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Nov 30, 2014

自由をもっと拡大しよう(改)

私は、人間の自由を大切なものだと感じます。
そしてこの自由をさらに拡大して欲しいと思います。

自由とは、束縛や制限から解放された状態です。

人間の自由とは、個人個人の発言や行動の自由のことです。

そこで自由について学ぶために、森村進さんの「自由はどこまで可能か」という新書を読んでみました。

以下は、本から得た知識を整理したものです。

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自由思想の四分類

自由という権利の由来はどこにあるのか、諸説ありますが、とりあえずは、その議論は棚上げにしてよいです。

現実的な自由の運用を考えると、「国家という境界内の社会で認められる自由」とは、「これこれこういう自由があると憲法と法律で認めること」です。

そして、日本国では、個人の自由の権利とその範囲は、憲法と法律で定められています。

リバタリアニズム(自由至上主義、自由尊重主義、自由放任主義)は、「自由をできるだけ公正に拡大することが正義である」とする思想です。リバタリアニズムを表す言葉に、フランス語のレッセフェール(なすに任せよという意味)があります。、日本では、リバタリアニズムは多義的で、無政府主義から、政府の役割を国防と治安維持に絞る夜警国家とする最小政府主義、自由市場の治安維持も認めるとする考え方、政府が最低限の生活保護と年金・健康保険のサービスまでを認めるとするなど(私の立場はここ)、人によって幅広く違いがあります。リバタリアニズムでは、自由を拡大するために政府の課税と規制は少くなり、政府規模が当然小さくなり、国民は自由を謳歌して自由に繁栄して欲しいと願っています。

リバタリアニズムから見れば、現代の日本は個人と個人、企業と個人の関係は、とても自由ですが、政府と個人の関係では、まだまだ自由が制約されています。また、その制約内容に公正さが相当量不足しているともされます。ですから、リバタリアニズムは、より公正で自由が溢れる社会の実現を目指し、憲法と法律の改定を目標とすることになります。

自由には、人格的自由経済的自由があります。

リバタリアニズムは、人格的自由も経済的自由もその両方を尊重する思想であり、右翼でも左翼でもありません。リバタリアニズムを採用した国家がどのような結末を迎えるのか歴史ではまだ証明されていませんが、リバタリアニズムに一番近いと考えられる国家はアメリカ合衆国です。そして、アメリカ合衆国は近代から現代にかけてどの国よりも長い期間で実際に繁栄しています。

自由を少しは尊重する他の思想には、リバタリアニズムの他にリベラリズムと保守主義があります。

リベラリズム(いわゆる左翼)は、人格的自由を尊重しますが、経済的自由を軽視する思想と分類されます。リベラリズムも時代とともに変化してきて、いろいろな分派があります。リベラリズムが経済的自由を軽視するため、日本では、社会主義や共産主義の隠れ蓑としてリベラリズム使われてしまっています。リベラリズムは経済的自由を軽視するため、お金持ちを罰する累進課税を正当化しますし、またお金持ちになろうとして勤勉に働く人を妬み蔑みます。リベラリズムの特徴は、人々の僻み根性で金持ちを叩き、タカリ根性を煽りバラマキ無駄使いをして人気を得ることです。道徳的でなく理性的でもない人間の原始的欲望(嫉妬と物欲)に訴えて仲間を増やそうとしてしまうことです。政策は、自由な経済活動への介入、お金持ちへの処罰、規制強化、重税、人気取りのための財の再分配となります。リベラリズムが行き過ぎると誰も働く気力が湧かず、皆が平等に貧しくなり(=結果の悪平等)、社会が腐敗することは歴史(共産主義国の崩壊)から判明しています。

保守主義(いわゆる右翼)とは、人格的自由を軽視しますが、経済的自由を尊重する思想と分類されます。これは、お金持ちの人が陥りやすい思想です。つまりお金という権力で自分の人格的自由は確保してしまいますが、他人である国民全体の人格的自由には関心が無いという立場です。お金儲けを自由にしたいという経済的自由は、最大限確保しようとしています。保守主義が続くとお金持ちが代々続くことになりますので、政治権力もお金持ちに集中して行きます。保守主義の最大の欠点は、その人の生まれや家柄で財産や運命が決まってしまうことです。保守主義の社会の発展がアメリカ合衆国のような自由の国(誰でもアメリカン・ドリームが叶うチャンスが有る)よりかなり遅れてしまうことも歴史(例えば江戸時代の賄賂の元禄時代)が証明しています。

権威主義(いわゆるポピュリズム=人民主義)は、人格的自由と経済的自由の両方を軽視する思想です。一部の権威ある特権階級(=政治支配層)だけが優遇される思想です。日本では、伝統を尊重する保守主義の仮面をかぶった権威主義者(規制緩和や自由貿易に反対する人々)が沢山います。保守主義者が代々続くと政治権力の集中が起きてしまい、権威主義に体質が変わっていくためです。共産主義全体主義軍国主義は、権威主義の極端なものです。権威主義は短期間に国家の急成長とその後の破滅を招いてしまうことも歴史(ナチスドイツ、大東亜戦争の日本、江戸時代の享保・寛政・天保改革の時代)が証明しています。

新自由主義(ネオリベラル)という言葉は、国際的にはたいへん幅広く捉えられており、リバタリアニズムから、英国の保守主義であるサッチャリズム、さらに米国のネオコンに見られる権威主義により近い立場まであります。このように新自由主義という言葉は、曖昧なのでこの記事では重視しません。


日本では官僚がとても強い権力を持っていると言われているので、私は現代日本は官僚権威主義(=国民一丸を強制する官僚主導型の財政バラマキ主義)と考えています。官僚機構は太平洋戦争時の大政翼賛会に由来する軍国主義=全体主義の政治機構からの伝統で、GHQによる解体を免れ、むしろ積極的に日本の占領統治に利用されたとされる、官僚政治は戦後日本の経済的急成長とバブルの破裂を招きました、その後の25年に渡る国家経済の停滞と原発の爆発事故も産官学の権威主義の失敗の歴史として刻み込まれることになると思われます。

日本の自由民主党は、今では党名とはまったく関係なく、保守主義者と権威主義者の合体した政党になってませんか。保守主義のお金持ちは自分の既得権と人格的自由を政治献金で確保できるから官僚権威主義もまた心地良いのだと推測しています。

日本の民主党も党名とはまったく関係なく、、隠れ社会主義のリベラリズムと官僚権威主義の合体した政党です。だから公務員の労働組合や大企業の労働組合の意向に逆らえず、公務員雇用賃金改革や同一労働同一賃金の徹底、解雇規制の撤廃をできないのだと推測しています。共産主義革命が否定された今日において、リベラリズムの人々に官僚権威主義を覆す力はないことは歴史(細川・羽田・村山内閣と鳩山・菅・野田内閣)が証明しています。彼らはただお金持ちや権力者の悪口を言い続けるしかなく、長年そうしているだけで、仮に政権を奪取しても改革はできませんでした。

日本の裁判所は、リベラリズムの立場であると著者の森村進さんは説明しています。

大多数の日本国民は、公務員でもないしお金持ちでもありませんから、冷静に考えると、リバタリアニズムかリベラリズムになるはずなのです。そして、もし、自分が貧乏なままでいいのならリベラリズムであるはずです。もし、自分がより自由になりもっとお金持ちになりたいなら、経済的自由を尊重するリバタリアニズムになるはずです。ですが、現実は、リバタリアニズムについての教育・知識が欠けていたり、自分の現実の立場を認識できていないためか、リバタリアニズムはまだまだ日本人には知られていません。

YES, NO クイズで自分の立場を選ぶなら、

  1. あなたは、公務員の幹部・官僚ですか YES => 権威主義
  2. あなたは、政府の下請けをする既得権業界の幹部ですか YES => 保守派(右翼)
  3. あなたは、みんな共に貧乏がいいですか YES => リベラリズム(左翼)
  4. あなたは、お金持ちになりたいですか YES => リバタリアニズム
ということです。

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以下、リバタリアニズムの考える自由についてまとめてみます。
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身体の自由

