あたりまえのこと、
「新幹線は自動車より早い」
を、いまさらながら理由を考えてみる。
そこから、盲点だった可能性が見えてくることもある。
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1. 車体の違い
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普通の自動車の設計速度は、新幹線より元々遅い。
しかし、新幹線より速い速度を出せる自動車
(スーパーカー、レーシングカー)もある。
そこで、加速性能を表す
車体重量と動力(モーター、エンジン)の出力の比率
パワーウェイトレシオを
計算した。
新幹線 N700系 715t 17080 KW (30.8 Kg/PS)
営業最高速度 300km/h
トヨタ マークX350S 1,825kg 234 kW(318 PS) ( 5.73 Kg/PS)
推定最高速 250km/h
トヨタ Vits F 1.0L 1,245kg 51 kW( 69 PS) (18.0 Kg/PS)
推定最高速 150km/h
加速力は、自動車が圧倒的である。
新幹線の加速は弱い、
しかも営業運転では、
席を立って移動する乗客の安全のために
さらに加速を弱くしている。
新幹線は、加速は遅いが、
加速し続けることで、
最高速が自動車より早い。
新幹線には変速ギアが無い、
モーターの性質
(どの回転速度でもそれなりに力が出る)
により変速ギアが不要。
自動車には変速ギア(または変速機構)があり、
最高速度より加速力を重視した
設計にしている。
新幹線は、へびのように細長く、
自動車は、ずんぐりしている。
新幹線 N700系 前方投影面積(W*H) 12.1 [m2] 全長 404.7 m
トヨタ マークX350S 前方投影面積(W*H) 2.57 [m2] 全長 4.75 m
トヨタ Vits F 1.0L 前方投影面積(W*H) 2.54 [m2] 全長 3.89 m
新幹線 N700系 スリム率 33.4 = 404.7/12.1 [1/m]
トヨタ マークX350S スリム率 1.84 = 4.75/2.57 [1/m]
トヨタ Vits F 1.0L スリム率 1.53 = 3.89/2.54 [1/m]
新幹線は、
前方投影面積に対する
動力(モーター、エンジン)の出力の比が
極めて小さく、
動力に対する空気抵抗が
自動車より極端に少ない。
新幹線 N700系 スリム率 0.000708 = 12.1/17080 [m2/kW]
トヨタ マークX350S スリム率 0.01098 = 2.57/234 [m2/kW]
トヨタ Vits F 1.0L スリム率 0.0498 = 2.54/51 [m2/kW]
(側面と上面、底面の空気抵抗は無視して計算していない)
新幹線は動力の大半を推進力(車輪の摩擦にのみ)に利用できている。
自動車は動力のかなりを空気抵抗に消耗している。
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2. 道路と線路の違い
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- 道路は、遅い車と早い車が混じっていて、衝突の危険が多い
- 新幹線は線路上を安全な間隔(先行車が見えない)で走行
- 道路では、割り込みする車がある
- 線路では割り込みする車両はいない
- 道路には時刻表が無い
- 新幹線は、時刻表で衝突しないように管理
- 道路はでこぼこが多い
- 線路はでこぼこがほとんどない。
- 道路は信号が多い
- 線路の信号はあっても、間隔がとても広い
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3. 省エネの可能性
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新幹線は、省エネの優等生である。
自動車の燃費をさらに良くするには、
前方投影面積を小さくすることが好ましい。
つまり車体を低く幅も狭くする必要がある。
つまり、スポーツカーのような
形状にする必要がある。
乗員の乗りごこちを
確保しながら、
低く狭くすることを
検討しなければならない。
仮に高速道路で車体を連結して走行できると
省エネ性能は大きく向上できると思うが
連結と切り離しの技術的問題よりも
事故、トラブルでの責任分担の
人間的問題が解決できないため
一般車両では実現はほぼ不可能と思われる。
ただし、
二両連結されたトレーラーは
今すでにあるため、
大手運送会社の場合は
二両以上の連結で
省エネの可能性が出てくる。
特にトラックのディーゼル燃料の高騰は
避けられない課題のため、
高速道路や幹線国道専用の
空気抵抗に配慮した二両連結以上のトレーラーは
実用化する意義がありそうである。
参考までに
1両1人で電気代が賄える新幹線
という、記事を紹介しておく、
私がこの記事から分かることは、
- 新幹線や鉄道の料金は高すぎる -
- つまり、もっと値下げしなければならない -
ということなのだが、
書いている人は鉄道会社(JR)上がりの人
なのでそんな気はないようだ。
私は、この人の結論、
「国内の主要都市間の旅客輸送は、
鉄道が担う方向に進めることが、正しい」
という意見も一概に正しいとは
言えないと思っている。
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