが、
区別できないと図の(2)のように、
2球とも同じ器に入る場合が3通り、
別の器に入る場合が3通り、計6通りしかない。
ボース=アインシュタイン統計ではこの6通りを考える。

(b.2)ボース=アインシュタイン凝縮

ボース=アインシュタイン凝縮 (Bose-Einstein condensation) は、
多数のボース粒子が一つの量子状態を占めることで現れる物質の状態である。

ボース=アインシュタイン凝縮は、外部ポテンシャルによって閉じ込められ、
弱く結合しているボース粒子の希薄気体が、絶対零度近くの低温まで冷やされたときに生じる、
外部ポテンシャルの最低の量子状態であり、
個々の粒子の微視的な量子状態の効果が、
巨視的なスケールの粒子集団の凝縮現象として発現する。

固体、液体、気体、プラズマという物質の四相に加えて、
ボース=アインシュタイン凝縮は、第五の相とも言える。

例は、ボース粒子であるヘリウム4による超流動現象。粘性が0となり、流動性が高まり、
容器の壁面をつたって外へ溢れ出たり、原子一個が通れる程度の隙間に浸透したりする現象。

電気抵抗が0となる超伝導現象を説明するBCS理論では、
電子の対であるクーパー対がボース粒子として振る舞い、
ボース=アインシュタイン凝縮が起きているとみなす理論である。


Mar 1, 2015

便漏れゼロ社会を目指す

要介護者の排便・排尿の清潔化・短時間化・省力化は、とても介護コストを低下させ日本を元気にするために重要な技術と言えます。

良い記事があったので紹介します。

うんこ「10分後に出ます」世界の悩みを解決する画期的デバイス、日本の教授たちが開発『D free』

便意を予測する発明ディーフリー(D Free)は技術的特異点を迎える人類への試金石ではないだろうか?

嫉妬するより努力する人が4倍いるのが日本だ

人に嫉妬しその足を引っ張り自分と同じ低レベル落としてやろうとする
人間として嫌われる行為である。

嫉妬することを勧める記事が
ピケティの言う格差上位1%、日本では金融資産だけで少なくとも1億円超、年所得のみなら約5千万円超

その支持者は、21人

また、勝利を讃え、勇気をもらい自分もあとに続こうと努力する。
人間として信用される行為である。

勇気を感じる記事が
金持ちは悪人とか、優遇されてるとか、決めつけてる人に捧ぐ

その支持者は83人


83/21 ≒ 4 だから、

嫉妬するより努力する人が4倍いるのが日本である。
日本にはまだまだ明るい未来があるといえる。

この4倍がさらに、5倍となりどんどん増えていくことを望む。


どこまで真実なのか自分で調べるしか無い

こんな記事が出ていた。
「日本は金持ちの税金が高い」は嘘! 医者、大企業、投資家に有利な税制
が、しかし、本当なのか、冷静に考えてもらいたい。

記事「実は日本の税制には抜け穴があり、その抜け穴からとるべき税金が漏れている」
提案「実は日本の税制には抜け穴があり、その抜け穴からとれる税金が漏れている」

考察「べき」というのは、いいすぎではないか。

記事「たとえば、先進主要国の国民所得に対する個人所得税負担率を見ても、日本は7.2%。アメリカ、ドイツ、フランスはどこも国民所得比で10%以上の負担がある。イギリスにいたっては13.5%で日本の約2倍なのだ。」
提案「たとえば、先進主要国の国民所得に対する個人所得税負担率(全国民の平均)を見ても、日本は7.2%。アメリカ、ドイツ、フランスはどこも国民所得比で10%以上の負担がある。イギリスにいたっては13.5%で日本の約2倍なのだ。日本では低所得者が所得税を支払っていないあるいは税率が極めて安いことが主な原因ではないのか。

記事「先進国の所得税収の大半は、富裕層が担っている。だから国全体の所得税負担率が低いのは日本の金持ちがどれだけ税金を払っていないかということになる」

考察 先進国で成り立つ議論がそのまま日本で成り立つほど現実は単純ではない、ここに騙しがある。

記事「具体的には、配当所得の分離課税と開業医の優遇税制だ。」

考察 配当所得の分離課税は、20%である。所得税の税率が20%を超えるのは、所得が330万円を超え 695万円以下のときであるから、平均所得者の税率である。だから配当所得20%は、優遇でも何でもない。よく考えてみると、銀行預金の利子所得にも同じ20%の税率がかかっている。だから、この記事には、あなたの嫉妬という劣情に訴える卑しい下心がある。しかも、企業は利益に対して法人税を支払った後の残金から配当所得を支払っているので、配当所得には二重課税となる側面がある。

考察 配当所得に累進課税をしている国など世界中どこにもない。もし配当所得に累進課税をかけたら、日本の株式市場は崩壊して資金はすべて外国へ流出する。同時に日本経済が崩壊する。配当所得への累進課税は極めて愚かな話しである。

考察 開業医の優遇税制(社会保険診療報酬の72%を経費として認める簡易会計制度)についてもは、私も反対である。開業医だから例外扱いすることは制度の複雑化と利権化を招くのでリバタリアンとしては原則反対である。だが、この優遇税制があってもなくても税収に大差はないとも言えかもしれない。

記事「「試験研究費の特例」とは「大企業の20%減税」だった」

考察 これも悪意あるミスリードである。試験研究費の特例は中小企業にも適用されている。試験研究するかしないかは企業の自由で経営者の才覚である。


記事「大企業が稼ぐだけ稼ぎ、その金を自社の口座に貯め込むばかりで社会にまったく還元してこなかったことが、今の日本社会の疲弊を招いているのである」

考察 これも悪意あるミスリードであり経済について何もわかっていない人を煽り騙している。企業が溜め込んだ資金は、銀行口座に貯められるのは、この記事も認める事実だ。銀行預金は、銀行が融資する資金となる。だから世の中で金を必要とする人に貸し出されるのであるから、日本経済は金が回るのだ。貸出のプロである銀行が貸すのだから当然のことだが、返済が見込める有望な人に低利で貸し、返済が滞りそうな人には高利で貸し出す、返済の見込みがない人には貸し出さないのだ。アタリマエだが、お金を貸して欲しければ、返済の見込める人になれるよう努力するしかないのだ。

記事「その複雑さから利権の巣窟になりやすい租税特別措置」

考察 これは、リバタリアンとしても同意できる原則である。しかし、租税特別措置による税収の増減と経理コストの増減と徴税費用(=税務署員の給与)のプラスマイナスで判断(それも10年毎に見直し)することが合理的だ。

自己顕示欲を自覚する

ナイスな記事を見つけたので紹介します。

お客様は神様じゃないけどお客様