自分の体は自分のものだ。

他人を奴隷にすることはできない。

他人を殺すことはできない。

他人を犯すことはできない。
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財産の自由

自分が労働して得た物は自分の物だ。

他人が私に正当に与えてくれた(購入、贈与、相続)物は私の物だ。

私の物を他人が不正に奪うことはできない。

他人から物を盗み奪うことはできない。

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行動の自由

私は、他人の自由を制限しない限り、何をしてもいい。

私は、国内のどこにでも行ける。

私は、私の住処で暮らすことができる。

他人の行動が自分の自由を制限しない限りとやかく言うことはできない。

集会・結社の自由

国籍離脱の自由

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心の自由

信教、思想、言論、学問の自由

他人の心や言論を制限することはできない。

他人の言論を批評、議論はできる。

勝手に個人のプライバシーを覗くこと(盗聴、盗撮、家宅侵入)はできない。

リバタリアニズムとしては、「他人が知ってしまった私の情報を他人がどうしようと他人の自由」であるという考えになる。

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国家が個人に果たす役割と課税理由

個人の自由の確保=自由社会の秩序の維持

身体の安全保障
財産の保護
行動の自由の確保
心の自由の確保

国家は役割を果たすために、費用がかかるから課税する

課税は個人の自由を制約するので、リバタリアニズムとしては少ない課税額が好ましい。
少ない課税となれば、小さな国家とならざるを得ない。

課税方式の複雑化(免税や軽減税率、累進課税)はリバタリアニズムに反する。

税の目的外の利用もリバタリアニズムとしては好ましくない。


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具体的な国家の施策

リバタリアニズムの各派でもほぼ合意がとれる施策

投票権(国民のみ)と議会
国防(自衛隊、外交)
治安(警察、消防、海上保安)
裁判(争いの調停、犯罪(=暴力・詐欺など)の認定と懲罰)
通貨発行(日本銀行が独占)

リバタリアニズムなら、犯罪を犯した者に捜査・裁判・刑務所の全費用を償わせるべきではないか(受益者負担の原則)

以下の国家施策は、リバタリアニズムでもどこまで政府がやるべきか意見が別れる

食料安全保障(食料自給率と国際紛争の関係)
資源安全保障(エネルギー資源、鉱物資源と国際紛争の関係)

環境・交通(治山治水、道路、港、空港)
保健(上下水道、ごみ処理、健康保健)

学校教育(義務教育、高校、大学)

国家繁栄のためには、国民の資質がレベルアップしなければならない、それには教育しかない、リバタリアニズムとしては、義務教育の拡大とか学費無償化よりも、教育機会の公平化を計ることになる、具体的には、高等教育の資金を国が低利で個人に融資する、到達段階の明示と能力別教育という形となる。

生存権(生活保護、年金、健康保険)

リバタリアニズムなら、生活保護、年金は最小限に平等とする、例えば毎年の掛け捨て方式までが国家に許される範囲となる、積立年金はすべて民営化。

人格権(プライパシー、名誉、肖像権)

特許権
著作権

独占禁止法(独占企業をどのように規制するか)

独占企業だけの市場では競争がなくなり、品質の低下(例、原発の爆発)、価格の上昇(総括原価方式)、納期の遅延などを招くので、リバタリアニズム政府なら、独占企業の品質・価格・納期の監視をしなければならない。

リバタリアニズム政府なら、原発の補助金・交付金は廃止、核廃棄物処理も電力会社負担となるため、原発はすべて採算割れして廃業・停止に追い込まれる。また新規原発開発(もんじゅ、核融合)はすべて民間投資となりこれも採算割れで中止に追い込まれる。残った核廃棄物処理だけは、国家で行う(過去の官僚権威主義政治の尻拭い、環境汚染とテロ防止のため)。

産業振興策(補助金、参入規制、価格統制、在庫規制)

日本政府の産業振興策の多く(補助金バラマキ)は、公平性に欠けるためリバタリアニズムに反する政治。

労働政策(奴隷労働の禁止から、公平性と柔軟性の追求へ)

科学研究振興(どこまで道楽的な学問に国が資金をだすべきか公平性から検討が必要)

リバタリアニズムなら、大学は民営化することで巨大実験施設はすべて民営とするアメリカ方式になるため逆にノーベル賞が増える可能性がある。

芸術芸能振興(どこまで道楽に国が資金をだすべきか公平性から検討が必要)

スポーツ振興(どこまで道楽に国が資金をだすべきか公平性から検討が必要)

以下は昭和から平成にかけて部分的に民営化された

日本航空
日本国有鉄道
日本電信電話
日本郵便
高速道路

「公共事業は非効率的である」と誰もが認識。

リバタリアニズムの認識は、「政府は利益を目的にしていないから永久に効率的に公共事業できない、だから公共事業の削減ないし廃止、最低でも効率化(常時規模縮小、緊急時のみ一時的に増大)。民間にできるだけ事業をまかせるしかない。もちろん、民間や自由市場が万能とは言えない。」

権威主義、リベラルでは、もっと必要な分野に公共事業をしよう(常に拡大しかしない)となる、これまでの事業分野もそのまま温存される、非効率運営を改善する意志は元々ないので国民皆が貧乏になる。ただし、権力者の懐だけは潤う。

保守主義では、自分の既得権に関係する公共事業は増やして欲しい、自分が儲かれば他はどうなってもよいとなる。

以下は地域一社独占型の企業で国家がまだまだ介入している

農協
電力産業
ガス産業

以下は国家が大きく介入している

銀行
証券(銀行より自由化がかなり進んだ)

医療(病院、医院)

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国家が制限する個人の自由

逮捕、勾留、裁判の義務
結婚制度
家族と扶養の義務
義務教育
納税
徴兵・賦役(大戦時や大災害時のみ)

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民間でもできるサービス

通貨発行(最近、ビットコインなどが出てきた、ビットコインは物として扱われ円と交換時に消費税を支払う)
警備
示談調停サービス(争いを裁判まで持ち込まず解決する)
貯蓄型民間年金・投資型民間年金
自由診療
民間医療保険
自由教育
その他

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リバタリアニズム派を増やす方法

まずは、権威主義者による巧妙な戦略、リベラリズム派を煽り保守主義者を抱き込む戦略を紹介します。

リベラリズム派を増やす簡単な方法は、「お金持ちから沢山税金を取れ」という言い草とです。こうすることで人々の嫉妬心を煽ることができます。ところが、献金という賄賂を使える保守主義と政治権力を持つ権威主義は、自分たちだけの抜け道を用意できるので、見かけの累進税率の割には、実際には痛くも痒くもありません。リベラリズム派にとって累進税率は何のメリットもありません。嫉妬心を僅かになだめるだけですが、リベラリズムの非効率的政治では権力者以外の全員がさらに貧乏になりますから嫉妬心はますます燃え盛ります。実は、全員に行き渡る一括減税こそが一般の民衆のメリットなのです。一括減税はリバタリアニズムの主張そのものです。

また、「所得の少ない大衆にに多くの福祉を」という言い草も、リベラリズム派を増やす簡単な方法です。しかし、政府の福祉事業は、保守主義者と権威主義者によって必ず独占されます。公共事業は、競争がないので、自由競争より非効率で、固定的業者は既得権となり彼らは安定した高収入を確保できます。つまりリベラリズム派にとっての不公平(=不正の温床)を増やすだけです。要するに、リベラリズム派が目先の欲に囚われると、結果として公共事業を確保できる保守主義と権威主義を利するだけなのです。また、政府の福祉事業は、満遍なく公平に国民へ適用されるわけではありません。たとえば、年金は若者と彼らに養われている子供に大きな負担をかけて、老人だけが潤います。また、国民全員に金を配る福巨大祉事業では、個人にとってはスズメの涙程度に僅かなものであり、自分が支払った税金に見合うものではありません。社会的公平性をできるだけ確保するためには、公共福祉は生存できる最小限の範囲にすることで対象者を絞込み総予算を減らす必要が出てくるのです。リバタリアニズムの税を少くして国民の自由を確保するという方針と、最小限の公共福祉は相性が良いのです。プラスアルファの福祉を求める人は、多種多様な民間の保険、年金に加入すればよいのです。

リバタリアニズムが主張する一括減税、最小限の公共福祉が、最終的にはリベラリズム派を利するのですが、リベラリズム派が、それを理解するには、嫉妬と強欲の感情を捨てて、上記の文章を理解しないといけません。理解してもらうためには、広告・宣伝・教育により、国民にそのメリットを伝えることが求められます。

リバタリアニズムがリベラリズム派を味方につける最大にして最高の方法は、現金給付(目先の利益)です。リバタリアニズムの視点からは、現金給付は、国民全体に公平に行わないと、いけませんから薄く広くの配布となります。資本主義が、正常に発展するためには、通貨の流通量を毎年増やし、インフレ率で年率2%を維持することです。このインフレ率政策については、ほぽすべての経済学者が合意できることです。国内景気を確実に良くするには、通貨の流通量を毎年増やすぶんだけ、日本銀行から現金を国民一人一人に平等に直接配布すればよいだけです。その額およそ10万円程度と思われます。所詮、資本主義は、お金集めゲームにすぎません。ゲームに参加している全員に毎年平等に現金を配り自由に使わせればいいだけです。商売の上手い者がお金をたくさん集めます。それは、最終的に税となって政府に戻ってきます。政府は得た税から本当に政府しかできないことだけをやればいいのです。現金給付は、お金持ちで商売上手の保守主義者を大きく利することになります。

一括減税、最小限の公共福祉は、保守主義者をも利することになります。一括減税ならば、もちろん保守主義者の納税額が減ります。保守主義者は十分裕福なので公共福祉は元々不要です。税制を単純化することで、保守主義者は権威主義者の政治家や役人に賄賂と同じ効果を持つ献金をする必要が無くなります。

