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Mar 6, 2015

ニッケル水素電池の解説サイト

ニッケル水素電池の動作原理を知りたいから、あれこれ調査しています。

一番のおすすめサイトは、ここ (でも、放電と充電の説明にバランスが取れていない気がする)

Wikipediaの記事もあるが、説明が荒く、動作原理を知りたいという目的には、あまり役にたたなかった。

使い方の一番詳しい説明はメーカーのここ

メーカーの商品説明(会社合併があったので商品体系がややこしい)はここ

以下は自分のまとめ

電池構造

満充電の正極は、ニッケル水酸化物(NiOOH)
満充電の負極は、水素充填済水素吸蔵合金(MH)

放電済み正極は、水酸化ニッケル(II) (Ni(OH)2)
放電済み負極は、水素の無い水素吸蔵合金(M)

電池溶液は、水酸化カリウム(KOH)水溶液で、
カリウムイオン(K+)と水酸化イオン(OH−)に電離している。

放電

放電では、電子が、電池の負極から電池の外へ流れ出して、LEDを光らせるなどの仕事をしてから、電池の正極に流れ入る。

放電負極化学反応式(1) : MH  →  M + H+ + e− 

(右辺のH+ は、溶液へ溶け出す水素イオン)
(右辺のe− は、電池外へ流れ出す電子、この電子がエネルギーを持ち去り電池外で仕事をする)
(水素は、水素吸蔵合金内で既にイオン化しているため、この反応に要するエネルギーは極小)

放電負極化学反応式(2) :   H+ + OH− →  H2O

(左辺のH+ は、放電負極化学反応式(1)で溶液へ溶け出した水素イオン)
(左辺のOH− は、水酸化カリウム溶液の水酸化イオン)
(右辺のH2Oは、発生した水分子、これは、発熱反応である)

放電負極化学反応式(まとめ) : MH + OH− →  M + H2O + e−

放電正極化学反応式(1) : H2O →   H+ + OH−

(左辺のH2Oは、電池溶液の水分子)
(左辺のH2Oは、負極化学反応式(2)で生成される水分子を消費する)
(この式は、水分子の電離を意味する吸熱反応である、
 ただしニッケルの触媒作用で電離を行うため励起エネルギーは小)
(右辺のOH− は、負極化学反応式(2)で消費される水酸化イオンを補う)
(結局、この放電負極化学反応式(2)と放電正極化学反応式(1)は、
 発熱反応と吸熱反応でエネルギー的に、またイオン成分的にも打ち消し合う)

放電正極化学反応式(2): NiOOH + H+ + e−   →   Ni(OH)2

(左辺のNiOOHは、正極の成分)
(左辺のH+ は、正極化学反応式(1)で電離した水素イオン)
(左辺のe− は、電池外で仕事を済ませエネルギーを消費してから電池へ流れ込む電子)
(右辺のNi(OH)2は、固形物の水酸化ニッケル(II)で電極に付着)
(この反応は発熱反応であるが、電子が電池外で仕事をするのでその分の熱エネルギーは出ない)

放電正極化学反応式(まとめ) : NiOOH + H2O + e−   →   Ni(OH)2 + OH−

放電全体化学反応式 : NiOOH + MH → Ni(OH)2 + M  

(これは発熱反応であるが、発熱エネルギーの大半は外部電流として取り出される)

充電

充電では、電池の外から高電圧をかける。具体的には、電池より高い電圧をかけて、電池の負極に電子を流し込み、電池の正極から電子を吸い取る。

充電正極化学反応式(1):  Ni(OH)2  →  NiOOH + H+ + e−   

(この反応は吸熱反応である、電池外部からの強い吸引電圧によりエネルギーを与えられて反応が進む)
(左辺のNi(OH)2は、正極に付着している固形物の水酸化ニッケル(II))
(右辺のニッケル水酸化物(NiOOH)は固形電極となる)
(右辺の水素イオンH+ は、水溶液に溶け出す)
(右辺の電子 e-は、電池より強い電圧で電池の外へ吸い出される、その時点でエネルギーはない)

充電正極化学反応式(2) : H+ + OH− →  H2O 

(左辺のH+ は、充電正極化学反応式(1)で溶液へ溶け出した水素イオン)
(右辺のOH− は、水酸化カリウム溶液の水酸化イオン)
(左辺のH2Oは、発生した水分子、これは発熱反応である)

充電正極化学反応式(まとめ) : Ni(OH)2 + OH−  →   NiOOH + H2O + e− 

充電負極化学反応式(1) : H2O  →  H+ + OH−

(左辺のH2Oは、電池溶液の水分子)
(この式は、水分子の電離を意味する吸熱反応であるが、
 電離はニッケルの触媒作用で行うため要する励起エネルギーは小)
(この反応は、充電正極化学反応式(2)で消費された水酸化イオンを補い、余剰な水素イオンを発生する)
(結局、充電正極化学反応式(2)と充電負極化学反応式(1)は、
 発熱反応と吸熱反応でエネルギー的に、またイオン成分的にも打ち消し合う)

充電負極化学反応式(2) : M + H+ + e−  → MH  

(左辺のe− は、電池外から高電圧で流し込まれる(反応第一原因の)電子、この電子はエネルギーを持たない)
(左辺のH+ は、充電負極化学反応式(1) で生まれた余剰な水素イオン、負極の水素吸蔵合金へ侵入する)
(水素イオンは、エネルギーを使わずに水素吸蔵合金内へ侵入できる)
(電極内での電子と水素イオンの電気総量の平衡を保つための反応である)

充電負極化学反応式(まとめ) :   M + H2O + e−  → MH + OH− 

充電全体化学反応式 : Ni(OH)2 + M   NiOOH + MH

(これは吸熱反応であるが、吸熱エネルギーは外部電流から供給される)



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