7月21日から28日、アメリカのミズーリ大学で開かれました。
大学で開かれているのでお分かりかと思いますが、ICCFのスタイルは、学術会議です。
実際の会場の様子をよくまとめています。
以下リンクと抜粋解説=ナンチャッテ抄訳です。
Cold Fusion Now to report from ICCF-18
"COLD FUSION NOW"のレポーターに少額の寄付を試みましたが、
日本からは、できないようでした。
Defkalion Hyperion demo to be broadcast online
ICCF-18では、デフカリオン社のLENR装置ハイペリオンのデモが、行われました。
実際は、イタリアからのインターネット中継です。
デモは成功しました。
ICCF-18 Opening Reception: Top Researchers and New Faces
Message from ICCF-18: Sunday Basic Course
ICCF-18 Day 2: Strong Claims and Rebuttals
重要な講演が多数ありました。
抜粋ですが、
Edmund Storms さんは、常温核融合を説明する理論の3つの必要事項を講演しました。
1. 常温核融合は、元の素材で簡単には起きない。
核活性化環境(Nuclear Active Environment (NAE))が必要である。
2. すべてのパラジウム重水素系、ニッケル水素系、生化学系の現象すべてを
基本的なメカニズムで説明できないといけない。
3. 常温核融合は、熱核融合と全く異なるので、反応の機構も生成物も違う。
熱核融合の理論をそのまま当てはめても意味が無い。
Jean-Paul Biberian さんの講演では、
プラズマ・スタイルの反応炉の性質について発表、
プラズマを使うことで、
高い再現性と素速い実験が行えますが、
電極の消耗が激しいことが説明されました。
(まだ、資料を読んでいないのですが、面白いですね)
ICCF-18 Day 3: PHOTOS!
デフカリオン社のLENR装置ハイペリオンのデモ画像
展示では、"Sidney Kimmel Institute"のセルや"SKINR lab"の説明がありました。
MFMP(Martin Fleischmann Memorial Project)が、
"Entrepreneur Panel’s People’s Choice Award"に輝きました。
メンバーのRobert Ellefsonさんが、新型の Sgv3 反応炉をデザイしたそうです。
ICCF-18 Day 4: Presentations and Behind the Scenes
Jirohta Kasagi さんの低エネルギー重陽子(重水素原子核)線の研究では、
電子の観測と重水素原子の接近を解説しました。
ICCF-18 Day 5: Presentations and Awards
Thomas Passell さんは、
the Electric Power Research Institute (EPRI)の一員で
重陽子(重水素原子核)は、金属での固定原子との反応を好む
という"Evidence for Oppenheimer-Phillips Reactions
in Deuterated Palladium and Titanium"を発表しました。
ICCF-18 Day 6: The Way Forward
ICCF-18 Day 4: Presentations and Behind the Scenes
Jirohta Kasagi さんの低エネルギー重陽子(重水素原子核)線の研究では、
電子の観測と重水素原子の接近を解説しました。
Peter Pfeiferさんは、
Sidney Kimmel Institute of Nuclear Renaissance (SKINR)の一員として
ポロンをドープした炭素フィルムでの水素の吸着を良くして
パラジウム水素系で過剰熱の発生を目標に実験を開始したそうです。
(まだ過剰熱は未観測)
Vittorio Violante さんは、
パラジュウム重水素系での過剰熱(化学反応より50%増し)の発生に
成功しており、
成功の秘訣は、「正しい材料」と解説。
彼は、ENEAで働き、
National Instrumentsからも一部資金をえいてます。
Emanuele Castagna さんは、ENEAのガス拡散の研究で
多層膜構造の影響を研究しています。
SKINRのディレクターのGraham Hublerさんから、
パラジュウムに混じる不純物が実験結果を左右するという
発表がされました。
Michael McKubreさんは、パラジュウム重水素系では
溶剤(Flux)が、重水素の初期ロードに影響すると説明しています。
David J. Nagel さんは、LENRの反応速度を表す Rate という概念を解説しました。
Norman Cook さんは、"Simulation of the nuclear Transmutation Effects "の
解説で、Tadahiko Mizuno さんの実験データのパラジウムの核種変換を
シュミレートできたと報告しています。
Normanさんの原子核の格子似の構造(lattice-like substructure)説が
Andrea Rossiさんから頼りにされていることが有名です。
Peter Hagelstein さんは、新説
"Lattice-Induced Nuclear Excitation and Coherent Energy Exchange
in the Karabut Experiment"
を披露しました。
ICCF10で報告された Alexander Karabut さんの実験結果を
説明するためのもののようです。
どうやら実験ではテラヘルツの超高周波電波をかけるようです。
彼は新しいハミルトン方程式を導いたようです。
彼の理論は、X線放射が少ない謎を解いたとも主張しています。
彼の古い"ossy spin model"説は、もう止めたのでしょうか。
Roger Stringham さんは、
メガヘルツ高周波でのキャビテーション気泡による
パラジウム箔の振動で局部的な超高温で
反応を誘発させようとしています。
John Gaul さんは、SKINR の一員で
重陽子(重水素原子核)に誘発された反応の
断面計測について発表しました。
この研究は熱核融合に近いものですが
常温核融合でも役に立つと思われます。
Thomas Passell さんは、
the Electric Power Research Institute (EPRI)の一員で
重陽子(重水素原子核)は、金属での固定原子との反応を好む
という"Evidence for Oppenheimer-Phillips Reactions
in Deuterated Palladium and Titanium"を発表しました。
Akito Takahash さんは、彼の理論 TSC modelを発表しました。
Andrew Meulenberg さんは、理論
"Composite Model for LENR in Linear Defects of a Lattice"を発表しました。
Defkalion社のパートナーの Yeong Kim さんは、分析
"Theoretical Analysis and Reaction Mechanisms for Experimental Results of Hydrogen-Nickel Systems"
を発表しました。
Hyperion には、0.6 to 1.6 Tesla の磁場がかかっています。
Ni (58, 60, 62, and 64)の同位体から過剰熱が出るそうです。
Ni (61)からは過剰熱が出ません。
ガンマ線は、50 keV to 300 keVの間のみ
さら、理論
"Boson Cluster-State Nuclear Fusion (BCSNF) "
を発表しました。
Vladimir Vysotskii さんが、
"Transmutations in Biological and Chemical Systems Panel"
を発表しました。
Akira Kitamura さんが、
"A Mass-Flow-Calorimetry System for Scaled-up Experiments on Anomalous Heat Evolution at Elevated Temperature"
を発表しました。
その他の発表も多数ありました。
Tatsumi Hioki さんは、
"Hydrogen Absorption Property of Pd-Doped Porous Materials"
の中でゼオライトを利用して
パラジウムに水素をたくさん吸着させようとしていました。
Henrich Hora さんは、
"Model of Two-Picometer Deuteron Clusters for LENR Supported by Laser Emission of Nuclear Reactions Products"
を発表しました。
他に発表が多数ありました。
最後のディスカッションで前進のために提言がありました。
- 科学的方法でもっと基礎研究を
- 若い世代を巻き込もう
- だれでも再現できる実験詳細を公開しよう
- 資本家の投資を呼ぼう
- 政府の関心を引こう
- 旧守派の科学者を批判するのを止めよう
- 突破口を開く理論を探そう
- ロッシやデフカリオンのようなKWレベルのデモをしよう
- 社会の需要、政治家の関心、政府の予算の順に進めよう
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次回の ICCF-19 は、イタリアのベニスで一年半先の2015年3月15日-21日です。
が、コロラド大学で10月に開かれます。