公共事業で潤っていた一部の保守主義者は、民間事業として再出発することになります。自由競争が始まるので、労働市場の規制緩和がなければ、公共事業業者は経営体質の改善に行き詰まります。

労働市場の規制緩和とは、公平性と柔軟性の追求です。同一労働同一賃金、勤務時間の自由化、定年の廃止と雇用期間明記、育児介護の長期休暇と休暇中賃金停止と生活保護の支給、5%程度の一定率の解雇の自由です。

最終的にリバタリアニズムと対立する者は、権威主義者です。日本の現状は官僚権威主義であると私は書きました。おそらく、はびこっている権威主義との闘いはとても困難です。権威主義者を政府から追い出すにはどうしたら良いのでしょうか。権威主義者の弱点は、自分は正しいという自尊心です。権威主義者は、正義の味方という言葉に弱いです。また、官僚権威主義者は、東大話法を駆使しており、自分が権威主義であるともリバタリアニズムであるとも明確に宣言していないずる賢さも弱点となり得ます。つまり、官僚権威主義者は、変わり身が速いと推測できます。

そこで、私は、五つの戦略を考えました。

に、リバタリアニズムは、通貨流通量拡大させ年率2%のインフレを達成するため国民全員に同一額の現金を毎年配る。

第ニに、リバタリアニズムの方が正義の味方であること(例えば、最大多数の最大幸福を実現できること)を訴えて権威主義者に暗黙の転向を促します

第三に、リバタリアニズムに転向した元権威主義者を仲間として認め、正義の味方としての活躍の場を与えその能力を活かす。

第四に、人数で圧倒的に多い一般の国民にリバタリアニズムから得られる利益を理解してもらい、リベラリズム派と保守主義者の支持も得る

第五に、最もリバタリアニズムに近い政府である同盟国のアメリカ合衆国の力を利用する


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日本の未来はどうなるか

いつか必ず、リバタリアニズムが公正な自由の実現を目標にしていることが広く知られ、正義を愛する人々の支持を取り付けていくと思います。


Nov 29, 2014

幸福とは何でしょう

幸福とは何でしょうか。

人それぞれの幸福の捉え方があり、また同じ人でも年齢と経験とともに幸福観は変化していきます。

まず、国語辞書では、「不自由や不満もなく、心が満ち足りていること」としていますが、あなたはどのように捉えています。ところが、

「裸のサル(The Naked Ape)」で有名な動物学者にして画家のデズモンド・モリス(Desmond Morris, 1928- , UK)さんの著書、『「裸のサル」の幸福論(The Nature of Happiness)』(訳 横田 和久さん)を紹介してみます。

本書の第一章の冒頭の訳文があれっと感じます。そこで、ネットから原文の一部を探して自分で訳してみました。

原文と私のヘタな訳では、こうなります。

The true nature of happiness is frequently misunderstood. 

幸福の正しい性質は、しばしば誤解されている。

It is often confused with contentment, satisfaction or peace of mind. 

それ(幸福)が、よく間違えられているのは、満足、達成、あるいは心の平和です。

The best way to explain the difference is to describe contentment as the mood when life is good, 

違いを説明する一番いい方法は、人生がいい具合であるときの継続する気分として満足を捉えておき、

while happiness is the sensation we experience when life suddenly gets better. 

その一方で、幸福というのは、人生が突然好転するときに経験する興奮なのです。

At the very moment when something wonderful happens to us, 

何か素晴らしいことが私たちに起きたまさにその瞬間に、

there is a surge of emotion, a sensation of intense pleasure, an explosion of sheer delight

感情の大波があります、猛烈な喜びの興奮、純然たる歓喜の爆発、

 - and this is the moment when we are truly happy, Sadly, it does not last very long. 

- そして、これが、私達が真に幸福であるその一瞬なのです、残念なことに、これは長く続きません。

Intense happiness is a transient, fleeting sensation. 

猛烈な幸福は、つかの間の、消え去る興奮なのです。

We may continue to feel good for quite a while, 

暫くの間でしたら良さを感じ続けることができるでしょう、

but the joyful elation is quickly lost. 

でも、楽しい上機嫌な状態は急速に失われます。

As one cynic put it:

ある皮肉があります、

life is prolonged misery interrupted by brief moments of happiness

人生というものは長い不幸だ、ただ幸福という僅かな瞬間がたまにあるのさ

この文から、国語辞書の幸福の定義「心が満ち足りていること」とデズモンド・モリスさんの幸福の定義の間に、ずれがあることがわかります。訳本ではこのズレについて注釈が無いため、ずっと違和感を感じて読んでしまいました、みなさんもご注意ください。

デズモンド・モリスさんの幸福と満足の定義を、数学的に言い直してみます。

  1. 幸福とは右肩上がりの上昇気流に乗っていること。
  2. 満足とは生存し続けられる快適状態の維持、水平飛行の状態。
  3. 不満とは生存が脅かされ苦痛を感じている不快状況が変わらず固定されていること。
  4. 不幸とは下り坂で状態がどんどん悪くなること。

人生は、幸福、満足、不満、不幸の間を行ったり来たりするというわけです。

デズモンド・モリスさんの指摘「我々が望みうる最良の人生は、ほとんどの時間を快適で満足した平和な心で過ごし、ときどき訪れる強い喜びの瞬間があるというもの」に、私は頷けます。

では、デズモンド・モリスさんが定義した幸福(=人生が急に好転する興奮でそれ自体長く続かないもの、これは束の間の幸福)の分類と例を紹介しておきます。


  1. 標的の幸福(目標を達成すること)
  2. 競争の幸福(スポーツの勝利など)
  3. 協力の幸福(チームでの助け合い)
  4. 遺伝の幸福(夫婦となり子供を残すこと)
  5. 官能の幸福(性的快感、美食、入浴その他)
  6. 脳の幸福(読書、ボードゲーム、学術研究、芸術創作)
  7. リズムの幸福(音楽、ダンス、エクササイズ)
  8. 痛みの幸福(マゾヒスト、禁欲主義、ダイエット、ベジタリアン、節約主義、精神的優越感、テロ)
  9. 危険の幸福(ギャンブラー、バンジージャンプ、スカイダイビング、自動車レース)
  10. こだわりの幸福(非日常へ逃避する、趣味や仕事に没頭して他を無視、鬱に沈む)
  11. 静寂の幸福(座禅・瞑想に耽る)
  12. 献身の幸福(神への信仰の幸福、聖地の訪問、神の子供としての安心感)
  13. 消極的幸福(肉体的苦痛から薬で逃れる幸福、精神的苦痛=不安・ストレス・退屈から精神分析で逃れる幸福)
  14. 化学的幸福(麻薬服用者、飲酒、たばこ、コーヒー、お茶も度が過ぎれば)
  15. ファンタジーの幸福(空想家、小説、演劇、映画、テレビ)
  16. 笑いの幸福(ユーモア、漫才、落語を楽しむ、安全な恐怖を楽しむ、恐怖の克服)
  17. 偶然の幸福(偶然幸運(good luck)が訪れた時に感じる)


せっかくなので、英語でも


  1. Target happiness as a result of successful efforts to achieve a specific target.
  2. Competitive happiness as a result of winning a struggle against other people. In the most extreme form, this is the happiness of the sadist and the torturer.
  3. Co-operative happiness as a result of helping other people.
  4. Genetic happiness as a consequence of reproducing ones genes by falling in love, pair bonding, giving birth and successfully rearing the offspring.
  5. Sensual happiness as a result of hedonistic experiences like eating, drinking and sex.
  6. Cerebral happiness as a result of intellectual activities like playing games, artistic creativity and scientific research.
  7. Rhythmic happiness as a result of activities like dancing, music, singing, aerobics, gymnastics and athletics.
  8. Painful happiness as a result physical or mental masochism, like self-chastisement or the masochism of puritans who deny themselves every pleasure in life.
  9. Dangerous happiness as a result of taking sensational risks as in gambling and in such extreme sports as mountain climbing and parachuting.
  10. Selective happiness as a result of ignoring reality and concentrating on one's own emotions, like Nero fiddling while Rome was burning.
  11. Tranquil happiness as a result of meditation.
  12. Devout happiness as a result of worshipping, like in Lour-des and Mecca.
  13. Negative happiness as a result of eliminating or dealing with specific causes of unhappiness, like dressing entirely in black for the rest of one's life after the death of a child.
  14. Chemical happiness as a result of taking drugs, alcohol and smoking.
  15. Fantasy happiness as a result of daydreaming, supported by books, films and television.
  16. Comic happiness brought on by humor and laughter.
  17. Accidental happiness as a result of good luck, if your suitcase comes up first on the carousel after a long and tiring flight on a jumbo jet. 

デズモンド・モリスさんは分類した幸福を、一つの種類だけといわずに複数を堪能するようにと薦めているようです。私もこの考え方に賛成です。

それでは、「日常生活を満足して過ごし、ときどきの幸福を味わえるようになる」には、どうしたらよいのでしょうか。デズモンド・モリスさんが本書の前書き(はじめに)の最初で示された警句『私を不幸にしようと思ったら、確実な方法がひとつあります。それは、「こうすればあなたの人生はもっと幸せになりますよ」と、私にお説教することです。』があります。やはり、みなさんが自主的に幸福と満足について考え、自分でよい方法に気付くしかないようです。これから、私の書いた説教のリンクを紹介しますが、説教に我慢できる人だけがこのリンクを覗いて見られることをお勧めします。私の説教はこちらです。

ビル・ゲイツ氏がLENRに興味

マイクロソフトの創業者のビル・ゲイツ氏が、
ENEA研究所( the Italian National agency for new technologies, Energy and sustainable economic development in Frascati, Italy)を11月12日に訪問し、低エネルギー核反応(LENR or cold fusion、常温核融合)を含むENEAの研究成果について説明を受けたそうです。

イタリア語のニュースはこちら

それから派生した英語のニュースはこちら

さらに、イタリアのベローナ大学のサイトに載ったニュースはこちら

それから派生した英語のニュースはこちら

これから解ることは、世界一の富豪で投資家で慈善家であるビル・ゲイツがLENRに興味を持って、実際に現場に出かけて調査していることです。

このニュースだけで、LENRが実際にある現象だと決めつけることはできないのですが、日本のみなさんも、LENRを調査をするべきことだろうということは言えるでしょう。

Nov 26, 2014

功利主義入門

「功利主義入門」という薄い新書を図書館で借りて読んでみました。

「功利主義」とは何か知らなかったので勉強になりました。

「功利主義」とは、倫理(=道徳)の立場の一種類であり、「最大多数の最大幸福」を「功利性の原理」として、すべての道徳律・法律をこの原理から導き出す立場とのこと。創始者は、ジェレミー・ベンサム(Jeremy Bemtham, ベンタムでもベンサムでも可、1748-1832、英国)で、「道徳および立法の諸原理序説」が有名とのこと。

辞書の「功利」の意味は、「行為の結果として得られる名誉、利益、幸福」です。私は「功利主義とは自分の個人的な利益を最大化する立場かなと勘違いしていたのです」が、正しい意味は「功利主義とは社会全体の最大多数の最大幸福を追求すること」でした。

ベンタムが批判した原理に「禁欲主義の原理(苦痛・我慢は善、快楽・幸福は悪)」、「共感・反感の原理(自分が気に入ったことはOK、気に入らないことは禁止という立場、自然の法とか良心とか個人個人で異なる捉え方をされる曖昧なもの=要するに自分利益があるかたけだけで判断する立場、利己主義でもある)」があります。

結果主義(結果がよければ行為・手段は問わない立場)と帰結主義(原理原則にしたがった行為の結果を予測し、その行為を行うこと)の違いを述べて、功利主義は帰結主義であることを説明しています。

功利主義の「最大多数の最大幸福」の原理だけで個人がすべての日常の道徳的判断を決めようとすると、ジレンマが起きてしまうことが時々あります。この本では、いくつかの有名なジレンマを提示していますが、ジレンマに対する正解というものは示されていません。ジレンマに対する回答はないのかもしれませんがはっきりしませんでした。

しかし、この本で上げたジレンマのバカバカしさにはうんざりしました。

また、社会全体や国家のレベルで「最大多数の最大幸福」の原理を考えるとそれを素早く正確に求める計算ができるのかという問題があるのですが、その点は曖昧に手短に述べられています。民主主義と功利主義の関係は別書にて学べということなのでしょう。

それでも功利主義が次第に修正され洗練されていったことが説明されます。

ちにみに、倫理とは、道徳のこであると、この本は断言していて小気味よいです。
倫理学とは、道徳を研究する学問で、道徳といえば、宗教の戒律や憲法、法律も含めて研究することになります。

倫理を学ぶ二つの目的が書かれていました。


  • 道徳律や法律を学びそれを実行できるようになること
  • 道徳律や法律が正しいのか冷静に検討できるようになること


また、安心して倫理や法律を検討できるように三点を明示しています。


  • 武道の修練と倫理の研究の比較から研究の場の設定が必要であること
  • 功利主義から研究を始める利点
  • 他人の倫理観を批判すべきでないことは、倫理研究の場ではありえないこと


この三点は明快であり安心できるます。それでも、イスラム教のコーランについての批判は自己保身のために避けたほうが賢明であると思います。

残念ながら、この本では、功利主義の道徳律が具体的に何であるかを一つも提示されることはありませんでした。また、著者がどのような主義・立場なのかもさっぱり伝わりませんでした。本の薄さから仕方が無いのかもしれませんし、わざとそう書かれたのかもしれません。

私の立場は、幸せ研究室に示してあります。この立場を、功利主義の初歩を学んだことで点検し洗練していかなければと思いました。

- メモ -

推奨図書 「自然論」「自由論」「功利主義論」J・S・ミル(1806-1873) ベンサムの弟子、功利主義であり自由主義である

ウィリアム・ゴドウィン(1756-1836)、無政府主義者の功利主義者、法律では人間一般への公平を追求しすぎて家族・友人という属性を無視する考え方で結婚制度にも批判的だった、「政治的正義」を著すが、ウォルストンクラフトとの結婚、死別、娘の恋愛を経験し、著書の内容は第三版で、家族への愛情を重視するように変わる。

メアリ・ウォルストンクラフト(1759-1797) 初期のフェミニズム思想家「女性の権利の擁護」を著す、後にゴドウィンと結婚し娘を出産後半年で死去。ゴドウィンの思想に大きな変化をもたらした。

カント、ドイツの哲学者、きわめて厳格

ジョン・オースティン(1790-1859) ベンサムの弟子


  • 直接功利主義(瑣末な行為にも最大多数の最大幸福の原理から判断していく立場)
  • 間接功利主義(大勢に影響のない瑣末な行為には原理判断を適用しない立場)
  • 規則功利主義(予め規則を用意しておき瑣末な行為に原理判断をしなくて済むようにする立場)
  • 行為功利主義(予め規則を用意しない立場、直接功利主義と同じである)
公平性の問題=道徳的に重要な違い、公平の範囲をどこまで広げるかの問題、家族、友人、会社、組織、国家、地球レベル、人間、動物、植物、無生物、環境。

ジョン・ロールズ(1921-2002)「正義論」での政治的の少数派をどのように扱うかの問題、解決策例としては長期的時間の経過と長期の信頼を思考に入れて少数派に選択と補償を与える方法が必要となる。

ジョン・ロック(1632-1704) 自由主義の祖

自由主義と功利主義は相性がいいが、自由権の起源について相違がある。ジョン・ロックは自然権として自由権と所有権を定義、ミルは功利原理に叶うから自由権と所有権を認めている。

エドウィン・チャドウィック(1800-1890)、ベンサムの弟子、権威主義的公衆衛生の思想家、「大英帝国における労働人口集団の衛生状態」を著す。権威主義、パターナリズム(=父権主義)

幸福の定義の曖昧さと個人差、快楽と苦痛の定義の曖昧さと個人差、結論は、何が幸福かは個人の自由だとするしかないだろうということ。

欲求の満足とはどういうこと、知ってしまったことで知る欲求、利益が増えることが幸福なのか

感情と理性、脳と心の構造、幸福の感じる場所は心のどこか、感情=直感=本能の選択の合理性

巻末に参考図書一覧がありました。

Nov 14, 2014

国道6号線の通行が許可されていた

福島第一原子力発電所の爆発事故から、ずっと通行止めだった国道6号線の双葉町-富岡町間(約14キロ)が、2014(平成26)年9月15日から通行許可になっていました。

国道6号線は福島第一原子力発電所から直線距離で最短2kmしか離れていないので、放射線量的に大丈夫か不安を感じましたので計算してみました。

そこで、政府発表の資料(帰還困難区域内等の国道6号及び県道36号の線量調査結果についての9ページ目)から、通過あるいは常磐道富岡IC経由で通過の予想被曝量は、多めに合算計算して

1.38 [μSv] (= 0.94+0.26+0.18)

です。また、これは除染済みの値なのでしばらくすると除染効果が無くなると
悪い方に保険を掛けて、資料(帰還困難区域内の国道 6 号及び県道 36 号における除染の結果について)の除染低減率の一番少ない値(19%)を用いて

1.70 [μSv] (= 1.38 * 100 / (100 - 19))

これの往復ですから二倍にしますと

3.40 [μSv] (= 1.70 * 2)

です。
毎日一往復するとして年で365日なので

1.2 [mSv] = 1241 [μSv]  (= 3.40 * 365)

です。(ここまで安全を見越して多めに見積もっています)


国道6号線を毎日一往復すると、一般人の人工放射線の被曝量のまったく影響がないだろうといわれる(原発事故以前は全員が一致していた)上限 1 [mSv]をわずかに越える恐れがあります。

ただし、自動車のフィルター等に汚染物質が吸着してしまいそれが取れなくなる可能性をどの程度見積もるとよいのかわかりません。解らないので二倍にするとかしておくと目安計算できると思います。

整備点検を怠らない、ガソリンを満タンにしておく、自動車の窓を開けない、エアコンは外気導入をしない、安全運転に徹するなどの処置をして通過してください。

福島県の人は、すでに事故の影響で被曝量が上がっているので、さすがに毎日六号線を往復通過するのは、あまり気持ちの良いものではないかもしれません。せいぜい週に一度程度にしておくことがいいかもしれません。

実際、ほぼ完全に安全であれば、常磐線の代行バスや東京行きの直行がすぐにでも運用されるはずですが、まだ検討段階のようです(10月15日現在の記事)。

福島県外の人は、一年に数回の通過ならほとんど放射線リスクはないと思います。

関係リンク一覧

国道6号及び県道36号(小野富岡線)の通過について(帰還困難区域の特別通過交通制度の運用変更)【H26.9.12】

国道6号等の通過(帰還困難区域の特別通過交通制度の運用変更)について


帰還困難区域内等の国道6号及び県道36号の線量調査結果について

帰還困難区域内の国道 6 号及び県道 36 号における除染の結果について

常磐自動車道の開通に期待

来年春に全面開通する常磐自動車道は、国道6号線より内陸を通り、福島第一原子力発電所から直線距離で最短5kmぐらい離れています。国道6号線の汚染図から推測すると被曝量はさらに減ると思います。私の予想では、三分の一程度になると思います。ここであれば、毎日通過してもほぼ完全に安全といえそうです。


Nov 12, 2014

E-Catの理論仮説・束縛中性子トンネリング2

considerable lower

考えられる下限

Comparing the coefficients for coulomb tunneling with bound neutron tunneling one finds that Ni Li interaction near the coulomb barrier is a great interaction for the purpose.

クーロントンネリングと束縛中性子トンネリングの係数を比較すると、人が発見することは、クーロン障壁の近くのNiとLiの相互作用がこの目的のための大きな相互作用であることだ。

The reaction also leaves energies in the desired MeV range which could be used to create a chain reaction to trigger more Li Ni interaction.

この反応はまた、所望のMeVの範囲のエネルギーを残すので、それで、より多くのLiとNiの相互作用をトリガするための連鎖反応を作成するために使用することができる。

(訳注 この論文の著者は連鎖反応の可能性を指摘している。しかし、私はこの連鎖反応については、否定的に感じている。もし本当に連鎖反応がおきているならば、E-Catは一度点火すれば、あとは、エネルギーを投入必要がなく自分で燃え続けるはずであるが、そうなっていない。現実のE-Catは、常に電力を供給し続けなければならず、取り出されるエネルギーは投入エネルギーの3倍-4倍で一定しているからである。もし本当に連鎖反応が起きるなら、ウラン核分裂原子炉に類似した連鎖反応を抑制する装置が必要なはずであるが、これまでに知られたE-Catの構造から反応抑制装置は無いと予想されるのである。また本当に連鎖反応が起きるなら、核爆弾と同様の規模の爆発、つまり核爆発が起きても不思議ではないが、実際に核爆発クラスの事件が常温核融合とLENRの研究ではいまだ何処でも起きていない。だから、このエネルギー収支の観点は、さらに注意深く検討しなければならない。)

For example the energy released in

たとえば、エネルギーは、次の式で開放される

To also consider n tunneling in proton reaction one should also consider the following properties that could enlarge n tunneling compared to coulomb tunneling

また陽子反応における n(中性子)トンネリングを考慮することで、人はまた、以下の特性を考慮する必要がある、クーロントンネリングに比べて、n(中性子)トンネリングを拡大する可能性があることをだ。



  • p rate versus n rate
  • 陽子レート対中性子レート

In a bound nucleon the potential well depth that bound the neutron is in the order of 50 MeV while the kinetic energies considered for outer nucleus is only MeV over the ground.

束縛核子(訳注 原子核内部のことか)の中で、中性子を束縛するポテンシャル井戸の深さは、50 MeVのオーダーである、一方で、外核のために考慮される運動エネルギーは、地面の上から僅かにMeVのオーダーです。

If one then theoretically bound the outer particle in the same radius as the neutron nucleus the frequency that the proton and neutron hit the wall with is 50 times higher for the neutron.

もし仮に人が、それで、理論的には、中性子核として同じ半径内で、外の粒子を束縛するならば、その頻度は、陽子と中性子が一緒に壁にぶつかるのだが、中性子のための50倍であるはずだ。

This should increase the neutron coefficient compared to proton

これは、陽子に比べて中性子の係数を大きくすることになります、つまり

which is not enough to bring neutron tunneling above coulomb.

これはクーロンを超える中性子トンネリングをもたらすのに十分ではありません。


  • BE distribution
  • BE 分布


Considering the bound level from free neutron level is not good for calculating the binding energy since this give a total binding energy lower than the calcu-lated one.

自由中性子レベルから束縛レベルを考慮することは、束縛エネルギーを計算するために良いことではありません、というのは、これは、計算されたものより低い総束縛エネルギーを与えるからです。

Consider the level from a level distribution where the sum of level should give the total binding energy gives the highest level much closer to the free neutron energy.

レベル分布からレベルを考えてみましょう、そこでは、レベルの合計が総束縛エネルギーを与えるはずです、総束縛エネルギーが、自由中性子エネルギーにとても近い最高レベルを提供します。(訳注 この英文は文法的に混乱しているようだ)

The potential height outside the nucleus is then coming from the rearrangement of level inside the daughter nucleus.

核外のポテンシャルの高さは、娘核内部のレベルの再配列から、それ故、来ている。

This should have some time delay that allows the runaway neutron to get far enough away from the nucleus to avoid strong interaction.

これは、いくつかの時間遅延を持っています、それによって、逃走する中性子が、核から十分遠く離れてしまうことになります、それで強い相互作用を避けることになります。

The result is then that the V-E part of the tunneling coefficient is lowered.

結論はそれ故、トンネリング係数のV-E部が低下する。


  • p-wave
  • 陽子波

The basic tunneling calculation doesn't consider higher order of partial waves

基本的なトンネリングの計算は、部分波の高次を考慮していない

actually the outer neutron in Li and Ni is in p-wave which have a considerable large probability to be outside the potential wall.

実際にLiとNiの外側の中性子は、陽子波の中である、そこでは、そのポテンシャル壁の外にあるはずだというかなり大規模な確率を持っている。



To find the tunneling rate for bound neutron one could consider the case where the outer nucleus is thought of being constant.

束縛中性子のトンネリングレートを見つけるために、人が考えることができる場合は、外核が一定であると考えている場合だ。

The inner neutron is then thought of hitting the wall with a rate calculated from the bound neutron kinetic energy.

内側の中性子は、束縛中性子の運動エネルギーから算出したレートで壁を打つと、それ故考えられている。

The kinetic energy is in the range of 10-100 MeV and a nucleus radius in the fm range then give a frequency in the order of 10 ^ 21 Hz.

運動エネルギーは、10-100 MeVの範囲内にある、さらに、fm(フェムトメートル)範囲内の核半径は、それ故、10 ^ 21 ヘルツオーダーの周波数を与える。

Tab. 4 shows the tunneling rate for the probabilities considered in tab. 3.

表4は、表3で考えられた確率についてのトンネリング・レートを示す。

Here one sees that Li p have a rate of 2 Hz at 100 keV which means that bring proton up
to 100 keV would give a considerable large starting rate for the fusion to start.

ここで人が解るのは、Li(リチウム) と p(陽子) が、100 keVで2 Hzのレートを持つことだ、それが意味することは、陽子を100 keVに持ち上げることが、おそらく、核融合を開始するための大きな開始レートを与えることだ。

(訳注 この計算が正しいとすると、水素原子核の陽子を100 keVに加速してリチウムに衝突させれば、リチウム原子核に吸い込まれるという意味。つまり、核融合をするなら、リチウム水素化合物に100 keVの電子を照射すれば、電子が陽子を加速してその陽子がリチウム原子核に吸い込まれることになる。100 keVは、10万ボルトなので、これは段数の少ないコッククロフト・ウォルトン回路で発生できる。つまり実験は、市販の高電圧装置でよいし、あるいは、公称10万ボルトの市販スタンガンでも代用できそうだ。)

Overbound deuterium

過剰に束縛する重水素

If bound neutron tunneling would work through a proton bridge no deuterium would be created since the total binding energy for deuterium is only 2.2 MeV


もし仮に、束縛中性子のトンネルが、プロトンブリッジを介して動作する場合ならば、全く重水素は作成されないであろう、理由は、重水素のための総束縛エネルギーはわずか2.2 MeVだからであり、


(訳注 3ページの終わり)

Table 4: Tunneling rates for -7(Li) and -8(Ni) MeV n* with fn = 1021 Hz

表4: トンネリング·レート、 -7(Li)と-8(Ni)用、 MeV n* 、 fn = 1021 Hz にて


while the bound neutron lies 7 MeV below the free neutron energy.

一方で、束縛中性子は、自由中性子エネルギー以下の7 MeV にあるから。

The proton bridge is then an overbound deuterium state.

プロトンブリッジは、その後、過剰束縛重水素の状態です。

In normal case an overbound system would quickly absorb energy from the surrounding to the ground level but for such a large overbound state the only possibility to absorb energy is to
interact with nucleon scale energy and not atomic scale.

通常の場合、過剰束縛システムが、迅速に周囲からエネルギーを吸収して接地レベルになり、しかし、このような大規模な過剰束縛状態に対して、エネルギーを吸収するための唯一の可能性は、核子スケールエネルギーで相互作用することであり、原子スケールではないのだ。

The lifetime of the state could be calculated from the retransmission coe cient.

状態の寿命は、伝達係数から計算されることができる。

First consider the transmission coe cient as the comparison of amplitudes:

最初に、振幅の比較として、伝達係数を考慮してください。

where AN is the amplitude of the wave by the nucleon and Ad is the ampli-tude of the wave at the deuterium.

ANは、核子による波の振幅、Adは、重水素での波の振幅。

The amplitudes are found by continuum considerations at the barrier wall

振幅が、隔壁での連続体の考慮によって発見される

here the wall is is considered to exist at x=0.

ここに、壁が  x=0 で存在すると考えられている。

If one instead consider a over-bound system the wall would have been reduced from 0 to -x but the frequency is still the same.

もし仮に、人が代わりに、過剰束縛システムを検討するならば、 壁が、0から-xにまで減少されたであろう、だが、周波数は依然として同じであるのだ。

The continuum formula is now instead

連続体の式は、今や代わりに

The amplitude square of the complex phase is still 1 but for the real one its now B ^ 2 * e ^ -2k(-x) instead.

複素位相の振幅正方形はまだ1である、しかし、真の1について、それは今や B ^ 2 * e ^ -2k(-x)  がとって代わる。

The transition coe cient is then increased by

遷移係数は、その後、つぎによって増加する

The -x is the di erence between the deuterium potential well radius and the Li/Ni one ie in the range of fm.

 -x は、重水素ポテンシャル井戸の半径とLi/Niのそれの間の距離である、すなわち、fmの範囲である。

For probable k values the Td * / TN di erence are in the range of 10 ^ -5.

可能性のある k の値について、Td * / TN の距離は、10 ^ -5 の範囲にある。

If one choose the 100 keV p-Li interaction from tab. 4 one finds a transmission rate
of seconds and retransmission in microsecond.

もし仮に、人が 100 keV p-Li の相互作用をテーブル4から選択するならば、人は秒の伝送速度とマイクロ秒の再伝送を見つける。

But at the same time 100 keV protons has the speed of approx.

しかし同時に、100keVの陽子が、おおよその速度を有する。

10 ^ 5 m/s so that during the lifetime of the overbound deuterium it will travel far in the Ni/Li material and therefor works as a bridge for bound neutrons.

10 ^ 5 m/s 、それで、過剰束縛重水素の存続期間中に、Ni/Liの材料の中をそれは遠く旅する 、さらに、それ故、束縛中性子のためのブリッジとして動作します。


(訳注 4ページの終わり)

Nov 11, 2014

石油有機起源説の難点

石油天然ガスの起源 ~無機成因説は成り立つか~
http://oilgas-info.jogmec.go.jp/pdf/0/641/200511_063a.pdf
は、石油の有機起源説派の論文である。

実は有機起源説でも無機起源説でもどちらでもいいのだ。
肝心なことは、4項目


  1. 石油は有機起源説ではありえない深いところから見つかっているという事実
  2. 一度枯れた油田も十年単位で放置するとまた回復するという事実
  3. より深いところにある石油をどうやって確率良く発見するか
  4. より深いところにある石油をどうやって安価に掘り出すか


であり、解決先として2項目


  1. 確率向上には、大深度水平堀(ベトナムですでに実施済み)
  2. 掘るのではなく発想を転換して海底人工トラップを作り集める(メタンハイドレートの採掘の新案)


である。もちろん、「石油」を天然ガスや石炭に置き換えて構わない。

また、昨今のシェールガス、シェールオイルの鉱区では、地上に湧き出る地下水つまり井戸水に天然ガスが含まれてしまい、火がつくそうだ。当然だトラップと呼ばれる地層がないところの地下で炭化水素を豊富に含む根源岩を砕き加熱して石油やガスを採掘すれば、漏れた石油とガスは地下水と入れ替わりあるいは溶けこんで地上に出てくるのだ。それなら、シェールガス田の地上をシートで覆ってしまえば、そのままガスタンクや石油タンクになるだろう

それでは、この論文(以下引用部は > 記号 と緑色)を、有機起源説と無機起源説の両方から中立な立場、あるいは、無機起源説の立場から見なおしてみよう。

>1. はじめに
> ...
> (地下の)CH4は途中で酸化されてほとんどがCO2に(変化して大気に出る)

「ほとんど」という表現が科学的に曖昧である、本当なのか確認したのだろうか。

> 大気中のCO2の一部は植物の光合成により有機物となり、一部は水に溶け、やがて炭酸塩を形成して地下に戻ります。

有機起源説と無機起源説の両方から中立な立場からは、数量的表現が曖昧であること、有機物の一部が燃焼済みの無機物(炭酸塩=炭酸カルシウム=石灰石)として地下に戻ることを表す必要がある。
だから科学的良心により誠実に書くならば「水に溶けた一部の有機物のさらに一部が燃焼済の炭酸塩(炭酸カルシウム)となり石灰石として地下に戻る。」となる。

> また、スウェーデンの隕石孔シルヤン・リングでは、Gold説に基づいて1986年~1992年に2坑井が掘削されましたが、商業量の油・ガスは発見されませんでした。

有機起源説と無機起源説の両方から中立な立場からは、もう少し詳しい事実を書いてもらいたい。例えば「また、スウェーデンの隕石孔シルヤン・リングでは、Gold説に基づいて1986年~1992年に2坑井が掘削され、商業量の油・ガスは発見されませんでしたが、炭素、有機物の堆積が一切ない花崗岩の奥深く地下6000mで少量だが石油とバクテリアが発見された。地上から石油とバクテリアがこの深さ染み込んだと推測するか、これをさらに深層からの有機物による無機起源の証拠と捉えるか議論が別れる」となる。

> 石油開発に携わっているほとんどの探鉱技術者は、非生物起源炭化水素の存在は認めていますが、その量は非常にわずかであり、油・ガス田の成立には貢献していないと考えています。

著者は、「無機起源の石油もあるが量はとても少ない」という曖昧な表現で無機起源を若干認めつつも、彼自身は、日本の学会の旧主派の有機起源説グルーブに属していると予想できる。



> 2. 非生物起源炭化水素
> ...
> 地球上の生物は、12Cを13Cより速く取り込むので、生物起源の炭素化合物は、非生物起源の炭化水素より軽くなります。

有機起源説と無機起源説の両方から中立な立場とより厳密な科学的態度からは、「地球上の生物は、軽い12Cを思い13Cより速く取り込むので、地上の生物に含まれる炭素化合物は、非生物に含まれる炭化水素より軽くなります。」だけである。

> 1969年にオーストラリアで落下・採集されたマーチソン(Murchison)炭素質隕石

唯一の地球外物質としての隕石の例でこれ一つで宇宙すべてを説明することは無謀である。
そもそも、この隕石が無機起源なのか生物起源なのか判定できる根拠がどこにも無い。この隕石のCO2の δ^13 Cが地球の地表と異なり非常に重い理由の説明がない。まるっきり手がかりがないため理由を付けられるはずもない。

> 反応速度が、分解(ヘキサンの熱分解)においても重合(メタン大気中のスパーク実験)においても、軽い12Cの方が重い13Cよりも速いため、前者は熱分解が進むほど、そして後者は重合が進むほど、それぞれの生成物が軽くなるからです。

上記は、再現実験から解る客観的事実である。しかし、この事実の裏側にある事実も見逃してはならないのだ。それは、「生成物が軽くなれば、残留物は重くなるということ」である。これの意味することを詳しく書けば、一つの閉鎖系において熱分解反応が起きていれば分解された生成物では軽い12Cが優勢で残留物は重い13Cが優勢となる、熱重合反応が起きていれば重合された生成物では軽い12Cが優勢で残留物は軽い12Cが優勢であるということ。実験の前提条件の閉鎖系であることが極めて大切なのである。

有機起源説派の主張が科学的に正しいかどうかの判定基準として、「重くなっているはずの残留物がどこにあるのかを述べているどうか、つまり閉鎖系として評価されているかどうか」が浮かび上がる。重くなっているはずの残留物の説明が抜けた有機起源説は片手落ちの不格好な理論と言えそうだ。

> カナダ楯状地のKidd Creek鉱山(世界最大級の火山性塊状硫化物鉱床の一つ)
> ...



Kidd Creek鉱山が湧き出る炭素元素を含むガスは、そもそも、「δ13C1は-32.7‰以下であり、有機物の熱分解の範囲に入る」と筆者自身が論述しているように、筆者の理論からは、火山から出たガスにもかかわらず、その炭素は有機物由来の兆候が見て取れる(筆者もそう書いている)。しかし、「δ13C1>δ13C2、δ13C3、δ13C4」という関係をも計測し、これはつまり、重い13Cが高分子炭素ほど減る=軽い12Cが高分子炭素ほど多いということであり、実験室レベルと同等の短期間の化学反応で低分子炭素から高分子炭素に熱重合したのではないかという推測もできるということだ。ここには、「低分子炭素(=メタン)は生物由来ではない」という筆者のあまり根拠を示さない発想があると私は推定している。
この段階で科学的にKidd Creek鉱山が湧き出る炭素元素を含むガスが有機物由来か無機物由来か判断がつかないと思えるのだが、筆者は無機物由来と断言してしまっている。

> 3. 油・ガス田における非生物起源炭化水素
> ....


実験室における短時間の実験では、熱分解にしろ熱重合にしろ、生成物は軽い12Cが多くなり、残留物は重い13Cが多くなるのである。では、地下深くで比較にならない長時間ではどうなると考えるといいのだろう。なぜすべてのエチレンが分解されてメタンにならないのか、あるいはこの逆にならないのか、この疑問に答えていることが科学的にバランスのとれた理論であると思われる。地下における、化学平衡と熱平衡さらに圧力平衡の視点が欲しい。残念ながら筆者の論文だけでは疑問は解決できない。メタンとエチレンの12C,13Cの比率は化学平衡と熱平衡さらに圧力平衡により安定する比率があるがポイントでありこれが油・ガス田の炭素同位体比を決定してしまうのではないだろうか。


> 4. 基盤岩油・ガス田
> 4-1.ベトナム沖クーロン堆積盆地
> ...
> 原油の地化学性状や原油-根源岩対比に基づけば、基盤岩原油は有機物に富んだ湖成泥岩から生成されたものと考えられます。

ここの見解が、有機起源説派と無機起源説派で大きく異なっている。
同じ油田を見て、有機起源説派は有機起源と言い、無機起源説派は無機起源と言う。

ベトナムの油田で、有機起源説派が説明しなければならないそして説明を避けている科学的困難は、海底下にある油田において、海水より軽い石油がなぜ一番深い基板岩から見つかり、途中の根源岩とされるところで発見されないのかということだ。つまりより高い所にある根源岩の油と水がなぜより深い(=低い)しかも硬い基板岩に入り込むかということだ。

また、有機起源説派が説明しなければならないそして説明を避けている科学的困難がまだ二つ在る。、なぜ大量の生物の死骸=炭化水素が腐らず分解されなかったのかということ、仮に腐らなかったにしろ、そもそも軽い炭化水素がどうやって大量に重いその他の岩石の下に入り込み根源岩と称される物になりうるのかということである。

無機起源説では、説明は簡単で、もっともっと深いところから軽い炭化水素(=石油、天然ガス)がじわじわと沸き上がってくる(浮力の原理)から、たまたま、基板岩の窪みに石油が溜まったし、そこからあふれた物がたまたま根源岩と称されるフィルターに捕まり炭化水素の含有量が増えた、あるいは石油も水もガスも通さない粘土質の層が水上置換法の原理で石油やガスを集めた、それらのフィルターを通過した炭化水素は地上に滲み出してガスや液体となっているというものだ。

無機起源説だからといって、地下深く深く深く掘れば何処でも無尽蔵に石油や天然ガスが湧き出るということではないはずだ。石油だけ都合よく出てくる保証もない。出やすい所があるはずたが深すぎてどうやって見つけていいのか今の技術ではまだはっきり判らないということだ。はっきりしていることは、これまでの油田やガス田や石炭層のように地層的に湧き出て上がって来る炭化水素を集積する地層構造(トラップ)があるところを探すことがいいということだ。ベトナムでは、大深度での水平堀で石油層をより高い確率で探り当てている。あるいは、これまでと発想を180度変えて、石油やガスを集積する構造(トラップ)を人工的にどうやって作るかということだろう。

ラドン油田のより解りやすい図解はこちらが好ましい
https://www.japt.org/html/iinkai/seisan/tech_2007/69-76.pdf
興味深い点は、大深度での水平堀で、石油に当たる確率を高めていることだ。


> 4-2.勇払油・ガス田

[用語]:コンデンセート(condensate):訳は凝縮物、ガス田から液体分として採取される原油の一種で、地下では高熱のため気体状で存在しているが、地上で採取する際、凝縮する液体

[用語]:フラクチャー(fracture):訳は割れ目、フラクチャー型貯留岩とは岩石にヒビが入り割れ目が沢山あるということだ。

[用語]:アルカン(alkane):メタン、エタン、プロパン、ブタンなどベンゼンのように環を作らない鎖状に炭素が単結合した飽和炭化水素のこと

[用語]:メチル:メチル基とはCH3-の化学結合の構造


[用語]:2-メチルアルカン類:エタンのことかと推測

> 花崗岩類と礫岩がフラクチャー型貯留岩となっています(図10)。

勇払油・ガス田でも、根源岩の下層にある花崗岩類の割れ目(=フラクチャー)に石油とガスがたまっている。

軽いガスと油がなぜその根源岩より下の層に貯まるのか、その説明が無いことが有機起源説の不備である。

> コンデンセートは、δ13Cが約-26‰と軽いこと、ステランのC29/(C27+C29)比が高いこと、C25以上の n アルカンに加え被子植物に含まれるクチクラが起源の2-メチルアルカン類が豊富に含まれていること(図11)から、陸源有機物から生成されたと推定されます(武富・西田,2002)。

「δ13Cが約-26‰と軽いこと、ステランのC29/(C27+C29)比が高いこと」はすでに化学平衡の条件として成立する可能性の有無を論証して欲しいことは数段落前で説明した。

「2-メチルアルカン類」が、「被子植物に含まれるクチクラ」に含まれることは客観的事実だが、それが、勇払油・ガス田の全てが陸源有機物起源と断定するにはまだ根拠としてまだ弱いのではないかと思える。

>石狩層群夾炭層の石炭や炭質泥岩のステラン組成はコンデンセートと必ずしも
一致していませんが、これは熟成度の違いを反映している可能性があります(図12)。

この説明は、筆者が現実の油田の状況により説明を都合よく切り替えていることを意味する。つまり、筆者の有機起源説には、統一的な簡単な原理がは無く、素朴な発想「動物や植物を大量に集めて油を絞れるから石油もきっとそうだ」からすべての理論が展開されているように感じられるがみなさんはどうだろうか。


勇払油・ガス田のより解りやすい解説はこちら
http://www.japexrc.com/fracture.htm

> 5. まとめ
> ...
>基盤岩油・ガス田の場合のように、予想外のところまで石油が移動し、集積している可能性があります。

「予想外」の事実をこじつけで説明しているのが、有機起源説であると感じられる。有機起源説は幾つかの決定的と私が考えている疑問に答えていないと思われる。


>鉱対象を限定するのではなく、フレキシブルにものごとを考えることが必要だと思います。これまで予想していなかったような発見がこれからも続くと思います。

この論文の筆者は、実に巧妙な表現方法で有機起源説派が不利になることを避けている。それも日本の学会や己の所属組織において、自分が生き残るための方策であるから仕方が無いのだろう。私も、日本のサラリーマン学者の立場は良く分かる。だから、私たちは、そういう著者の弱い立場も汲み取って論文を読み進めなければならないのだ。

こういう書き方から筆者は、学識豊かで、丁寧で、語り口もスマートである。だが、強い自己主張が欠けている。権力志向あるいは権力に弱いサラリーマンの匂いを感じる。こういう書き方を東大話法というのだ。

人間誰もが、それぞれの今の立場に流れ着いた歴史の中に生きているのであり、その人自身にとって自分が気持よく生活することが小さな正義である。サラリーマンにとって事実かどうか断言できない科学的主張と心中するようなことは、彼のライフスタイルとは相容れないものなのだ。そういうスタイルがサラリーマンにとっていい処世術だと私は思う。おそらく学会の風向きが変われば、彼は最も素早く新しい理論に乗り換えるに違いないだろう。

> 安易に無機成因説を鵜呑みにして、石油が無尽蔵にあるかのような幻想をもつことは、今後の地球環境問題を考えても控えられるべきものであると思います。

この点は賛成できる。無機起源説であろうとも、経済性を無視した石油採掘は意味が無い。まして税金を使った油田開発などばかばかしい。税を使った研究(石油公団)は基礎科学までにしなければならない。儲かるなら、あとはすべて民間に任せておけばいいのだ。

無機起源説から脱線してしまうが、すべてを民間に任せるためには、強力な大富豪の存在が前提になる。

アメリカや中国の富豪に対抗出来るだけの大富豪が日本にも多数いないとチャレンジャーになる人を育てることができないからだ。世界を見ている富豪が、孫正義氏、柳井正氏、三木谷浩史氏の三人しかいないのは寂しい。残念なことに日本には、石油・エネルギー関係の富豪がいない。

これから、日本の貧富の格差拡大は経済成長の必要条件となる。ただし、99%の大多数の貧者(私もここに属するが)には、最低限の健康で文化的な生活を、99%の貧者の参加する保険(10年前レベルの医療水準の健康保険、最低額の老齢年金、万が一の生活保護)で保証することが99%の大多数の国民を幸福にするために必要だ。余計なことは一切しない小さく公正な政府が日本人の未来のために必要と確信している。正当な方法でのし上がった大富豪に重税を課すことをよしとする風潮・言説こそが、上から目線であり、とても恥ずべき卑しいことなのだ。

Nov 9, 2014

あと10年で「消える職業」


週間現代のサイトの記事
オックスフォード大学が認定 あと10年で「消える職業」「なくなる仕事」702業種を徹底調査してわかった

に興味を引かれ、原論文を探しました。

その方法は、まずGoogle翻訳で
「英オックスフォード大学 マイケル・A・オズボーン准教授 雇用の未来 」
を英語に翻訳
"English Oxford Michael · A · Osborne Associate Professor Future of employment"
を得ます。

さらに、Google検索でこの翻訳文を検索し、
この原文(72ページの大作)へたどりつきました。

タイトルのみここに書き出すと

THE FUTURE OF EMPLOYMENT: HOW
SUSCEPTIBLE ARE JOBS TO
COMPUTERISATION?∗
Carl Benedikt Frey†
and Michael A. Osborne‡
September 17, 2013

うん、間違いないこれです。

あれ、日付が一年前の9月の論文じゃないか、、、

この論文の付録に、コンピューター化されない職業からされる職業までの700職の一覧が出ています。


Nov 1, 2014

E-Catの理論仮説・束縛中性子トンネリング1

以下は、Ecat-Worldの記事、
Low Radiation Fusion Through Bound Neutron Tunneling (Proposed LENR Theory by Carl-Oscar Gullström)
に紹介されたE-Catの動作原理を推測し仮説を立てた論文の翻訳です。


以下は、私が勝手に翻訳したものですから、翻訳文の著作権は原論文の著者に属します。
翻訳はこれから少しずつ行いますので、細切れになります。

(ここから)

Low radiation fusion through bound neutron tunneling

束縛中性子トンネリングを通じての低放射の核融合

Carl-Oscar Gullström

カール·オスカーGullström

October 25, 2014

2014年10月25日

Abstract

要約

To achieve low radiation fusion one considers bound neutron tunneling in the MeV range.

低放射核融合を達成するために、人は、MeVの範囲での束縛中性子トンネルを考える。

It is found that the probability for bound neutron tunneling is larger then tunneling through a coulomb barrier for Ni Li interaction below the energy for fusion conventional Ni Li fusion.

分かったことは以下である、束縛中性子トンネリングの確率がかなり大きいので、NiのLiの相互作用のためのクーロン障壁をトンネリングすることが、従来のNiのLi核融合のためのエネルギーを下回るのだ。

The theory from basic quantum mechanic tunneling principles are compared with the e-cat device.

基本的な量子力学のトンネリングの原理の理論は、E-Cat装置と比較されている。

It is found that bound neutron tunneling fusion could explain isotope abundance, energy production and burn rate from an e-cat test run done by a third party collaboration.

分かったことは以下である、束縛中性子のトンネル核融合は、同位体存在、エネルギー生産および燃焼速度をを説明できる、それらは、サードパーティの共同作業によって行われたE-Catテストランから発生したものだ。




Bound neutron tunneling

束縛中性子トンネリング

Tunneling is a known process in nuclear physics.

トンネリングは、核物理学で知られているプロセスである。

Alpha decay in heavy nuclides and low energy proton capture in for example Li p interaction is explained by tunneling through a Coulomb barrier.

重い核種におけるアルファ崩壊、さらに、例えばLi(リチウム)とp(プロトン:陽子)の相互作用における、低エネルギー陽子捕獲、これらは、クーロン障壁を通過するトンネリングによって説明される。

These examples deals with nucleon above the free energy so the particles could be free.

これらの例は、自由エネルギーを超える核子を扱っています、それ故、粒子が自由でありうるのです。

What will be considered here by the simplest quantum mechanic model is tunneling between 2 potential well created by two nucleons.

最も単純な量子力学モデルによって、ここで考慮される何かとは、2つの核子によって作成されたポテンシャル井戸の間のトンネリングです。

The idea is that bound neutron tunneling should be considerable larger than coulomb barrier tunneling.

アイデアは、こういうことです、束縛中性子トンネリングが、クーロン障壁トンネリングよりも大きいと考えなければならないということです。

Bound neutron tunneling should give ground state ground state interaction if the neutron energy level is close in the two considered nucleus.

束縛中性子トンネリングは、基底状態と基底状態の相互作用を与えるはずです、もし仮に中性子エネルギーレベルが、その2つの核内で近いならばだが。

To calculate the difference in tunnel-ing probabilities one could considered basic quantum mechanics.

トンネルする確率の差を計算するために、人は、基本的な量子力学を検討できた。

In the WBK approximation the transmission coe cient T for a potential barrier is given by

WBK近似における、ポテンシャル障壁のための透過係数Tは、以下で与えられる、

where m is the mass of the tunneling particle, h~ is the planck constant,
V (x) - E is the distance between the energy level and the potential and the
integration limit is between the barrier wall.

ここで、m は、トンネリング粒子の質量、h~ (hに短い横線)は、プランク定数、
V (x) - E は、エネルギーレベルと電位との距離、
積分限界が障壁の間隔です。


In the following example interaction between Ni, Li and p is considered.

次の例では、Ni(ニッケル)、Liとpとの間の相互作用が、考えられている。

First one considered the outer wall point for different energies from coulomb interaction where the coulomb potential is given by

最初のものは、クーロン相互作用とは異なるエネルギーに対しての外壁点を検討します、そのクーロンポテンシャルは次で与えられます。

(訳注 1ージの終わり)

Table 1: Distance in fm between nuclides due to Coulomb repulsion

表1: クーロン反発力に関する核種の間でのFmでの距離

Table 2: Tunneling exp coe cients for coulomb repulsion

表2: クーロン斥力のためのトンネリングのexpの係数

where Zi is the charge of the different nuclides.

ここで、 Zi は、異なる核種の帯電。

The radius for different energies in the keV-MeV range is given in 1.

keVの-MeVの範囲の異なるエネルギーのための半径は、1で与えられる。

Next one considered Coulomb barrier tunneling for the same energies if one assumes the radius of the Ni and Li nuclides to be 4 and 2 fm.

次に、人は、同一のエネルギーのためのクーロン障壁トンネル検討した、もし仮に、人が、NiとのLi核種の半径を、4と2fm(フェムトメートル)と仮定する場合にだ。

The exponential coefficient

指数係数


is shown in tab. 2

は、表2で示される、

here only coefficient for particles above the coulomb barrier are set to below 0.

ここでは、上記の粒子のための係数だけで、クーロン障壁が0未満に設定されている。

For bound neutron tunneling one here consider the reactions

束縛中性子トンネルに関して、人は、ここで、この反応を考慮する


The potential depth is thought to be constant and calculated from differences in binding energies between the nuclides.

ポテンシャル深さは一定とされ、核種との間の束縛エネルギーの差から計算されたものと考えられる。

All binding energies are from ref. [2].

すべての束縛エネルギーは、参考文献 [2]からのものである。




For Lithium

リチウムについて、

is used while Nickel gives

が、用いられ、他方で ニッケルで与えられるのは、


The coe cients is calculated in tab. 3.

係数は、表3で計算されます。

Could one then consider tunneling for protons also but there one has to ad the coulomb
barrier and also for the considered nuclides the last proton binding energy is

人は、その後、プロトンのトンネリングを検討することもできるだけでなく、人は、クーロン障壁を追加する必要がありますし、考えられる核種についても、最終的な陽子束縛エネルギーは、以下です

Table 3: Tunneling exp coe cients for -7(Li) and -8(Ni) MeV n*

表3: トンネリングEXP係数、 -7(Li)と-8(Ni) MeV n* 用


(訳注 2ページの終わり)